法令上の制限

建築基準法①(集団規定:道路・用途・建蔽率・容積率・高さ)

法令上の制限読む目安 約20分図 4場面つき

この単元で分かること

  • 道路がどう決まり、敷地が道路に接する義務や2項道路の境界線がどこになるのかを学びます。
  • 用途地域ごとに、どんな建物を建てられるのかを学びます。
  • 建蔽率と容積率の求め方と、加算・緩和のきまりを学びます。

この単元のはじまりの場面

場面

冬、石井正さんが、駅北の空き地に子どもの家を建てる相談に来ました。空き地の前の道は幅が3メートルほどで、石井さんは「このまま建てられますか」と聞きました。木村健一さんは「建物は、道路との関係、用途、建蔽率、容積率、高さを順に確かめて建てるんだ」と答えました。佐藤さくらさんは、街全体のルールである集団規定を、道路から順に覚えることになりました。

建築基準法の道路と接道義務約4分

この節でよく出るのは

  • ★ 2回法律の適用時に建物が立ち並んでいる幅員4メートル未満の道は、…

建築基準法には、集団規定と単体規定があります。集団規定は街全体のルールで、単体規定は1棟の建物そのものの決まりです。

根拠: 建築基準法 43条1項

集団規定は、主に道路・用途・建蔽率・容積率・高さの決まりです。

根拠: 建築基準法 43条1項

建物は道路に接していなければならないので、まず道路の意味が問題になります。

根拠: 建築基準法 42条1項

建築基準法でいう道路は、原則として幅員4メートル以上です。特定行政庁が指定した区域では6メートル以上です。

根拠: 建築基準法 42条1項

事例

石井さんの土地の前の私道は幅員3メートルでした。幅員4メートル未満なので、そのままでは建築基準法の道路ではありません。

根拠: 建築基準法 42条1項

★ 過去問で2回

法律の適用時に建物が立ち並んでいる幅員4メートル未満の道は、特定行政庁の指定で道路とみなします。

根拠: 建築基準法 42条2項

これを2項道路、またはみなし道路といいます。中心線から2メートルの線を道路の境界線(道路と敷地の境)とみなします。

根拠: 建築基準法 42条2項

事例

幅員3メートルの2項道路に面する土地は、中心線から2メートルの位置が道路の境界線になります。敷地は実際より狭く扱われます。

根拠: 建築基準法 42条2項

その道が中心線から2メートル未満で崖地や川に沿うときは、崖地等の境界線から4メートルの線を境界線とみなします。

根拠: 建築基準法 42条2項

特定行政庁は、やむを得ない場合に限り、別の水平距離を指定できます。範囲は1.35メートル以上2メートル未満です。

根拠: 建築基準法 42条3項

過去問に出た

幅員1.8メートル未満の道を指定するときや、この別の水平距離を指定するときは、建築審査会の同意が要ります。

根拠: 建築基準法 42条6項

建物の敷地は道路に2メートル以上接しなければなりません。これを接道義務といいます。

根拠: 建築基準法 43条1項

判定の流れ道路と接道義務

幅員4メートル以上の道路か?はい敷地は道路に2メートル以上接するか?はい接道義務を満たすいいえ接道義務を満たさないいいえ建物が立ち並び、指定を受けた道か?はい2項道路。中心線から2メートルが境界線いいえそのままでは道路ではない

特定行政庁が指定した区域では6メートル以上。自動車のみの道路は、接道義務の道路にならない。

根拠: 建築基準法 42条1項、建築基準法 42条2項、建築基準法 43条1項、建築基準法 43条1項1号

自動車のみの交通の用に供する道路は、この接道義務の道路から除かれます。

根拠: 建築基準法 43条1項1号

事例

石井さんの土地は幅員3メートルの道に接しています。その道は自動車だけが通る私道で、自動車のみの道路なので接道義務を満たしません。

根拠: 建築基準法 43条1項1号

地方公共団体は、特殊建築物や延べ面積が千平方メートルを超える建築物などには、条例で接道の制限を付加できます。特殊建築物は、学校・病院・劇場のほか、倉庫・工場・共同住宅なども含む建物です。延べ面積は各階の床面積の合計で、同一敷地内に2棟以上あるときはその合計です。

根拠: 建築基準法 43条3項、建築基準法 43条3項4号

建物と造成のための擁壁は、道路内に建てたり突き出したりしてはいけません。

根拠: 建築基準法 44条1項

事例過去問に出た

石井さんは敷地の擁壁を道路に少し突き出して造ろうとしました。原則としてできません。例外は建築物だけにあり、地盤面下の建築物や、許可を受けた公衆便所など公益上必要な建築物などです。擁壁には例外がありません。

根拠: 建築基準法 44条1項2号

特定行政庁は、建築審査会の同意を得て、街区内の建築物の位置を整える壁面線(建物の壁の位置をそろえる線)を指定できます。

根拠: 建築基準法 46条1項

建築物の壁や柱、高さ2メートルを超える門やへいは、壁面線を越えて建築できません。

根拠: 建築基準法 47条

過去問に出た

地盤面下の部分と、建築審査会の同意を得て許可した歩廊の柱などは、例外です。

根拠: 建築基準法 47条

覚えるコマ

覚える接道義務は、道路にどれだけ接することを求めるか?根拠 43条1項
道路の幅員(原則)4メートル以上道路の幅員(指定区域)6メートル敷地が道路に接する長さ2メートル以上自動車のみの交通の用に供する道路は、接道義務の道路から除かれる。

敷地は道路に2メートル以上接しなければならない。

間違えやすいところ:自動車のみの交通の用に供する道路は除かれる。延べ面積1,000平方メートル超は条例で付加できる

接道義務は、道路にどれだけ接することを求めるか? 敷地は道路に2メートル以上接しなければならない。

覚える2項道路では、境界線をどこにあるとみなすか?根拠 42条2項
原則・幅員4メートル未満で建築物が立ち並ぶ道・特定行政庁の指定で、中心線から2メートルとみなす崖地等に沿う場合・中心線から2メートル未満のとき・崖地等の境界線から4メートルの線とみなすやむを得ない場合は1.35メートル以上2メートル未満で指定できる。42条1項の指定区域内は3メートル(支障がなければ2メートル)。

中心線から2メートル。崖地等沿いは崖地等の境界線から4メートル。

間違えやすいところ:中心線から2メートル未満のときに、崖地等の境界線を基準にする

2項道路では、境界線をどこにあるとみなすか? 中心線から2メートル。崖地等沿いは崖地等の境界線から4メートル。

要点

道路は幅員4メートル以上、接道は2メートル以上。2項道路は中心線から2メートルが境界線です。

根拠: 建築基準法 42条1項、建築基準法 42条2項、建築基準法 43条1項

ひっかけ

2項道路の境界線は常に中心線から2メートルとは限りません。崖地に沿う場合は4メートル、例外指定では1.35メートル以上2メートル未満です。

根拠: 建築基準法 42条2項、建築基準法 42条3項

用途地域と用途制限約2分

用途地域ごとに、建てられるか建てられないかが用途制限で決まっています。

根拠: 建築基準法 48条1項

住居系の地域では、住環境を壊す建物を禁止します。商業系では業務の利便を優先します。

根拠: 建築基準法 48条1項、建築基準法 48条9項

表
用途地域建てられない建物・例外
第一種低層住居専用地域別表第二(い)項の建物以外は建てられません。最も厳しい地域です。
第二種中高層住居専用地域ホテルや旅館を建ててはいけません。特定行政庁の特例許可を受ければ建てられます。
第一種住居地域ぱちんこ屋などを建ててはいけません。
第二種住居地域映画館などを建ててはいけません。
準住居地域作業場が50平方メートルを超える工場は建てられません。作業場が150平方メートル以下の自動車修理工場は建てられます。
近隣商業地域キャバレーや料理店などを建ててはいけません。映画館は客席の面積に関係なく建てられます。
工業地域学校や病院を建ててはいけません。幼保連携型認定こども園は除かれます。
工業専用地域住宅・共同住宅・寄宿舎・下宿を建ててはいけません。住むための建物が禁止されます。

根拠: 建築基準法 48条1項、建築基準法 48条4項、建築基準法 48条5項、建築基準法 48条6項、建築基準法 48条9項、建築基準法 別表第二(り)項、建築基準法 別表第二(と)項、建築基準法 48条12項、建築基準法 48条13項

第二種低層住居専用地域は、原則として低層住宅のための地域です。

根拠: 建築基準法 48条2項

事例

石井さんは第二種低層住居専用地域で診療所を建てようとしています。病院は建てられませんが、診療所は認められています。

根拠: 建築基準法 48条2項、建築基準法 48条15項

第一種中高層住居専用地域では、病院を建てられます。

根拠: 建築基準法 48条3項

事例

石井さんは第二種中高層住居専用地域でホテルを建てようとしました。そのままでは建てられません。特例許可を受ければ建てられます。

根拠: 建築基準法 48条4項

事例

石井さんは第二種住居地域で映画館を建てようとしました。そのままでは建てられず、特例許可の対象です。

根拠: 建築基準法 48条6項

特例許可をするときは、利害関係者の意見を公開で聴き、建築審査会の同意を得なければなりません。

根拠: 建築基準法 48条15項

特別用途地区では、地方公共団体が条例で用途制限を緩和できますが、国土交通大臣の承認が要ります。

根拠: 建築基準法 49条2項

地区計画などの区域でも、市町村は条例で用途制限を緩和できますが、これにも国土交通大臣の承認が要ります。

根拠: 建築基準法 68条の2第5項

卸売市場・火葬場・と畜場・汚物処理場・ごみ焼却場などは、都市計画で敷地の位置が決まっていなければ、新築も増築もできません。学校は、この対象ではありません。

根拠: 建築基準法 51条

過去問に出た

ただし、集落地区計画の区域は、この緩和の対象から除かれます。

根拠: 建築基準法 68条の2第5項

覚えるコマ

覚える地域ごとに、建築してはならない建物の代表は何か?根拠 48条4・5・9・12・13項・別表第二
第二種中高層ホテル・旅館第一種住居ぱちんこ屋など近隣商業キャバレー、料理店など工業学校・病院工業専用住宅・共同住宅・寄宿舎・下宿ホテル・旅館などは、許可がある場合は別。

工業地域は学校・病院を、工業専用地域は住宅・共同住宅を建てられない。

間違えやすいところ:第二種中高層住居専用地域はホテル・旅館、第一種住居地域はぱちんこ屋などが建てられない

地域ごとに、建築してはならない建物の代表は何か? 工業地域は学校・病院を、工業専用地域は住宅・共同住宅を建てられない。

要点

用途制限は「別表第二にない建物は建てられない」という型と「別表第二にある建物は建てられない」という型があります。

根拠: 建築基準法 48条1項、建築基準法 48条13項

ひっかけ

特例許可があれば何でも建てられる、ではありません。公開の意見聴取と建築審査会の同意が必要です。

根拠: 建築基準法 48条15項

敷地が2つの地域にわたるとき約2分

場面

石井さんの空き地は1000平方メートルあり、2つの地域にまたがっています。建蔽率6割の地域が600平方メートル、8割の地域が400平方メートルです。石井さんは「どちらの地域の決まりに合わせるのですか」と聞きました。木村さんは「用途制限は、広いほうの地域の決まりを敷地全部に使う。建蔽率は、面積に応じて按分するんだ」と答えました。

根拠: 建築基準法 48条1項、建築基準法 53条2項

1つの敷地が2つの用途地域にまたがることがあります。そのときは、用途制限と建蔽率・容積率で扱いが違います。

根拠: 建築基準法 48条1項

用途制限の異なる2つの地域にわたるときは、過半の属する地域の規定を敷地の全部に適用します。

根拠: 建築基準法 48条1項

過去問に出た

建蔽率や容積率は計算方法が違います。地域ごとに限度を面積で按分し、その合計を使います。

根拠: 建築基準法 53条2項、建築基準法 52条7項

事例

敷地1000平方メートルが2つの地域に分かれました。建蔽率6割の地域が600平方メートル、建蔽率8割の地域が400平方メートルです。

根拠: 建築基準法 53条2項

限度は6割×0.6と8割×0.4の合計になります。6.8割、つまり68パーセントです。

根拠: 建築基準法 53条2項

数字の比べまたがる敷地の建蔽率の限度

6割の地域600平方メートル60%8割の地域400平方メートル80%敷地全体面積で按分して合計68%

6割×0.6+8割×0.4=6.8割(68パーセント)。

根拠: 建築基準法 53条2項、建築基準法 52条7項

表
規定敷地が2つの地域にわたるとき
用途制限過半の属する地域の規定を敷地全部に適用
建蔽率各地域の限度を面積で按分して合計
容積率各地域の限度を面積で按分して合計

根拠: 建築基準法 53条2項、建築基準法 52条7項

事例

石井さんの敷地は用途地域が2つに分かれ、第一種住居地域の方が広い面積を占めました。用途制限は第一種住居地域の規定で判断します。

根拠: 建築基準法 48条14項

覚えるコマ

覚える敷地が2つの地域にわたるとき、規制はどちらを適用するか?根拠 91条・52条7項・53条2項
用途制限・敷地の過半の属する地域の規定を、敷地の全部に適用する建蔽率・容積率・各地域の限度を面積で按分した合計以下とする

用途制限は敷地の過半の属する地域の規定。建蔽率・容積率は面積で按分。

間違えやすいところ:用途制限だけが過半の地域。建蔽率と容積率は、各地域の限度を面積で按分した合計以下

敷地が2つの地域にわたるとき、規制はどちらを適用するか? 用途制限は敷地の過半の属する地域の規定。建蔽率・容積率は面積で按分。

要点

用途制限は過半の地域で敷地全部を判断します。建蔽率と容積率は按分して合計します。

根拠: 建築基準法 53条2項、建築基準法 52条7項

ひっかけ

建蔽率と容積率も過半の地域の規定を敷地全部に適用する、ではありません。按分して合計します。

根拠: 建築基準法 53条2項

建蔽率約3分

この節でよく出るのは

  • ★ 3回防火地域内の耐火建築物等、または準防火地域内の耐火建築物等・…
  • ★ 2回建蔽率の限度が10分の8の地域の防火地域内にある耐火建築物等…
場面過去問に出た

石井さんが「角地は広く建てられると聞きました」と言いました。木村さんは「街区の角で、特定行政庁が指定した敷地なら、建蔽率の限度に10分の1を足せる。防火地域内の耐火建築物等でも、10分の1だ」と説明しました。両方に当てはまるときは、10分の2を足せます。

根拠: 建築基準法 53条3項1号、建築基準法 53条3項2号、建築基準法 53条3項

建蔽率は、建築面積の敷地面積(建物が建つ土地の面積)に対する割合です。建物が地面をどれだけ覆うかを示します。

根拠: 建築基準法 53条1項

建蔽率の限度は都市計画で定めます。地域ごとに選べる数値の範囲が決まっています。

根拠: 建築基準法 53条1項

第一種低層住居専用地域などでは3割・4割・5割・6割のいずれか、商業地域では8割です。

根拠: 建築基準法 53条1項1号、建築基準法 53条1項4号

事例

商業地域の敷地200平方メートルで、建蔽率の限度は8割です。建築面積は160平方メートルまでになります。

根拠: 建築基準法 53条1項4号

過去問に出た

敷地が建蔽率の限度の異なる2つの地域にわたるときは、各地域の限度を面積で按分して合計します。

根拠: 建築基準法 53条2項

★ 過去問で3回

防火地域内の耐火建築物等、または準防火地域内の耐火建築物等・準耐火建築物等は、限度に10分の1を加えます。準耐火建築物は、耐火建築物に準じた燃えにくい建物です。

根拠: 建築基準法 53条3項1号

街区の角にある敷地などで特定行政庁が指定するものも、限度に10分の1を加えます。

根拠: 建築基準法 53条3項2号

両方に該当するときは10分の2を加えます。角地と防火の効果が重なるためです。

根拠: 建築基準法 53条3項

事例

石井さんの敷地は街区の角にあり、建物は防火地域内の耐火建築物でした。両方に当たるので、建蔽率の限度に10分の2を加えられます。

根拠: 建築基準法 53条3項

表
要件加算
防火地域内の耐火建築物等、準防火地域内の耐火建築物等・準耐火建築物等10分の1
街区の角にある敷地等で特定行政庁が指定するもの10分の1
上の両方に該当10分の2

根拠: 建築基準法 53条3項1号、建築基準法 53条3項2号、建築基準法 53条3項

★ 過去問で2回

建蔽率の限度が10分の8の地域の防火地域内にある耐火建築物等は、建蔽率の制限を適用しません。

根拠: 建築基準法 53条6項1号

事例

建蔽率8割の商業地域の防火地域内で、耐火建築物を建てました。この建物には建蔽率の制限がかかりません。建物で敷地を覆いつくせます。

根拠: 建築基準法 53条6項1号

過去問に出た

10分の8の地域の準防火地域内では、耐火建築物等でも限度は10分の9までです。ここは適用停止になりません。

根拠: 建築基準法 53条6項1号

判定の流れ建蔽率の制限がかからないとき

限度が10分の8の地域か?はい防火地域内の耐火建築物等か?はい建蔽率の制限がかからないいいえ適用除外にならない(制限は残る)いいえ適用除外にならない(制限は残る)

準防火地域内の耐火建築物等は、10分の8の地域でも10分の9まで。

根拠: 建築基準法 53条6項1号、建築基準法 53条3項1号、建築基準法 53条3項

敷地が防火地域の内外にわたり、建物の全部が耐火建築物等なら、敷地全部を防火地域内とみなします。

根拠: 建築基準法 53条7項

覚えるコマ

覚える建蔽率の限度に加算されるのは、どんなときか?根拠 53条3項1号
角地等(特定行政庁が指定)+10分の1防火・耐火の要件に該当+10分の1両方に該当+10分の2防火地域内は耐火建築物等だけ。準防火地域内は耐火・準耐火建築物等が対象。

角地等か防火・耐火の要件で10分の1、両方に該当すれば10分の2を加える。

間違えやすいところ:防火地域内で加算を受けるのは耐火建築物等だけ。準耐火建築物等は対象外

建蔽率の限度に加算されるのは、どんなときか? 角地等か防火・耐火の要件で10分の1、両方に該当すれば10分の2を加える。

要点過去問に出た

建蔽率は10分の1・10分の1・合計10分の2。8割地域の防火地域内の耐火建築物等は適用除外です。

根拠: 建築基準法 53条3項、建築基準法 53条6項1号

ひっかけ

8割地域でも準防火地域内なら制限は消えません。耐火建築物等で10分の9までです。

根拠: 建築基準法 53条6項1号

容積率約3分

容積率は、延べ面積の敷地面積に対する割合です。建物の床面積の合計がどれだけか示します。

根拠: 建築基準法 52条1項

容積率の限度は用途地域ごとに都市計画で定めます。商業地域では13通りもの数値から選べます。

根拠: 建築基準法 52条1項3号

前面道路の幅員が12メートル未満のときは、道路による制限もかかります。

根拠: 建築基準法 52条2項

住居系の用途地域(低層・中高層・住居・準住居・田園住居)では、幅員に10分の4を乗じた数値以下です。

根拠: 建築基準法 52条2項1号

その他の用途地域(近隣商業・商業・準工業・工業・工業専用)では、幅員に10分の6を乗じた数値以下です。

根拠: 建築基準法 52条2項3号

判定の流れ前面道路による容積率の制限

前面道路の幅員は12メートル未満か?はい住居系の用途地域か?はい幅員×10分の4以下いいえ幅員×10分の6以下いいえ道路による制限はない

前面道路が2つ以上あるときは、最大の幅員を使う。

根拠: 建築基準法 52条2項、建築基準法 52条2項1号、建築基準法 52条2項3号

事例

商業地域で前面道路が8メートルでした。用途地域の限度が6割でも、8×10分の6で4.8割が上限になります。

根拠: 建築基準法 52条2項

前面道路が2つ以上あるときは、幅員が最大のものを用いて計算します。

根拠: 建築基準法 52条2項

幅員15メートル以上の特定道路に接続する前面道路は、延長70メートル以内の部分で幅員に加算します。

根拠: 建築基準法 52条9項

事例

石井さんの敷地は幅員6メートルの前面道路に接し、その道路は幅員15メートル以上の道路につながっています。つながりから70メートル以内なので幅員が加算されます。

根拠: 建築基準法 52条9項

過去問に出た

壁面線が指定されている場合、特定行政庁が許可した建築物は、前面道路の境界線が壁面線にあるものとみなします。

根拠: 建築基準法 52条11項

この場合、前面道路と壁面線との間の部分は、敷地面積に算入しません。

根拠: 建築基準法 52条11項

過去問に出た

敷地が容積率の限度の異なる2つの地域にわたるときは、各地域の限度を面積で按分して合計します。

根拠: 建築基準法 52条7項

住宅の用途に供する部分がある建物で、一定の条件を満たすものは、容積率の限度が緩和されます。限度の1.5倍以下の範囲で、住宅部分の割合に応じて緩和されます。

根拠: 建築基準法 52条8項

事例

石井さんの建物は住宅の用途に供し、敷地内に政令で定める規模以上の空地を確保しました。容積率の限度が、1.5倍以下の範囲で、住宅部分の割合に応じて緩和されます。

根拠: 建築基準法 52条8項

覚えるコマ

覚える前面道路が狭いとき、容積率はどう制限されるか?根拠 52条2項
低層住居専用・田園住居幅員×10分の4中高層住居専用・住居地域等幅員×10分の4(指定区域は10分の6)その他幅員×10分の6(指定区域は10分の4又は8)前面道路が二以上あるときは、最大の幅員を使う。

前面道路の幅員に、住居系は10分の4、その他は10分の6を乗じる。

間違えやすいところ:住居系で、前面道路の幅員が12メートル未満のときに適用される

前面道路が狭いとき、容積率はどう制限されるか? 前面道路の幅員に、住居系は10分の4、その他は10分の6を乗じる。

要点

道路による容積率の制限は住居系10分の4、その他10分の6。前面道路が2つ以上なら最大の幅員を使います。

根拠: 建築基準法 52条2項、建築基準法 52条2項1号、建築基準法 52条2項3号

ひっかけ

前面道路が2つ以上あるときは、狭い方の幅員で計算する、ではありません。最大の幅員を使います。

根拠: 建築基準法 52条2項

高さ制限約4分

高さの制限には、絶対高さ、斜線制限、日影規制があります。

根拠: 建築基準法 55条1項、建築基準法 56条1項2号

低層住居専用地域と田園住居地域では、建物の高さに絶対的な限度があります。10メートルか12メートルのどちらかです。

根拠: 建築基準法 55条1項

10メートルと定められた地域でも、12メートルまで認められる建物があります。敷地内に政令で定める空地があり、敷地面積が一定以上であることが必要です。特定行政庁が、低層住宅の良好な住居の環境を害するおそれがないと認めたものに限ります。

根拠: 建築基準法 55条2項

事例

石井さんは限度10メートルの第一種低層住居専用地域で、12メートルの建物を建てたいと考えています。敷地内に広い空地を確保して条件を満たし、特定行政庁が支障がないと認めれば12メートルまで認められます。

根拠: 建築基準法 55条2項

外壁の後退距離の限度が都市計画で定められた地域では、外壁から敷地境界線までの距離を限度以上にします。限度は1.5メートルか1メートルです。

根拠: 建築基準法 54条1項、建築基準法 54条2項

北側斜線制限は、低層住居専用地域・田園住居地域と中高層住居専用地域にかかります。

根拠: 建築基準法 56条1項3号

北側斜線は、真北方向の水平距離に1.25を乗じた高さに、一定の数値を加えた高さ以下という制限です。低層住居専用地域・田園住居地域では5メートル、中高層住居専用地域では10メートルを加えます。中高層住居専用地域でも、条例で日影規制の対象に指定された区域にはかかりません。

根拠: 建築基準法 56条1項3号

隣地斜線制限(隣の土地側で高さを抑える決まり)は、隣地境界線までの水平距離で高さを制限します。住居系では1.25、商業地域などでは2.5です。低層住居専用地域と田園住居地域にはかかりません。

根拠: 建築基準法 56条1項2号

数値が2.5とされる建築物では、水平距離に2.5を乗じたものに31メートルを加えたもの以下とします。

根拠: 建築基準法 56条1項2号

事例

商業地域で隣地境界線から5メートルの位置の高さを考えます。5×2.5に31メートルを足して、43.5メートル以下になります。

根拠: 建築基準法 56条1項2号

道路斜線制限(道路の反対側で高さを抑える決まり)は、前面道路の反対側の境界線からの距離で高さを制限します。

根拠: 建築基準法 56条1項1号

建物が道路から後退すると、道路斜線の反対側の境界線は後退距離だけ外側にあるものとみなします。

根拠: 建築基準法 56条2項

日影規制(周りにできる影の時間を抑える決まり)は、条例で指定した区域内の建物が対象です。中高層の建物が周囲に日影をつくる時間を制限します。

根拠: 建築基準法 56条の2第1項

対象になる建物は地域ごとに決まっています。低層住居専用地域と田園住居地域では軒高7メートル超か3階以上、その他は高さ10メートル超です。

根拠: 建築基準法 56条の2第1項

対象区域の外にある高さ10メートル超の建物も、区域内に日影を生じさせるなら規制を受けます。

根拠: 建築基準法 56条の2第4項

事例

石井さんの建物は対象区域の外にあり、高さは12メートルでした。冬至日に対象区域内の土地へ日影を生じさせるので、規制がかかります。

根拠: 建築基準法 56条の2第4項

覚えるコマ

覚える低層住居専用地域などの、建築物の高さの上限は?根拠 55条1項
上限が10メートルの場合10メートル上限が12メートルの場合12メートル北側斜線低層住居専用・田園住居・中高層住居専用(条例指定がない場合)

建築物の高さは10メートル又は12メートルを超えてはならない。

間違えやすいところ:北側斜線は、低層住居専用・田園住居地域と中高層住居専用地域(条例指定がない場合)に限られる

低層住居専用地域などの、建築物の高さの上限は? 建築物の高さは10メートル又は12メートルを超えてはならない。

覚える日影規制の対象になる建築物は、地域ごとにどう決まるか?根拠 56条の2第1項
低層住居専用・田園住居地域・軒高7メートル超・又は3階以上他の地域・高さ10メートル超対象区域は条例で指定する。

低層住居専用等は軒高7メートル超か3階以上、他は高さ10メートル超。

間違えやすいところ:対象区域外でも、高さ10メートル超で対象区域内に日影を生じさせるものは規制を受ける

日影規制の対象になる建築物は、地域ごとにどう決まるか? 低層住居専用等は軒高7メートル超か3階以上、他は高さ10メートル超。

要点

絶対高さは10メートルか12メートル。隣地斜線は住居系1.25、商業系2.5で、2.5のときは31メートル加算です。

根拠: 建築基準法 55条1項、建築基準法 56条1項2号

ひっかけ

北側斜線制限は中高層住居専用地域にいつもかかる、ではありません。条例で日影規制の対象に指定された区域にはかかりません。

根拠: 建築基準法 56条1項3号

高度地区・高度利用地区・特定街区約1分

用途地域とは別に、地区ごとに高さや容積を細かく定める都市計画があります。

根拠: 建築基準法 58条1項、建築基準法 60条1項

表
地区都市計画で定める内容
高度地区建築物の高さが、都市計画で定めた内容に適合しなければなりません。
高度利用地区(土地の高度利用を促す地区)建築物の容積率・建蔽率と建築面積が、都市計画の内容に適合しなければなりません。壁面の位置の制限にも従います。
特定街区建築物の容積率と高さが、都市計画で定めた限度以下でなければなりません。壁面の位置の制限にも従います。

根拠: 建築基準法 58条1項、建築基準法 59条1項、建築基準法 60条1項

事例

石井さんの敷地は高度利用地区に指定されました。建てる建物の容積率・建蔽率・建築面積を、地区の計画に合わせる必要があります。

根拠: 建築基準法 59条1項

特定街区内の建物には、通常の容積率・建蔽率の規定は適用しません。かわりに街区の計画が適用されます。

根拠: 建築基準法 60条3項

事例

石井さんの建物は特定街区内にあります。通常の容積率の規定は適用されず、特定街区の計画で定めた容積率と高さの限度に従います。

根拠: 建築基準法 60条1項、建築基準法 60条3項

要点

高度地区は高さだけ、高度利用地区は容積率・建蔽率・建築面積と壁面位置、特定街区は容積率・高さと壁面位置です。

根拠: 建築基準法 58条1項、建築基準法 59条1項、建築基準法 60条1項

ひっかけ

特定街区内でも通常の容積率の規定が適用される、ではありません。適用が除外されます。

根拠: 建築基準法 60条3項

敷地の一部が未指定区域にわたるとき約2分

敷地の一部が高度地区や高度利用地区の外に出ることがあります。

根拠: 建築基準法 53条7項

建物の敷地が防火地域の内外にわたり、建物の全部が耐火建築物等なら、敷地は全部防火地域内にあるものとして扱います。

根拠: 建築基準法 53条7項

事例

石井さんの敷地は一部が防火地域、一部が指定のない区域にわたっています。建物の全部が耐火建築物等なので、敷地全部を防火地域内とみなします。

根拠: 建築基準法 53条7項

準防火地域と、防火地域及び準防火地域以外の区域にわたるときも同じです。建物の全部が耐火建築物等か準耐火建築物等なら、敷地全部を準防火地域内とみなします。

根拠: 建築基準法 53条8項

事例

石井さんの敷地は一部が準防火地域、一部が未指定区域にわたっています。建物の全部が準耐火建築物等なので、敷地全部を準防火地域内とみなします。

根拠: 建築基準法 53条8項

用途地域の指定がない区域でも、別表第二のか項に掲げる建築物は建築してはいけません。

根拠: 建築基準法 48条14項

要点

防火地域と未指定区域にわたり、建物全部が耐火建築物等なら、敷地全部を防火地域内とみなします。

根拠: 建築基準法 53条7項

ひっかけ

準防火地域との境目で準耐火建築物等でも、みなしの対象になります。耐火建築物等に限られません。

根拠: 建築基準法 53条8項

本試験ではこう出ます

本試験では「建蔽率が6割の地域と8割の地域にまたがる敷地」のように出ます。用途制限は過半の地域、建蔽率は面積で按分、と使い分けて読みます。

根拠: 建築基準法 48条1項、建築基準法 53条2項

まとめ

  • 建築基準法の道路は原則幅員4メートル以上、指定区域では6メートル以上です。
  • 2項道路は中心線から2メートルの線を道路の境界線とみなします。崖地に沿う場合は4メートル、例外指定は1.35メートル以上2メートル未満です。
  • 敷地は道路に2メートル以上接する必要があり、自動車のみの道路は除かれます。
  • 用途制限は用途地域ごとに別表第二で定まり、特例許可には公開の意見聴取と建築審査会の同意が要ります。
  • 建蔽率は敷地が2つの地域にわたるとき按分して合計し、角地等と防火・耐火で10分の1ずつ、両方で10分の2を加算します。
  • 容積率は前面道路による制限があり、住居系は10分の4、その他は10分の6、前面道路が2つ以上なら最大の幅員を使います。
  • 低層住居専用・田園住居地域は絶対高さ10メートルか12メートル、隣地斜線は商業系等で2.5と31メートルです。
  • 日影規制は条例で指定した区域と、そこに日影を生じさせる区域外の高さ10メートル超の建物にかかります。
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