免許(基準・欠格要件・免許換え・届出)
この単元のはじまりの場面
免許という入口の審査約1分
この節でよく出るのは
- ★ 2回みなと不動産は創業から5年がたち、免許の更新時期を迎えました…
免許は5年ごとに更新し、時期が来たらまた申請して審査を受けます。
根拠: 宅地建物取引業法 3条2項
みなと不動産は創業から5年がたち、免許の更新時期を迎えました。満了の日の90日前から30日前までの間に、更新の申請書を出します。更新が認められれば、次の5年も業を続けられます。
根拠: 宅地建物取引業法施行規則 3条
免許権者と事務所約1分
契約締結権限のある人を置かない案内所は、事務所に当たらないと考えられています。
根拠: 宅地建物取引業法施行令 1条の2
みなと不動産が、A県の本店だけで営業を始めました。この場合はA県知事の免許です。のちにB県へ支店を出すと、2つの都道府県にまたがるので、国土交通大臣の免許に切り替わります。
根拠: 宅地建物取引業法 3条1項
覚えるコマ
契約締結権限のある使用人を置けば事務所。置かない案内所は事務所でない。
間違えやすいところ:案内所だというだけでは決まらない。使用人を置くかどうかで分かれる(運用)
契約締結権限のある使用人を置かない案内所は、事務所か? 契約締結権限のある使用人を置けば事務所。置かない案内所は事務所でない。
有効期間・更新・条件約1分
満了の日までに更新の処分がされなければ、前の免許はそのあとも効力を持ちます。処分が出るまでの間、業を続けられます。
根拠: 宅地建物取引業法 3条4項
更新されたときの有効期間は、前の免許が満了した日の翌日から起算します。空白の期間はできません。
根拠: 宅地建物取引業法 3条5項
免許には条件を付けることがあります。条件は必要最小限のものに限られ、不当な義務を課すことはできません。
根拠: 宅地建物取引業法 3条の2第1項、宅地建物取引業法 3条の2第2項
時系列更新の申請ができる期間
処分が間に合わなくても、出るまでは前の免許が続く。新しい期間は翌日から数える。
根拠: 宅地建物取引業法施行規則 3条、宅地建物取引業法 3条4項、宅地建物取引業法 3条5項
みなと不動産の免許が3月31日に満了します。更新の申請は1月ごろに出します。3月31日までに処分が間に合わなくても、処分が出るまでは営業を続けられます。認められた新しい期間は4月1日から始まります。
根拠: 宅地建物取引業法 3条4項、宅地建物取引業法 3条5項
覚えるコマ
有効期間は5年。更新は満了の日の90日前から30日前までに申請する。
間違えやすいところ:新しい有効期間は、更新した日からではなく、満了の日の翌日から数える
免許の有効期間と、更新の申請期間は? 有効期間は5年。更新は満了の日の90日前から30日前までに申請する。
新しい有効期間は、満了の日の翌日から起算します。更新しても、有効期間の始まりが後ろにずれることはありません。
根拠: 宅地建物取引業法 3条5項
欠格要件(個人の事情)約2分
この節でよく出るのは
- ★ 2回傷害や暴行、背任などの罪で罰金刑を受け、その執行が終わってか…
一定の事情がある人は、免許を受けられません。これを欠格要件といい、過去の経歴はおおむね5年単位で見られます。
根拠: 宅地建物取引業法 5条1項
拘禁刑以上の刑に処せられた人は、罪の種類を問わず、刑の執行が終わってから5年を経過するまで欠格です。
根拠: 宅地建物取引業法 5条1項5号
事業を始めないために免許を取り消された場合は、5年の欠格には当たりません。
根拠: 宅地建物取引業法 5条1項2号、宅地建物取引業法 66条1項6号
傷害や暴行、背任などの罪で罰金刑を受け、その執行が終わってから5年を経過しない人も欠格です。ただし道路交通法違反の罰金は含まれません。
根拠: 宅地建物取引業法 5条1項6号
罰金刑で欠格になる罪には、けんかをあおる現場助勢の罪も入ります。
根拠: 宅地建物取引業法 5条1項6号
拘留や科料は拘禁刑より軽い刑なので、欠格には当たりません。
根拠: 宅地建物取引業法 5条1項5号
暴力団員も、そこから抜けて5年を経過するまでは欠格です。申請前5年以内に不正な行為をした人も免許を受けられません。
根拠: 宅地建物取引業法 5条1項7号、宅地建物取引業法 5条1項8号
判定の流れ罰金刑を受けた人は欠格か
対象の罪は限られている。5年は、刑の執行を終えた日などから数える。
根拠: 宅地建物取引業法 5条1項6号
みなと不動産が、ある人を役員に据えようとしています。その人は速度超過(道路交通法違反)で罰金刑を受けました。この罪は欠格に入らないので、この点ではみなと不動産は免許を受けられます。
根拠: 宅地建物取引業法 5条1項6号
覚えるコマ
取消しは取消しの日から、罰金刑は執行終了から数える。
間違えやすいところ:道路交通法違反の罰金は、欠格に入らない
欠格の「5年」は、何から数えるのか? 取消しは取消しの日から、罰金刑は執行終了から数える。
罰金刑を受ければ罪にかかわらず欠格、は誤りです。対象になる罪が限られています。
根拠: 宅地建物取引業法 5条1項6号
欠格要件(未成年・法人・使用人)約1分
法人は、役員や、政令で定める使用人(事務所の代表者)の中に欠格者がいると免許を受けられません。個人の場合も、政令で定める使用人に欠格者がいると免許を受けられません。
根拠: 宅地建物取引業法 5条1項12号、宅地建物取引業法 5条1項13号
役員には、名前にかかわらず、それと同じくらいの支配力を持つ相談役や顧問も含まれます。
根拠: 宅地建物取引業法 5条1項2号
取締役は、非常勤でも役員です。非常勤の取締役に欠格者がいても、法人は免許を受けられません。
根拠: 宅地建物取引業法 5条1項12号
みなと不動産の役員に、免許を取り消された人がいました。取消しからまだ3年しかたっていないので、このままではみなと不動産は免許を受けられません。取消しから5年が過ぎるまで待つ必要があります。
根拠: 宅地建物取引業法 5条1項2号
覚えるコマ
法人は役員や使用人、個人は政令で定める使用人に欠格者がいれば不可。
間違えやすいところ:相談役・顧問でも、支配力が同等以上なら役員に含まれる
役員や使用人に欠格者がいると、免許はどうなるか? 法人は役員や使用人、個人は政令で定める使用人に欠格者がいれば不可。
欠格は本人だけでなく、役員や使用人を通じて会社にも及びます。入口の審査で会社全体が点検されます。
根拠: 宅地建物取引業法 5条1項12号
相談役や顧問は役員ではないので関係ない、は誤りです。支配力が同じくらいなら役員に含まれます。
根拠: 宅地建物取引業法 5条1項2号
免許換え約2分
隣の県に支店を出すことが決まりました。県庁の藤井由紀さんから、新しい免許の申請書を出すように連絡が来ます。佐藤さんが「いまの免許は、どうなりますか」と聞きました。木村さんは「新しい免許を受けると前の免許は効力を失うよ」と答え、「申請している間は前の免許のまま営業できる」と続けました。
根拠: 宅地建物取引業法 7条1項、宅地建物取引業法 7条2項
免許換えが要るのは、次の3つの場合です。大臣免許の人の事務所が1つの都道府県だけになったとき。知事免許の人が、その県の事務所をやめて別の1つの県に置くことになったとき。知事免許の人が、2つ以上の県に事務所を置くことになったとき。
根拠: 宅地建物取引業法 7条1項1号、宅地建物取引業法 7条1項2号、宅地建物取引業法 7条1項3号
新しい免許を受けると、前の免許は効力を失います。申請している間は、前の免許の効力が続きます。免許換えが必要になったのに申請せず、新しい免許を受けていないことが判明したときは、免許を取り消されます。免許換えで前の免許が効力を失ったとき、免許を取り消されたとき、亡失した免許証を見つけたときは、免許証を遅滞なく返納します。有効期間が満了して免許が効力を失ったときは、返納の対象に入りません。
根拠: 宅地建物取引業法 7条1項、宅地建物取引業法 7条2項、宅地建物取引業法 66条1項5号、宅地建物取引業法施行規則 4条の4第1項1号、宅地建物取引業法施行規則 4条の4第1項2号、宅地建物取引業法施行規則 4条の4第1項3号
左右の比較免許換えが要る場合と要らない場合
免許換えの決め手は、免許をくれる人(知事か大臣)が変わるかどうか。
根拠: 宅地建物取引業法 7条1項1号、宅地建物取引業法 7条1項2号、宅地建物取引業法 7条1項3号、宅地建物取引業法 9条1項
みなと不動産はA県知事の免許で、A県にだけ事務所がありました。この事務所を廃止し、B県にだけ事務所を置くことにしました。この場合は免許換えで、B県知事の免許を受け直します。A県の中で引っ越すだけなら、免許換えは要りません。
根拠: 宅地建物取引業法 7条1項2号
覚えるコマ
免許権者が変わるときは免許換えが必要。同一県内の移転は不要。
間違えやすいところ:同じ都道府県内で事務所を移しただけなら、免許換えは要らない(運用)
免許換えが必要なのは、どんなときか? 免許権者が変わるときは免許換えが必要。同一県内の移転は不要。
変更と廃業の届出約1分
この節でよく出るのは
- ★ 3回個人で業を営んでいた人が亡くなりました。その相続人は、その事…
みなと不動産の専任の宅建士が1人退職して、新しい人に代わりました。藤井由紀さんは「専任の宅建士が変わったら、30日以内に届け出てください」と念を押しました。木村さんは「免許は、申請したときの人や事務所の体制を審査して出すものだ。その中身が変わったら、知らせる決まりなんだ」と説明しました。
根拠: 宅地建物取引業法 9条1項
| 場面 | 届出をする人 | いつまでに |
|---|---|---|
| 変更(商号・役員・政令で定める使用人・事務所の名称と所在地・専任の取引士) | 宅建業者 | 30日以内 |
| 廃業 | 宅建業者 | 30日以内 |
| 解散 | 清算人 | 30日以内 |
| 死亡 | 相続人 | 事実を知った日から30日以内 |
| 破産 | 破産管財人 | 30日以内 |
根拠: 宅地建物取引業法 9条1項、宅地建物取引業法 11条1項、宅地建物取引業法 11条1項1号、宅地建物取引業法 11条1項3号、宅地建物取引業法 11条1項4号
他の事業の種類を変えたときは、変更の届出の対象ではありません。
根拠: 宅地建物取引業法 9条1項
個人で業を営んでいた人が亡くなりました。その相続人は、その事実を知った日から30日以内に、免許権者へ廃業等の届出をします。あわせて免許証も返納します。
根拠: 宅地建物取引業法 11条1項1号、宅地建物取引業法施行規則 4条の4
覚えるコマ
届出は30日以内。他の事業の種類が変わっても届出は要らない。
間違えやすいところ:変更の届出の30日以内を、更新の申請期間(満了の90日前から30日前まで)と取り違える
変更の届出が要るのは、どんな事項が変わったときか? 届出は30日以内。他の事業の種類が変わっても届出は要らない。
30日以内に届け出る。死亡なら相続人、破産なら破産管財人。
間違えやすいところ:死亡のときの30日は、死亡の日でなく、事実を知った日から数える
廃業等の届出は、いつまでに、だれがするか? 30日以内に届け出る。死亡なら相続人、破産なら破産管財人。
変更の届出の対象は、決められた5つの事項だけです。他の事業の種類は入りません。
根拠: 宅地建物取引業法 9条1項
無免許と名義貸しの罰則約1分
この節でよく出るのは
- ★ 3回本試験では「宅建業者Aの免許の有効期間は5年で、更新の申請は…
免許がないのに業を営むと、処罰されます。3年以下の拘禁刑か300万円以下の罰金です。
根拠: 宅地建物取引業法 79条、宅地建物取引業法 79条2号
名義を貸して他人に業を営ませた宅建業者も、同じ刑です。不正な手段で免許を受けた人も同様です。
根拠: 宅地建物取引業法 79条1号、宅地建物取引業法 79条3号
免許のない人が営業の表示や広告をすると、100万円以下の罰金です。
根拠: 宅地建物取引業法 82条2号
数字の比べ罰金の上限の比べ
上の3つは3年以下の拘禁刑も加わる。表示や広告は罰金だけ。
根拠: 宅地建物取引業法 79条、宅地建物取引業法 79条1号、宅地建物取引業法 79条2号、宅地建物取引業法 79条3号、宅地建物取引業法 82条2号
みなと不動産の元社員が、免許のないままみなと不動産の名義で業を営みました。実際に営業しているのはその元社員です。元社員は無免許営業で、みなと不動産は名義貸しで、それぞれ処罰されます。
根拠: 宅地建物取引業法 79条2号、宅地建物取引業法 79条3号
覚えるコマ
無免許営業・名義貸し・不正取得は、3年以下の拘禁刑か300万円以下の罰金。
間違えやすいところ:免許のない者の表示・広告や、名義での表示・広告は、軽く100万円以下の罰金
免許をめぐる違反には、どんな罰則があるか? 無免許営業・名義貸し・不正取得は、3年以下の拘禁刑か300万円以下の罰金。
本試験では「宅建業者Aの免許の有効期間は5年で、更新の申請は満了の日の90日前から30日前までにする」のように出ます。数字の入れ替えに注意します。
根拠: 宅地建物取引業法 3条2項、宅地建物取引業法施行規則 3条