宅建業法

宅地建物取引士(登録・資格証・専任)

宅建業法読む目安 約13分図 4場面つき

この単元で分かること

  • 宅地建物取引士になるまでには、試験・登録・取引士証という3つの段階があることを学びます。
  • どんな人が登録を受けられないのか、取引士証の有効期間と更新の決まりを学びます。
  • 専任の宅地建物取引士を、どんな場所に何人置くのかを学びます。

この単元のはじまりの場面

場面

佐藤さくらさんは、宅建試験に合格したら、すぐに重要事項の説明をしたいと思っています。ところが木村健一さんは「合格しただけでは、説明の席にはまだ座れないんだ」と言いました。合格のあとに、登録と取引士証の交付が要るからです。佐藤さんは、取引士になるまでの3つの段階を覚えることになりました。

宅地建物取引士とは約1分

宅地建物取引士は、宅地や建物の取引で、大事な説明や書面づくりを担う専門家です。国家試験に合格し、登録を受けた人がなれます。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項

宅地建物取引業者(宅建業者)は、事務所ごとに一定数の取引士を置かなければなりません。契約の前の説明や、契約後の書面への記名は、この人が行います。

根拠: 宅地建物取引業法 31条の3第1項

取引士になるには、試験に合格し、実務経験を積み、登録を受けるという流れがあり、試験だけでは足りません。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項

時系列取引士になるまでの道

段階1宅建試験に合格する段階22年以上の実務経験を積む段階2知事に登録を申請して受ける段階3取引士証の交付を受けるその後重要事項の説明ができる

実務経験が2年に満たなくても、国土交通大臣が同等以上と認めれば登録できる。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項、宅地建物取引業法施行規則 13条の15、宅地建物取引業法 22条の2第1項

事例

木村健一さんは宅建試験に合格しました。木村さんは2年以上の実務経験を積んで、登録を受けました。登録のあと、取引士証の交付を受けて、初めて説明の場に立てます。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項、宅地建物取引業法施行規則 13条の15

要点

取引士には、試験・登録・取引士証の3つの段階があります。どれが欠けても業務はできません。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項、宅地建物取引業法 22条の2第1項

ひっかけ

試験に合格すれば、すぐに重要事項の説明ができる、は誤りです。登録と取引士証の交付が必要です。

根拠: 宅地建物取引業法 22条の2第1項

登録の要件と登録先約1分

登録を受けられるのは、試験に合格した人で、2年以上の実務経験がある人です。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項、宅地建物取引業法施行規則 13条の15

実務経験が2年に満たなくても、国土交通大臣が同等以上の能力を認めれば登録できます。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項

過去問に出た

登録は、試験を行った都道府県知事にします。自分の住所地ではありません。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項

2つ以上の都道府県で合格した人は、どれか1つの知事の登録だけを受けられます。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項

事例過去問に出た

木村健一さんはA県で試験に合格し、その後、引っ越してB県に住んでいます。それでも、登録は試験を行ったA県知事にするので、住所がB県だからといってB県知事になるわけではありません。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項

覚えるコマ

覚える取引士の登録は、どこの知事にするのか?根拠 18条1項
登録する先・試験を行った都道府県知事登録先にならない・住所地の知事・勤務先の所在地の知事2以上の都道府県で合格しても、登録はいずれか一の知事だけ。

試験を行った都道府県知事に登録する。住所地ではない。

間違えやすいところ:住所地や勤務先で決まると間違える。登録先は、試験を行った都道府県

取引士の登録は、どこの知事にするのか? 試験を行った都道府県知事に登録する。住所地ではない。

要点過去問に出た

登録先は試験を行った都道府県です。住所や勤務地ではありません。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項

ひっかけ

登録には宅建業者への勤務が必須、は誤りです。条文は勤務を要件にしていません。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項

欠格事由約2分

一定の事情がある人は、登録を受けられません。試験に合格していても同じです。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項

営業について大人と同じ行為能力がない未成年者、破産して復権を得ない人などです。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項1号、宅地建物取引業法 18条1項2号

不正な手段で免許を受けたことなどで免許を取り消され、その日から5年を経過しない人も欠格です。拘禁刑以上の刑を受けてから5年を経過しない人も同じです。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項3号、宅地建物取引業法 18条1項6号

罰金刑で欠格になるのは、この法律や刑法の特定の罪だけです。道路交通法違反の罰金は含まれません。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項7号

暴力団員も欠格です。事務の禁止を受け、その期間中に自分の申請で登録を消した人も、期間が満了するまで登録を受けられません。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項8号、宅地建物取引業法 18条1項11号

数字の比べ欠格が解けるまでの年数

免許の取消し取消しの日から5年拘禁刑以上執行を終えてから5年特定の罰金執行を終えてから5年復権まで 5年は待たない破産

破産は、復権を得ればその日から登録を受けられる。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項2号、宅地建物取引業法 18条1項3号、宅地建物取引業法 18条1項6号、宅地建物取引業法 18条1項7号

事例

登録を希望する人は以前、暴行の罪で罰金刑を受けました。暴行は欠格に入る罪なので、刑の執行を終えてから5年たつまで登録を受けられません。その人は2年前に執行を終えたばかりで、まだ登録できません。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項7号

覚えるコマ

覚える登録の欠格は、いつまで続くのか?根拠 18条1項2号
免許取消し取消しの日から5年拘禁刑以上執行終了等から5年罰金刑特定の罪だけ。執行終了等から5年破産復権を得るまで。5年は待たない暴力団員等は、暴力団員でなくなって5年未満も欠格。

欠格は5年が中心。破産は、復権を得れば5年を待たずに登録できる。

間違えやすいところ:罰金刑なら、どんな罪でも欠格になると間違える。宅建業法違反など特定の罪だけ

登録の欠格は、いつまで続くのか? 欠格は5年が中心。破産は、復権を得れば5年を待たずに登録できる。

要点

欠格が解けるまでの年数は、おおむね5年です。ただし破産は、復権を得れば5年を待たずに登録できます。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項2号

ひっかけ

破産したら一生登録できない、は誤りです。復権を得れば登録できます。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項2号

登録の移転・変更・届出約1分

この節でよく出るのは

  • ★ 2回取引士である木村健一さんは結婚して姓が変わりました。木村さん…

他の都道府県の事務所で働くときは、登録を移せます。移すかどうかは自由で、義務ではありません。

根拠: 宅地建物取引業法 19条の2

移転の申請は、移転先の知事に、今の登録の知事を経由して出します。事務の禁止中で、期間が満了していないときは移転できません。

根拠: 宅地建物取引業法 19条の2

表
場面届け出る人期限すること
登録の内容が変わったとき本人遅滞なく変更の登録を申請します。勤務先の宅地建物取引業者(宅建業者)の名前や免許証番号が変わったときも同じです。住所や本籍が変わったときも同じで、取引士証の交付を受けていない登録者も申請します。
氏名や住所が変わったとき本人遅滞なく変更の登録に合わせて、取引士証の書換え交付も申請します。
登録者が亡くなったとき相続人知った日から30日以内届け出ます。
欠格に当たる事情ができたとき本人その日から30日以内届け出ます。
心身の故障で事務を正しく行えないとき本人だけでなく、法定代理人や同居の親族もその日から30日以内届け出ます。

根拠: 宅地建物取引業法 20条、宅地建物取引業法 18条2項、宅地建物取引業法施行規則 14条の2の2第1項1号、宅地建物取引業法施行規則 14条の13、宅地建物取引業法 21条、宅地建物取引業法 21条2号、宅地建物取引業法 21条3号

事例★ 過去問で2回

取引士である木村健一さんは結婚して姓が変わりました。木村さんは氏名の変更を、遅滞なく変更の登録で申請します。勤務先の宅建業者を変えたときも、同じく変更の登録が必要です。

根拠: 宅地建物取引業法 20条

覚えるコマ

覚える登録事項の変更と、死亡・欠格の届出は、期間がどう違うか?根拠 20条
登録事項の変更変更の登録を申請(遅滞なく)死亡相続人が、知った日から30日以内欠格に至った本人が、その日から30日以内心身の故障本人・法定代理人・同居の親族が30日以内勤務先の業者を変えたときも、変更の登録が必要。

変更の登録は遅滞なく。死亡・欠格の届出は30日以内。

間違えやすいところ:変更の登録まで30日以内と間違える。登録事項の変更は、遅滞なく申請する

登録事項の変更と、死亡・欠格の届出は、期間がどう違うか? 変更の登録は遅滞なく。死亡・欠格の届出は30日以内。

要点過去問に出た

変更の登録は遅滞なく、死亡・欠格・心身の故障の届出は30日以内です。同じ届出でも期限が違います。

根拠: 宅地建物取引業法 20条、宅地建物取引業法 21条

ひっかけ

勤務先の宅建業者を変えても、登録の変更は不要、は誤りです。勤務先も登録の対象です。

根拠: 宅地建物取引業法 20条

登録の消除約1分

登録が消されることを消除といいます。知事は、一定のときに消除します。

根拠: 宅地建物取引業法 22条

本人が消除を申請したとき、死亡や欠格の事情の届出があったとき、死亡の事実が分かったときなどです。不正受験で合格の決定を取り消されたときも消除されます。

根拠: 宅地建物取引業法 22条1号、宅地建物取引業法 22条2号、宅地建物取引業法 22条3号、宅地建物取引業法 22条4号

過去問に出た

不正な手段で登録や取引士証の交付を受けたときや、事務の禁止処分に違反したときは、必ず消除されます。

根拠: 宅地建物取引業法 68条の2、宅地建物取引業法 68条の2第1項2号

事例

不正な手段で合格した人は、合格の決定が取り消されました。知事は、その人の登録を消除します。あわせて、その人は3年以内の期間、試験を受けられなくなることがあります。

根拠: 宅地建物取引業法 22条4号、宅地建物取引業法 17条3項

要点

消除は知事の処分です。本人がやめる場合も、欠格に当たる場合も、同じ消除という形になります。

根拠: 宅地建物取引業法 22条

ひっかけ

本人が申し出なくても、死亡の事実が分かれば登録はそのまま、は誤りです。判明すれば消除されます。

根拠: 宅地建物取引業法 22条3号

取引士証の交付と有効期間約2分

場面

木村健一さんの取引士証が、5年の有効期間の終わりに近づいています。更新のために、木村さんは申請前6か月以内の講習を受けに行きました。佐藤さんが「合格したあとにも講習はありますか」と聞きました。木村さんは「合格から1年以内に申請するなら、講習は要らないよ」と答えました。

根拠: 宅地建物取引業法 22条の2第2項、宅地建物取引業法 22条の2第3項

登録を受けた人は、知事に取引士証の交付を申請できます。取引士証があって初めて、宅地建物取引士として働けます。取引士証には、希望すれば旧姓を併記することが認められています。

根拠: 宅地建物取引業法 22条の2第1項

交付には、申請前6か月以内に行われた指定の講習を受けます。試験に合格した日から1年以内の申請なら、講習は要りません。

根拠: 宅地建物取引業法 22条の2第2項、宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 規則14条の11関係

取引士証の有効期間は5年で、更新は申請によって行います。

根拠: 宅地建物取引業法 22条の2第3項、宅地建物取引業法 22条の3第1項

更新も、新しい取引士証の交付を申請する形で行います。更新のときは、申請前6か月以内の講習を受けます。

根拠: 宅地建物取引業法施行規則 14条の16、宅地建物取引業法 22条の3第2項

左右の比較取引士証の交付と講習

合格から1年以内講習は要らない1年をこえた講習が要る交付のとき講習なしで申請できる申請前6か月以内の講習有効期間5年5年更新のとき申請前6か月以内の講習申請前6か月以内の講習

有効期間の更新は、新しい取引士証の交付を申請する形で行う。

根拠: 宅地建物取引業法 22条の2第2項、宅地建物取引業法 22条の2第3項、宅地建物取引業法施行規則 14条の16

事例

木村健一さんは3月に合格し、その年の秋に取引士証の交付を受けました。合格から1年以内なので、講習を受けずに交付を受けられます。5年後に有効期間の更新を申請します。今度は指定の講習を受けます。

根拠: 宅地建物取引業法 22条の2第2項、宅地建物取引業法施行規則 14条の16

覚えるコマ

覚える取引士証の交付を受けるには、講習が要るか?根拠 22条の2第2項
合格から1年以内に交付を申請する?はい講習は免除いいえ申請前6月以内の講習が必要登録の移転に伴う交付の申請も、講習は免除。

交付には申請前6月以内の講習が必要。合格から1年以内なら免除。

間違えやすいところ:移転に伴う交付の申請も講習は免除される。有効期間は5年

取引士証の交付を受けるには、講習が要るか? 交付には申請前6月以内の講習が必要。合格から1年以内なら免除。

要点

講習が要るか要らないかは、合格からの期間で決まります。合格から1年以内なら講習は免除(受けなくてよいこと)です。

根拠: 宅地建物取引業法 22条の2第2項

ひっかけ

取引士証の有効期間は10年、は誤りです。5年です。

根拠: 宅地建物取引業法 22条の2第3項

取引士証の返納・提出・提示約2分

登録が消除されたときや、取引士証が効力を失ったときは、速やかに知事へ返納します。

根拠: 宅地建物取引業法 22条の2第6項

過去問に出た

事務の禁止処分を受けたときは、速やかに知事へ提出します。禁止の期間が満了し、返還を求めれば、知事は直ちに返します。提出しないと、10万円以下の過料に処せられることがあります。

根拠: 宅地建物取引業法 22条の2第7項、宅地建物取引業法 22条の2第8項、宅地建物取引業法 86条

登録を移した場合は、前の取引士証は効力を失います。移転と同時に交付を申請すれば、前の残りの期間が新しい証の有効期間になります。

根拠: 宅地建物取引業法 22条の2第4項、宅地建物取引業法 22条の2第5項

取引の関係者から請求があれば、取引士は取引士証を提示します。住所欄には、容易にはがせるシールを貼ったまま提示してもかまいません。従業者証明書は取引士証とは別のもので、取引士も代表者も携帯し、請求があれば提示します。取引士証や従業者名簿を示しても、代わりにはなりません。

根拠: 宅地建物取引業法 22条の4、宅地建物取引業法 48条2項、宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 第48条第1項関係、宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 第22条の4関係

事例

取引士である木村健一さんは登録をB県からA県に移し、同時に新しい取引士証の交付を申請します。新しい証の有効期間は、前の証の残りの期間と同じです。前の証は効力を失うので、返納します。

根拠: 宅地建物取引業法 22条の2第5項、宅地建物取引業法 22条の2第4項

覚えるコマ

覚える登録を移転すると、取引士証はどうなるか?根拠 22条の2第4項
登録の移転従前の取引士証は効力を失う移転と同時に交付を申請有効期間は従前の残期間登録の移転は、申請できる任意の手続き。

移転すると従前の証は効力を失う。同時申請なら残期間が有効期間。

間違えやすいところ:新しい証が5年になると間違える。移転に伴う交付は、従前の残期間

登録を移転すると、取引士証はどうなるか? 移転すると従前の証は効力を失う。同時申請なら残期間が有効期間。

覚える取引士証は、どんなときに返納し、どんなときに提出するか?根拠 22条の2第7項
返納・登録の消除、証の失効・亡失後に旧証を見つけたとき・交付を受けた知事に返納提出・事務禁止の処分を受けたとき・交付を受けた知事に提出・満了後に請求すれば直ちに返還取引の関係者から請求があれば、証を提示する。

消除や失効は返納、事務禁止は提出。禁止が終われば返還される。

間違えやすいところ:事務禁止のときも返納と間違える。提出した証は、期間満了後に請求すれば直ちに返還される

取引士証は、どんなときに返納し、どんなときに提出するか? 消除や失効は返納、事務禁止は提出。禁止が終われば返還される。

要点

返納と提出は場面が違います。消除や失効は返納、事務の禁止は提出です。

根拠: 宅地建物取引業法 22条の2第6項、宅地建物取引業法 22条の2第7項

ひっかけ

事務の禁止中も、取引士証を持ったままでよい、は誤りです。知事に提出します。

根拠: 宅地建物取引業法 22条の2第7項

指示と事務の禁止約1分

知事は、取引士が次のような場合に当てはまるとき、必要な指示ができます。取引士は信用を傷つける行為も慎むもので、職務に直接関係しない私的な行為も含まれます。

根拠: 宅地建物取引業法 68条1項、宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 第15条の2関係

表
区分指示の理由になる行為
1号自分が専任として働く事務所とは別の事務所について、専任の取引士だと表示することを許したとき
2号名義の使用を許し、他人が取引士だと表示したとき
3号取引士の事務で不正や著しく不当な行為をしたとき

根拠: 宅地建物取引業法 68条1項1号、宅地建物取引業法 68条1項2号、宅地建物取引業法 68条1項3号

これらに当たるときや、指示に従わないときは、1年以内の期間を定めて、取引士としての事務を禁止できます。

根拠: 宅地建物取引業法 68条2項

他の都道府県の登録を受けている取引士にも、その区域で同じ指示と禁止ができます。

根拠: 宅地建物取引業法 68条3項、宅地建物取引業法 68条4項

事例

取引士である木村健一さんは、自分が専任として働く事務所とは別の事務所について、専任の取引士だと表示することを許しました。知事は木村さんに指示を出します。木村さんが従わなければ、1年以内の事務の禁止処分を受けます。

根拠: 宅地建物取引業法 68条1項1号、宅地建物取引業法 68条2項

覚えるコマ

覚える指示に従わない取引士に対して、知事はどうできるか?根拠 68条2項
指示事由に当たる名義貸しを許す、専任でない事務所の専任表示を許す知事が指示する区域内なら他県登録の取引士にもできる従わないとき1年以内の事務禁止ができる他県登録の取引士にできるのは、指示と事務禁止まで。

指示に従わないと、1年以内の事務禁止ができる。

間違えやすいところ:他県で登録を受けた取引士にできるのは、指示と事務禁止まで

指示に従わない取引士に対して、知事はどうできるか? 指示に従わないと、1年以内の事務禁止ができる。

要点

指示と禁止は、重ねて使われることがあります。指示に従わなければ禁止もでき、禁止の期間は1年以内です。

根拠: 宅地建物取引業法 68条2項

ひっかけ

事務の禁止は、宅建業者の免許取消し(営業をやめさせる処分)と同じ、は誤りです。禁じられるのは取引士の事務だけです。

根拠: 宅地建物取引業法 68条2項

専任の取引士と案内所約2分

この節でよく出るのは

  • ★ 3回専任の取引士が足りなくなったときは、2週間以内に、必要な措置…
場面

大野誠社長が、隣の県に出す支店の準備を進めています。支店には専任の宅建士が要るため、社長は「木村さんに、今の事務所と支店を兼ねてもらおう」と言いました。木村さんは「専任は、その事務所に常勤して専らその業務に従事する人のことなんだ。別の事務所の専任は兼ねられないよ」と答えました。

根拠: 宅地建物取引業法 31条の3第1項、宅地建物取引業法 68条1項1号

宅地建物取引業者は、事務所ごとに、省令で定める数の専任の取引士を置きます。専任とは、その事務所に常勤して、専らその業務に従事する人です。専任の取引士の氏名は、免許の申請書には書きますが、宅地建物取引業者名簿には載りません。この名簿は、一般の閲覧に供されます。

根拠: 宅地建物取引業法 31条の3第1項、宅地建物取引業法 4条1項5号、宅地建物取引業法 8条2項2号、宅地建物取引業法 10条

宅建業者本人や法人の役員が取引士のときは、自分が主に業務をする事務所で、専任の取引士とみなされます。

根拠: 宅地建物取引業法 31条の3第2項

★ 過去問で3回

専任の取引士が足りなくなったときは、2週間以内に、必要な措置をとります。

根拠: 宅地建物取引業法 31条の3第3項

過去問に出た

契約を結んだり、申込みを受けたりする案内所にも、専任の取引士を置きます。契約も申込みもしない案内所には、置く必要はありません。

根拠: 宅地建物取引業法 31条の3第1項

過去問に出た

案内所を出すときは、あらかじめ、所在地、業務内容、期間、専任の取引士の氏名を、免許権者と案内所のある県の知事に届け出ます。

根拠: 宅地建物取引業法 50条2項

判定の流れ案内所に専任の取引士は要るか

契約を結ぶか、申込みを受けるか?はい専任の取引士を1人以上置くいいえ専任の取引士は置かなくてよい

案内所を出すときは、あらかじめ場所・期間・取引士の氏名などを届け出る。

根拠: 宅地建物取引業法 31条の3第1項、宅地建物取引業法 50条2項

事例過去問に出た

みなと不動産が、新築マンションの現地に案内所を出しました。そこで契約を結ぶので、専任の取引士を1人以上置きます。設置の前に、免許権者と案内所のある県の知事に届け出ます。

根拠: 宅地建物取引業法 50条2項、宅地建物取引業法 31条の3第1項

覚えるコマ

覚える専任の取引士は、事務所と案内所に何人置くのか?根拠 宅地建物取引業法施行規則15条の5の3
事務所従事者数の5分の1以上契約等をする案内所1人以上10区画以上の分譲案内所に1人以上契約も申込みもしない案内所には置く必要なし案内所等を設置するときは、あらかじめ届け出る。

事務所は従事者数の5分の1以上、案内所等は1人以上。

間違えやすいところ:契約も申込みもしない案内所には、専任の取引士を置かなくてよい

専任の取引士は、事務所と案内所に何人置くのか? 事務所は従事者数の5分の1以上、案内所等は1人以上。

要点

専任の数は、事務所では従事者の人数に応じて決まり、案内所では1人以上です。

根拠: 宅地建物取引業法 31条の3第1項

ひっかけ過去問に出た

案内所には常に専任の取引士が必要、は誤りです。契約も申込みもしない案内所には要りません。

根拠: 宅地建物取引業法 31条の3第1項

本試験ではこう出ます過去問に出た

本試験では「宅地建物取引士Aの登録は、Aの住所地の知事にする」のように出ます。登録は試験を行った都道府県知事にするので、誤りです。

根拠: 宅地建物取引業法 18条1項

まとめ

  • 取引士になるには、試験合格・登録・取引士証の3つが要る。
  • 登録先は、試験を行った都道府県知事。住所地ではない。
  • 実務経験は2年。満たなくても大臣の認定で登録できる。
  • 欠格は、破産・刑・暴力団など。おおむね5年で解ける。
  • 変更の登録は遅滞なく、死亡や欠格の届出は30日以内。
  • 取引士証の有効期間は5年。更新には講習が関係する。
  • 事務の禁止は1年以内。指示に従わないときなどにされる。
  • 事務所と案内所には、専任の取引士を省令の数だけ置く。
この単元の○×を解く 4択を解く