権利関係

借地借家法②(建物賃貸借・定期建物賃貸借)

部屋を借りる契約

権利関係読む目安 約13分図 4場面つき

この単元で分かること

  • 普通借家がいつどう更新されるのか、どんなときに正当事由で終われるのかを学びます。
  • 借家の対抗力、借賃の増減、転借人の保護がどう決まっているかを学びます。
  • 定期建物賃貸借と、取壊し予定・一時使用の建物賃貸借との違いを学びます。

この単元のはじまりの場面

場面

中村翔さんは、2年契約でアパートを借りています。満了が近づいたころ、中村さんは「大家さんが出てほしいと言ったら、出ないといけませんか」と聞きました。木村健一さんは「大家さんが更新しない通知を出さなければ、同じ条件で更新される。通知するにも、正当事由が要るんだ」と答えました。借りた部屋は暮らしの土台だからだと聞いて、佐藤さくらさんはうなずきました。

建物賃貸借の期間約1分

この節でよく出るのは

  • ★ 4回1年未満の期間の建物賃貸借は、期間の定めがないものとみなされ…
  • ★ 4回1年未満の期間は、期間の定めがないものとみなされます。50年…
  • ★ 2回6か月と定めても、その期間で終わるわけではありません。期間の…

借家は、借主の生活の本拠になるので、借地とは別の手厚い決まりがあります。

根拠: 借地借家法 26条1項

★ 過去問で4回

1年未満の期間の建物賃貸借は、期間の定めがないものとみなされます。

根拠: 借地借家法 29条1項

事例過去問に出た

貸主は中村さんに部屋を「6か月」と定めて貸しました。法律上は期間の定めがない賃貸借とみなされます。これは、短い期間で追い出されないようにするためです。

根拠: 借地借家法 29条1項

民法の存続期間の上限50年は、建物の賃貸借には適用しません。

根拠: 借地借家法 29条2項

要点★ 過去問で4回

1年未満の期間は、期間の定めがないものとみなされます。50年の上限もありません。

根拠: 借地借家法 29条1項、借地借家法 29条2項

ひっかけ★ 過去問で2回

6か月と定めても、その期間で終わるわけではありません。期間の定めがないものとみなされます。

根拠: 借地借家法 29条1項

普通借家の更新と解約申入れ約1分

この節でよく出るのは

  • ★ 5回更新したとみなされた後は、期間の定めがないものになります。
  • ★ 4回貸主は中村さんに2年契約で部屋を貸していました。貸主が満了の…
  • ★ 4回更新拒絶の通知は満了の1年前から6か月前まで。解約申入れは、…
表
立場すること期限結果
貸主・借主更新しない通知満了の1年前〜6か月前出さなければ同じ条件で更新(貸主は正当事由が要る)
貸主解約の申入れ申入れの日から6か月6か月で終了
借主解約の申入れ申入れの日から3か月3か月で終了

根拠: 借地借家法 26条1項、借地借家法 27条1項、民法 617条1項

事例★ 過去問で4回

貸主は中村さんに2年契約で部屋を貸していました。貸主が満了の1年前から6か月前までに更新しないと通知しなければ、同じ条件で更新され、期間の定めはなくなります。

根拠: 借地借家法 26条1項

★ 過去問で5回

更新したとみなされた後は、期間の定めがないものになります。

根拠: 借地借家法 26条1項

通知をしていても、満了後に借主が使い続け、貸主が遅滞なく異議を述べなければ、同じく更新とみなされます。

根拠: 借地借家法 26条2項

転貸借があるときは、転借人の使用の継続を借主の使用の継続とみなします。

根拠: 借地借家法 26条3項

事例過去問に出た

貸主が中村さんに部屋の解約を申し入れました。賃貸借は、申入れから6か月を過ぎた時点で終了します。

根拠: 借地借家法 27条1項

覚えるコマ

覚える普通借家の更新を拒むには、いつ通知するか?根拠 26条1項
満了の1年前から6か月前まで更新しない旨を通知する(26条1項)通知がなかったとき同一条件で更新したものとみなす更新後期間の定めがないものとする通知をしても、満了後に賃借人が使い続け、異議がなければ更新とみなす。

満了の1年前から6か月前までに通知する。通知がなければ更新とみなす。

間違えやすいところ:更新後の期間も元と同じだと考えると間違える。法定更新後は期間の定めがない

普通借家の更新を拒むには、いつ通知するか? 満了の1年前から6か月前までに通知する。通知がなければ更新とみなす。

覚える賃貸人から解約を申し入れたら、建物賃貸借はいつ終わるか?根拠 27条1項
賃貸人からの解約申入れ・申入れの日から6か月で終了(27条1項)・正当事由がなければできない(28条)賃借人からの解約申入れ・正当の事由は要しない(運用)更新拒絶の通知にも、正当事由が要る(28条)。

申入れの日から6か月で終了する。賃貸人には正当事由が要る。

間違えやすいところ:賃借人からの解約申入れにも、正当の事由が要ると考えると間違える(運用)

賃貸人から解約を申し入れたら、建物賃貸借はいつ終わるか? 申入れの日から6か月で終了する。賃貸人には正当事由が要る。

要点★ 過去問で4回

更新拒絶の通知は満了の1年前から6か月前まで。解約申入れは、貸主が6か月、借主が3か月で終わります。

根拠: 借地借家法 26条1項、借地借家法 27条1項

ひっかけ

通知を出しても、借主が使い続けて異議を述べなければ更新とみなされます。

根拠: 借地借家法 26条2項

正当事由と立退料約1分

この節でよく出るのは

  • ★ 2回貸主の更新拒絶の通知や解約の申入れは、正当事由がなければでき…
★ 過去問で2回

貸主の更新拒絶の通知や解約の申入れは、正当事由がなければできません。

根拠: 借地借家法 28条

正当事由は、双方が建物を使う必要の程度、従前の経過、利用状況、建物の現況で判断します。

根拠: 借地借家法 28条

貸主が明渡しの条件として、または引換えに財産上の給付を申し出たときは、その申出も考慮します。

根拠: 借地借家法 28条

事例

貸主は自分の子どもを住まわせるため中村さんに明渡しを求めました。貸主が中村さんに立退料を申し出れば、その額も含めて正当事由があるかが判断されます。

根拠: 借地借家法 28条

解約を申し入れた後に提供し、または増額を申し出た立退料も、正当事由の判断で考慮できます。

根拠: 借地借家法 28条

当事者が申し出た額を超える立退料の支払と引換えに、明渡しを認めることも、相当と認められる場合があります。

根拠: 借地借家法 28条

事例

貸主は立退料200万円を申し出ていました。裁判所は、それより多い300万円の支払と引換えに明渡しを認める判断をすることもあります。

根拠: 借地借家法 28条

覚えるコマ

覚える正当事由の判断で、立退料はどう扱われるか?根拠 28条
1 双方の建物使用の必要2 従前の経過3 利用状況・建物の現況4 立退料の申出(考慮要素の一つ)解約申入れの後に申し出た立退料も、参酌できる(判例)。

立退料は考慮要素の一つ。申出がなくても、正当事由は否定されない。

間違えやすいところ:立退料を申し出さえすれば、正当事由が認められると考えると間違える

正当事由の判断で、立退料はどう扱われるか? 立退料は考慮要素の一つ。申出がなくても、正当事由は否定されない。

要点

正当事由は、使用の必要性や立退料の申出などを合わせて判断します。

根拠: 借地借家法 28条

ひっかけ

立退料を積めば正当事由が必ず認められる、ではありません。使用の必要性なども合わせて判断されます。

根拠: 借地借家法 28条

借家の対抗力と借賃の増減約1分

建物の賃貸借は、登記がなくても、建物の引渡しがあれば、その後その建物の物権を取得した人に対抗できます。

根拠: 借地借家法 31条

事例

中村さんは貸主から借りた部屋に住み始め、引渡しを受けました。貸主がその建物を田中さんに売っても、中村さんは田中さんに賃借権を主張して住み続けられます。

根拠: 借地借家法 31条

人物関係図引渡しがあれば買主に対抗できる

建物を売る賃借権を対抗貸主売主田中さん新しい所有者中村さん借主

登記がなくても、引渡しを受けていれば中村さんは田中さんに賃借権を主張できる。

根拠: 借地借家法 31条

借賃が不相当になったときは、契約の条件にかかわらず、将来に向かって増減を請求できます。

根拠: 借地借家法 32条1項

過去問に出た

一定期間増額しない特約があるときは、その定めに従います。増額で協議が調わないときは、裁判確定まで相当と認める額を払えば足ります。

根拠: 借地借家法 32条1項、借地借家法 32条2項

事例

周りの家賃が下がって中村さんの家賃が高すぎる状態になったので、中村さんは減額を請求できます。協議が調わなければ、貸主は裁判確定まで、相当と認める額の支払を中村さんに請求できます。

根拠: 借地借家法 32条3項

サブリース契約でも、この借賃増減の規定は適用されます。借賃の減額を請求できます。

根拠: 借地借家法 32条1項

覚えるコマ

覚える借家の対抗力は、何があれば備わるか?根拠 31条
建物賃貸借の契約賃借権の登記は、なくてもよい建物の引渡し賃借人が引渡しを受ける(31条)その後に物権を取得した者賃借権を対抗できる31条に反する特約で賃借人に不利なものは、無効(37条)。

登記がなくても、建物の引渡しがあれば対抗できる。

間違えやすいところ:対抗するには、賃借権の登記が要ると考えると間違える

借家の対抗力は、何があれば備わるか? 登記がなくても、建物の引渡しがあれば対抗できる。

覚える借賃の増減で協議が調わないとき、裁判確定までの支払いはどうなるか?根拠 32条2項・3項
増額請求を受けた賃借人(32条2項)・裁判確定まで、相当と認める額を支払えば足りる減額請求を受けた賃貸人(32条3項)・裁判確定まで、相当と認める額の支払を請求できる不足額・超過額には、年1割の利息を付ける。

増額は、相当と認める額を払えば足りる。減額は、相当額を請求できる。

間違えやすいところ:「減額しない」特約で、減額請求を排除できると考えると間違える(運用)

借賃の増減で協議が調わないとき、裁判確定までの支払いはどうなるか? 増額は、相当と認める額を払えば足りる。減額は、相当額を請求できる。

要点

借家は引渡しで対抗力を持ちます。借賃は将来に向かって増減を請求できます。

根拠: 借地借家法 31条、借地借家法 32条1項

ひっかけ

借家の対抗力に登記は要りません。建物の引渡しで足ります。

根拠: 借地借家法 31条

造作買取請求権と転借人の保護約2分

この節でよく出るのは

  • ★ 3回造作買取請求権を排除する特約は有効です。対抗力などと違い、強…
  • ★ 3回転借人には通知が必要で、通知後6か月で転貸借が終わります。造…
過去問に出た

貸主の同意を得て付加した造作は、賃貸借が満了または解約の申入れで終わるときに、時価で買い取るよう請求できます。

根拠: 借地借家法 33条1項

この請求は、賃貸借が終了するときの転借人と賃貸人との間にも準用されます。

根拠: 借地借家法 33条2項

事例

中村さんは貸主の同意を得て、借りた部屋に建具を付け替えました。満了のときに、中村さんは貸主にその造作を時価で買い取るよう請求できます。中村さんが転貸している場合は、転借人も同じ請求ができます。

根拠: 借地借家法 33条1項、借地借家法 33条2項

★ 過去問で3回

造作買取請求権を排除する特約は有効です。対抗力などと違い、強行規定に含まれないからです。

根拠: 借地借家法 33条1項

過去問に出た

建物の転貸借があるときは、貸主は転借人に通知しなければ、賃貸借の終了を転借人に対抗できません。

根拠: 借地借家法 34条1項

人物関係図転貸借と終了の通知

部屋を貸す転貸する貸主賃貸人中村さん借主転借人

貸主が転借人に通知しなければ、賃貸借の終了を転借人に対抗できない。通知から6か月で転貸借が終わる。

根拠: 借地借家法 34条1項、借地借家法 34条2項

事例過去問に出た

中村さんが転借人に部屋を転貸していました。貸主と中村さんの賃貸借が終了しても、貸主が転借人に通知しなければ、転借人は明渡しを求められません。通知をすれば、その日から6か月で転貸借が終了します。

根拠: 借地借家法 34条1項、借地借家法 34条2項

覚えるコマ

覚える賃貸借が満了で終わるとき、転借人はどうなるか?根拠 34条
賃貸借が満了・解約申入れで終了賃貸人は、転借人に通知しなければ終了を対抗できない(34条1項)通知の日から6か月転貸借が終了する(34条2項)34条に反する特約で転借人に不利なものは、無効(37条)。

転借人に通知しないと終了を対抗できない。通知の日から6か月で終了。

間違えやすいところ:通知がなくても、賃貸借の終了と同時に転貸借も終わると考えると間違える

賃貸借が満了で終わるとき、転借人はどうなるか? 転借人に通知しないと終了を対抗できない。通知の日から6か月で終了。

要点★ 過去問で3回

転借人には通知が必要で、通知後6か月で転貸借が終わります。造作買取請求権は特約で排除できます。

根拠: 借地借家法 34条1項、借地借家法 34条2項、借地借家法 33条1項

ひっかけ

造作買取請求権は強行規定ではありません。特約で排除できます。

根拠: 借地借家法 33条1項、借地借家法 37

同居者の承継と強行規定約1分

過去問に出た

居住用建物の借主が相続人なしに死亡したときは、事実上の夫婦や養親子のような同居者が権利義務を承継します。

根拠: 借地借家法 36条1項

ただし、相続人なしに死亡したことを知った後1か月以内に貸主へ反対の意思を表示すれば、承継しません。

根拠: 借地借家法 36条1項

事例

中村さんは婚姻の届出をしていない相手と住んでいました。中村さんが相続人なく亡くなると、その相手は賃借権を承継します。相手が1か月以内に反対を伝えれば、承継しません。

根拠: 借地借家法 36条1項

対抗力、転借人の保護、借地上の建物の賃借人の保護に反する特約で、借主や転借人に不利なものは無効です。

根拠: 借地借家法 37、借地借家法 35条1項

要点

同居者の承継は1か月以内の反対で覆せます。対抗力・転借人保護は強行規定です。

根拠: 借地借家法 36条1項、借地借家法 37

ひっかけ

内縁の同居者は、届出がなくても一定の要件で賃借権を承継します。

根拠: 借地借家法 36条1項

定期建物賃貸借とは約2分

この節でよく出るのは

  • ★ 2回定期建物賃貸借には、1年未満の期間を期間の定めがないとみなす…
  • ★ 2回説明をしなかったときは、更新がない旨の定めは無効です。
  • ★ 2回定期建物賃貸借では、書面の方式と事前説明が欠かせません。説明…
場面

引っ越すことになった中村さんは、1年の定期建物賃貸借の部屋を見つけました。契約書には「更新しない」と書いてあります。それでも貸主は、契約書とは別の説明書面を渡して、更新がないことを説明しました。理由を聞かれた木村健一さんは「更新がないのは借りる人に重い話だから、先にきちんと知らせる決まりなんだ」と答えました。

根拠: 借地借家法 38条1項、借地借家法 38条3項

過去問に出た

期間の定めがある建物賃貸借では、書面で契約すれば、更新がない旨を定められます。これが定期建物賃貸借です。

根拠: 借地借家法 38条1項

過去問に出た

書面は公正証書によるなど、一定の方式が必要です。電磁的記録でも書面とみなされます。

根拠: 借地借家法 38条1項

★ 過去問で2回

定期建物賃貸借には、1年未満の期間を期間の定めがないとみなす規定は適用されません。

根拠: 借地借家法 38条1項、借地借家法 29条1項

事例過去問に出た

貸主は中村さんと、1年の定期建物賃貸借を書面で結びました。1年未満でも期間の定めがないとみなされず、期間が満了すれば終了します。

根拠: 借地借家法 38条1項

過去問に出た

貸主は、あらかじめ、更新がなく満了で終了することを記載した書面を交付して説明しなければなりません。

根拠: 借地借家法 38条3項

過去問に出た

説明書面は、借主が内容を認識していたとしても、契約書とは別個独立の書面でなければなりません。

根拠: 借地借家法 38条3項

★ 過去問で2回

説明をしなかったときは、更新がない旨の定めは無効です。

根拠: 借地借家法 38条5項

判定の流れ更新がない旨の定めは有効か

書面(電磁的記録も可)で契約したか?はい契約書とは別の説明書面で説明したか?はい更新がない旨の定めは有効いいえ更新がない旨の定めは無効いいえ定期建物賃貸借にならない

契約書に書いてあるだけでは足りない。別個独立の説明書面が要る。

根拠: 借地借家法 38条1項、借地借家法 38条3項、借地借家法 38条5項

覚えるコマ

覚える更新がない定期建物賃貸借にするには、何が必要か?根拠 38条1項・3項
1 公正証書による等書面で契約する(38条1項)2 更新がなく満了で終了する旨を記載した書面を交付して説明(38条3項)3 説明の書面は、契約書とは別個独立(判例)説明をしなければ、更新がない旨の定めは無効(38条5項)。

公正証書等の書面で契約し、事前に書面で説明する。

間違えやすいところ:説明の書面は契約書と一体でよいと考えると間違える(判例は別個独立の書面)

更新がない定期建物賃貸借にするには、何が必要か? 公正証書等の書面で契約し、事前に書面で説明する。

要点★ 過去問で2回

定期建物賃貸借では、書面の方式と事前説明が欠かせません。説明がなければ、更新がない旨の定めは無効です。

根拠: 借地借家法 38条1項、借地借家法 38条3項、借地借家法 38条5項

ひっかけ

契約書に「更新しない」と書いてあれば足りる、ではありません。別個独立の説明書面が要ります。

根拠: 借地借家法 38条3項、借地借家法 38条5項

定期建物賃貸借の終了と中途解約約2分

この節でよく出るのは

  • ★ 5回期間が1年以上なら、貸主は満了の1年前から6か月前までに通知…
  • ★ 4回終了通知は満了の1年前から6か月前まで、中途解約は申入れから…
  • ★ 2回借賃の改定に係る特約があるときは、借賃増減請求の規定は適用し…
場面

半年後、中村さんに転勤の辞令が出ました。中村さんの部屋は居住用で、床面積は200平方メートル未満です。「契約の途中でも、出られますか」と中村さんは聞きました。木村さんは「転勤のようなやむを得ない事情があれば、解約を申し入れられるよ。1か月で終わるんだ」と答えました。

根拠: 借地借家法 38条7項

★ 過去問で5回

期間が1年以上なら、貸主は満了の1年前から6か月前までに通知しなければ、終了を借主に対抗できません。

根拠: 借地借家法 38条6項

通知期間を過ぎてから通知したときは、その通知の日から6か月を過ぎれば終了を対抗できます。

根拠: 借地借家法 38条6項

事例

貸主は中村さんとの定期建物賃貸借の満了が近づきましたが、通知を忘れました。貸主が通知期間の後に通知をすれば、その通知から6か月後に終了を対抗できます。

根拠: 借地借家法 38条6項

床面積200平方メートル未満の居住用では、転勤や療養などやむを得ない事情で、借主は解約を申し入れられます。申入れから1か月で終了します。

根拠: 借地借家法 38条7項

事例

中村さんが転勤で部屋を出ることになりました。床面積が200平方メートル未満の居住用なので、中村さんは解約を申し入れられ、1か月で賃貸借が終わります。

根拠: 借地借家法 38条7項

左右の比較貸主の終了通知と借主の中途解約

貸主の通知終了を対抗借主の解約中途解約対象期間が1年以上床面積200㎡未満の居住用条件満了の1年前〜6か月前に通知転勤・療養などやむを得ない事情終了の時満了で、終了を対抗できる申入れから1か月

貸主の通知が遅れたときは、通知の日から6か月で、終了を対抗できる。

根拠: 借地借家法 38条6項、借地借家法 38条7項

★ 過去問で2回

借賃の改定に係る特約があるときは、借賃増減請求の規定は適用しません。

根拠: 借地借家法 38条9項

覚えるコマ

覚える定期建物賃貸借の、終了通知と中途解約はどう違うか?根拠 38条6項・7項
終了通知(38条6項)・期間が1年以上のとき・満了の1年前から6か月前までに通知する中途解約(38条7項)・床面積200㎡未満の居住用・転勤等の事情で、賃借人が解約申入れ・申入れの日から1か月で終了通知期間が過ぎてからの通知は、通知の日から6か月後に対抗できる。

終了通知は満了の1年前から6か月前。中途解約は1か月で終了。

間違えやすいところ:中途解約は、どの定期建物賃貸借でもできると考えると間違える。居住用200㎡未満だけ

定期建物賃貸借の、終了通知と中途解約はどう違うか? 終了通知は満了の1年前から6か月前。中途解約は1か月で終了。

要点★ 過去問で4回

終了通知は満了の1年前から6か月前まで、中途解約は申入れから1か月で、床面積200平方メートル未満の居住用が条件です。

根拠: 借地借家法 38条6項、借地借家法 38条7項

ひっかけ

定期建物賃貸借の借主は、どんな場合でも中途解約できるわけではありません。転勤などのやむを得ない事情が要ります。

根拠: 借地借家法 38条7項

取壊し予定と一時使用の建物賃貸借約1分

法令や契約で、一定の期間を過ぎたら建物を取り壊すことが明らかな場合があります。

根拠: 借地借家法 39条1項

そのときは、取り壊す時に賃貸借が終了する旨を定められます。特約は、取り壊すべき事由を記載した書面によらなければなりません。

根拠: 借地借家法 39条1項、借地借家法 39条2項

事例

貸主の建物は3年後に道路工事で取り壊すことが決まっていました。貸主は中村さんと、その時に終了する旨を書面で定めて貸せます。書面には取り壊す事由を記載します。

根拠: 借地借家法 39条2項

一時使用のために建物を貸したことが明らかな場合は、借家の章の規定は適用されません。

根拠: 借地借家法 40

事例

貸主は工事中の仮事務所として、中村さんに6か月だけ部屋を貸しました。一時使用と明らかなので、更新などの借家の規定は適用されません。

根拠: 借地借家法 40

要点

取壊し予定は書面が要り、一時使用は借家の規定が適用されません。

根拠: 借地借家法 39条2項、借地借家法 40

ひっかけ

取壊し予定の特約は口約束では足りません。取り壊す事由を記載した書面が必要です。

根拠: 借地借家法 39条2項

本試験ではこう出ます

本試験では「Aは、Bに部屋を6か月と定めて貸した」のように出ます。期間の長さと、定期建物賃貸借なら書面で説明したかを読み取ります。

根拠: 借地借家法 29条1項、借地借家法 38条3項

まとめ

  • 期間を1年未満とする建物賃貸借は期間の定めがないとみなされ、民法の50年の上限も適用されません。
  • 満了の1年前から6か月前までに更新拒絶の通知がなければ、同じ条件で更新されます。期間の定めもなくなります。
  • 貸主の解約申入れでは、申入れの日から6か月で建物賃貸借が終了します。
  • 貸主の更新拒絶・解約には正当事由が要り、使用の必要性、従前の経過、立退料の申出で判断します。
  • 建物賃貸借は、登記がなくても建物の引渡しがあれば物権取得者に対抗できます。
  • 借賃は将来に向かって増減を請求でき、造作買取請求権は特約で排除できます。
  • 建物の転貸借は、貸主が転借人に通知すれば、その日から6か月で終了します。
  • 定期建物賃貸借は書面と事前説明が要り、説明がなければ更新なしの定めは無効です。終了通知は満了の1年前から6か月前までです。
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