区分所有法(マンションの管理と決め方)
この単元のはじまりの場面
区分所有とは何か約2分
構造上区分され、独立して住居や店舗などに使える部分は、それぞれ所有権の目的にできます。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 1条
各戸に付属する倉庫に共用の配管設備が通っていても、独立して使える外形があれば専有部分です。一方、管理人室は構造上独立していても共用部分とされることがあります。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 1条
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専有部分以外が共用部分。規約で共用部分にするには登記が要る。
間違えやすいところ:管理人室は構造上独立していれば専有部分だと考えると間違える(共用部分とされることがある)
専有部分と共用部分は、どう分かれるか? 専有部分以外が共用部分。規約で共用部分にするには登記が要る。
共用部分の持分と敷地利用権約2分
この節でよく出るのは
- ★ 5回各人の持分は、専有部分の床面積の割合で決まります。共用部分の…
各人の持分は、専有部分の床面積の割合で決まります。共用部分の負担も利益も、規約に別段の定めがなければ、この持分に応じて分けます。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 14条1項、建物の区分所有等に関する法律 19条
数字の比べ床面積が持分と議決権を決める
持分は床面積の割合。議決権も、規約に別段の定めがなければ床面積の割合。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 14条1項、建物の区分所有等に関する法律 19条、建物の区分所有等に関する法律 38
Aは部屋だけを売って、敷地の利用権は持ったままにする、ということはできません。規約で別段に定めれば別です。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 22条1項、建物の区分所有等に関する法律 22条2項
分離処分の禁止に違反した処分の無効は、善意の相手方に主張できません。登記した後は主張できます。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 23条1項
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専有部分と分離して処分できない。違反の無効は善意の相手方に主張できない。
間違えやすいところ:敷地利用権は、規約で別段の定めができる
共用部分の持分と敷地利用権は、専有部分と別に売れるか? 専有部分と分離して処分できない。違反の無効は善意の相手方に主張できない。
持分も敷地利用権も、専有部分に付いて動きます。切り離して処分することはできません。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 15条2項、建物の区分所有等に関する法律 22条1項、建物の区分所有等に関する法律 24
分離処分の禁止に違反した処分は、いつでも無効を主張できる、ではありません。善意の相手方には主張できません。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 23条1項
管理者約1分
この節でよく出るのは
- ★ 2回管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有できま…
マンションの管理を進めるため、区分所有者は管理者を置けます。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 3条
管理者は、規約に別段の定めがないかぎり、集会の決議で選任・解任されます。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 25条1項
管理者は、規約や集会の決議により、職務に関して区分所有者のために原告や被告になれます。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 26条4項
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集会の決議で選任・解任する。代理権の制限は善意の第三者に対抗できない。
間違えやすいところ:管理者が共用部分を所有できるのは、規約に特別の定めがあるときだけ
管理者は、どう選び、どこまでの権限があるか? 集会の決議で選任・解任する。代理権の制限は善意の第三者に対抗できない。
管理組合法人約1分
区分所有者は全員で、建物の管理を行う団体をつくります。いわゆる管理組合です。この団体が法人になることもあります。これが管理組合法人です。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 47条1項、建物の区分所有等に関する法律 3条
管理組合法人には理事と監事を置きます。理事が数人あるときは各自が法人を代表し、代理権の制限は、善意の第三者に対抗できません。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 49条4項、建物の区分所有等に関する法律 47条7項
理事の任期は2年です。規約で3年以内の別段の期間を定めれば、その期間になります。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 49条6項
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出席者と議決権の各4分の3以上の決議。理事の任期は2年。
間違えやすいところ:理事の任期は、規約で3年以内にできる。債務は区分所有者が14条の割合で負う
管理組合法人にするには、どんな決議が要るか? 出席者と議決権の各4分の3以上の決議。理事の任期は2年。
法人化は出席者の各4分の3以上、理事の任期は2年、債務は床面積の割合で負います。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 47条1項、建物の区分所有等に関する法律 49条6項、建物の区分所有等に関する法律 53条1項
集会の招集と決議約3分
集会は管理者が招集します。管理者は少なくとも毎年1回、集会を招集しなければなりません。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 34条2項
区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を持つ人は、集会の招集を請求できます。この定数は規約で減らせます。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 34条3項
請求しても所定の通知が出されないときは、請求した人が自分で集会を招集できます。管理者がいないときも同じ定数の人が招集できます。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 34条4項、建物の区分所有等に関する法律 34条5項
召集の通知は、会日の少なくとも1週間前に、目的の事項と議案の要領を示して発します。この期間は規約で伸ばせます。通知は、区分所有者が管理者に知らせた場所にあてて発し、知らせていないときは専有部分の所在場所にあてて発せば足ります。この通知は、通常届くべき時に届いたものとみなされます。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 35条1項、建物の区分所有等に関する法律 35条3項
Aは集会の招集を求めましたが、管理者が動きませんでした。Aは自分で集会を招集できます。招集通知は会日の1週間前に出します。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 34条4項、建物の区分所有等に関する法律 35条1項
区分所有者(議決権を有しないものを除く。)全員の同意があれば、招集の手続を経ずに集会を開けます。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 36
集会の議事は、法律や規約に別段の定めがなければ、出席した区分所有者と議決権の各過半数で決まります。議事録は議長が作り、書面のときは、議長と出席した区分所有者の二人が署名します。議長は、規約に別段の定めや別段の決議がなければ、管理者か、集会を招集した区分所有者の一人がなります。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 39条1項、建物の区分所有等に関する法律 42条3項、建物の区分所有等に関する法律 41条
Aの部屋が50平方メートル、Bが100平方メートルなら、議決権はAが1、Bが2です。Bの方が重い議決権を持ちます。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 38
1つの専有部分を数人で共有しているときは、持分の価格の過半数で議決権を行使する人を1人定めます。区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する人は、会議の目的事項に利害関係があれば、集会に出席して意見を述べられます。議決権は区分所有者が持つものです。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 40、建物の区分所有等に関する法律 44条1項、建物の区分所有等に関する法律 38
区分所有者(議決権を有しないものを除く。)全員の承諾があれば、集会を開かずに書面や電磁的方法で決議できます。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 45条1項
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通知は会日の1週間前まで。請求は各5分の1以上の区分所有者。
間違えやすいところ:建替え決議の集会だけは、招集通知を会日の2月前に発する(普通は1週間前)
集会の招集は、いつ通知し、だれが請求できるか? 通知は会日の1週間前まで。請求は各5分の1以上の区分所有者。
普通決議は出席者の各過半数です。招集の請求は5分の1以上、通知は1週間前です。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 39条1項、建物の区分所有等に関する法律 34条3項、建物の区分所有等に関する法律 35条1項
議決権は人数で数えるだけではありません。人数と議決権の両方を見ます。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 39条1項
規約約1分
この節でよく出るのは
- ★ 2回規約の設定・変更・廃止は、集会で出席した区分所有者とその議決…
規約の設定・変更・廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときは、その人の承諾が要ります。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 31条1項
規約は書面または電磁的記録で作成します。保管する人は、正当な理由がないかぎり利害関係人の閲覧を拒めません。最初に専有部分の全部を所有する人は、公正証書で規約共用部分や規約敷地などの規約を設定できます。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 30条5項、建物の区分所有等に関する法律 33条1項、建物の区分所有等に関する法律 33条2項、建物の区分所有等に関する法律 32条
規約や集会の決議は、区分所有者の特定承継人にも効力を生じます。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 46条1項
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出席者と議決権の各4分の3以上。特別の影響を受ける人の承諾も要る。
間違えやすいところ:4分の3以上の決議だけで、一部の区分所有者に特別の影響があっても変更できると考えると間違える
規約を変更するには、どんな決議が要るか? 出席者と議決権の各4分の3以上。特別の影響を受ける人の承諾も要る。
義務違反者への措置約2分
森さんのマンションで、ある住民が部屋を店舗に作り変えました。夜遅くまで客が出入りして、ほかの住民が困っています。「やめさせるには、どうすればいいですか」と森さんは聞きました。木村健一さんは「建物はみんなで使うものだから、共同の利益に反する行為は止められる。ただ、訴えるには集会の決議が要るんだ」と答えました。森さんは、集会を開く準備を始めました。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 6条1項、建物の区分所有等に関する法律 57条1項、建物の区分所有等に関する法律 57条2項
区分所有者は、建物の保存に有害な行為や、共同の利益に反する行為をしてはなりません。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 6条1項
そのような行為があるときは、他の区分所有者の全員または管理組合法人が、行為の停止などの必要な措置を請求できます。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 57条1項
Aが自分の部屋を違法な店舗に改造し、他の住民に迷惑をかけました。他の区分所有者は、Aに行為の停止を求められます。共同の利益のためです。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 57条1項
訴訟を提起するには集会の決議が要ります。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 57条2項
左右の比較停止の請求と使用禁止の請求
使用禁止の決議の前に、その区分所有者へ弁明の機会を与える。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 57条1項、建物の区分所有等に関する法律 57条2項、建物の区分所有等に関する法律 58条1項、建物の区分所有等に関する法律 58条2項、建物の区分所有等に関する法律 58条3項
障害が著しく、ほかの方法では除去が難しいときは、集会の決議で専有部分の使用禁止を請求できます。決議は出席者の各4分の3以上です。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 58条1項、建物の区分所有等に関する法律 58条2項
使用禁止の決議をするには、あらかじめその区分所有者に弁明の機会を与えなければなりません。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 58条3項
競売の請求も同じ要件です。判決に基づく競売の申立ては、判決が確定した日から6月を過ぎるとできません。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 59条1項、建物の区分所有等に関する法律 59条3項
競売を申し立てられた区分所有者や、その計算で買おうとする人は、買受けの申出ができません。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 59条4項
Aの区分所有権の競売が判決で認められました。Aは自分で買い受ける申出ができません。申立ては判決確定から6月以内にする必要があります。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 59条3項、建物の区分所有等に関する法律 59条4項
覚えるコマ
使用禁止と競売請求は各4分の3以上の決議。競売の申立ては6月以内。
間違えやすいところ:競売を申し立てられた区分所有者は、買受けの申出ができない
義務違反者への措置は、どんな決議が要るか? 使用禁止と競売請求は各4分の3以上の決議。競売の申立ては6月以内。
措置を求める訴訟の提起には集会の決議が要ります。使用禁止と競売は出席者の各4分の3以上、競売の申立ては6月以内です。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 58条2項、建物の区分所有等に関する法律 59条3項
使用禁止の決議は、事前に弁明の機会を与えなければできません。手続を飛ばすと無効になります。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 58条3項
復旧と建替え約3分
森さんのマンションでは、古くなった建物を建て替えようという声も出ています。「過半数が賛成すれば、建て替えられますよね」と森さんは聞きました。木村健一さんは「建物を壊して建て直す大きな決めごとだから、割合も高い。区分所有者と議決権の各5分の4以上が要るんだ」と答えました。佐藤さくらさんは、通知は会日の2月前、説明会は1月前だと、あわせて覚えました。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 62条1項、建物の区分所有等に関する法律 62条2項、建物の区分所有等に関する法律 62条6項、建物の区分所有等に関する法律 62条8項
建物の一部が滅失したときは、まず復旧を考えます。軽い滅失か重い滅失かで、手続が違います。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 61条1項
それを超える滅失では、集会に出席した区分所有者とその議決権の各3分の2以上で、復旧を決議します。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 61条5項
| 決議 | 要件 |
|---|---|
| 規約の設定・変更・廃止 | 出席した区分所有者と議決権の各4分の3以上 |
| 管理組合法人の設立 | 出席した区分所有者と議決権の各4分の3以上 |
| 大規模滅失の復旧 | 出席した区分所有者と議決権の各3分の2以上 |
| 建替え決議 | 区分所有者と議決権の各5分の4以上(安全基準に適合しないときは4分の3) |
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 31条1項、建物の区分所有等に関する法律 47条1項、建物の区分所有等に関する法律 61条5項、建物の区分所有等に関する法律 62条1項
数字の比べ決議に必要な賛成の割合
どれも人数と議決権の両方で数える。建替えは、出席者ではなく区分所有者全体で数える。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 39条1項、建物の区分所有等に関する法律 42条3項、建物の区分所有等に関する法律 41条、建物の区分所有等に関する法律 61条5項、建物の区分所有等に関する法律 31条1項、建物の区分所有等に関する法律 47条1項、建物の区分所有等に関する法律 62条1項、建物の区分所有等に関する法律 62条2項
建替えの決議は、区分所有者と議決権の各5分の4以上の多数でします。建物が地震や火災への安全性の基準に適合しないなど、法律が定める事由に当たるときは、各4分の3以上で足ります。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 62条1項、建物の区分所有等に関する法律 62条2項
建替えを議題とする集会の通知は、会日の少なくとも2月前に発します。会日の1月前までに説明会も開きます。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 62条6項、建物の区分所有等に関する法律 62条8項
Aは古いマンションの建替えを進めようとしています。集会の通知は会日の2月前に発し、1月前までに説明会を開きます。建替え決議は各5分の4以上です。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 62条1項、建物の区分所有等に関する法律 62条6項、建物の区分所有等に関する法律 62条8項
時系列建替え決議までの通知と説明会
通知の期間は、規約で伸ばせる。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 62条1項、建物の区分所有等に関する法律 62条2項、建物の区分所有等に関する法律 62条6項、建物の区分所有等に関する法律 62条8項
建替え決議に賛成しなかった区分所有者は、催告を受けた日から2月以内に参加するかどうかを回答します。答えなければ不参加とみなされます。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 63条3項、建物の区分所有等に関する法律 63条4項
覚えるコマ
大規模滅失の復旧は各3分の2以上、建替えは各5分の4以上。
間違えやすいところ:地震に対する安全性の基準に適合しない建物の建替えは、各4分の3以上でよい
復旧・建替えの決議は、どれだけの多数が要るか? 大規模滅失の復旧は各3分の2以上、建替えは各5分の4以上。
建替えは各5分の4以上、安全基準に適合しないときは各4分の3以上です。通知は2月前、説明会は1月前です。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 62条1項、建物の区分所有等に関する法律 62条2項
建替え決議はいつでも5分の4以上、ではありません。安全基準に適合しないときは4分の3以上で足ります。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 62条2項
本試験では「規約の変更を、出席者の各過半数で決議した」のように出ます。決議の種類ごとの割合と、数える対象を読み取ります。
根拠: 建物の区分所有等に関する法律 31条1項、建物の区分所有等に関する法律 39条1項、建物の区分所有等に関する法律 42条3項、建物の区分所有等に関する法律 41条
まとめ
- 独立して使える部分は専有部分、それ以外は共用部分です。規約で共用部分とするには登記が必要です。
- 共用部分の持分も敷地利用権も、専有部分に付いて動き、切り離して処分できません。
- 管理者は集会の決議で選任・解任され、区分所有者を代理します。代理権の制限は善意の第三者に対抗できません。
- 管理組合法人になるには出席者の各4分の3以上の決議と登記が必要で、理事の任期は2年です。
- 集会は毎年1回以上開かれ、招集の請求は5分の1以上、通知は会日の1週間前です。
- 規約の設定・変更・廃止は出席者の各4分の3以上で、特別の影響を受ける人には承諾が必要です。
- 義務違反者への措置を求める訴訟の提起には集会の決議が要り、使用禁止と競売は出席者の各4分の3以上です。
- 大規模滅失の復旧は出席者の各3分の2以上、建替え決議は各5分の4以上(安全基準に適合しないときは各4分の3以上)です。