権利関係

不動産登記法(登記で権利を公示する)

権利関係読む目安 約15分図 4場面つき

この単元で分かること

  • 表示に関する登記と権利に関する登記の違いを学びます。
  • 権利の登記は共同で申請するのが原則で、1人で申請できる場合を学びます。
  • 相続登記や住所等の変更登記の申請義務と、仮登記で順位を確保する仕組みを学びます。

この単元のはじまりの場面

場面

田中大輔さんは、山本和子さんの家を買い、代金を払い終えました。「これで安心ですよね」と言う田中さんに、木村健一さんは「持ち主が変わったことは、登記で外から見えるようにするんだ。売主と買主が一緒に申請するよ」と答えました。佐藤さくらさんは、登記をしておかないと、だれが困るのかを考えることになりました。

登記は何のためにあるか約1分

登記は、不動産の状況と権利を公示する制度です。誰が所有者かを外から見えるようにして、取引の安全を守ります。

根拠: 不動産登記法 1条

登記には、不動産の場所や面積を示す「表示に関する登記」と、権利を示す「権利に関する登記」の2種類があります。

根拠: 不動産登記法 3条

事例過去問に出た

田中さんが土地を買ったときに所有権の移転の登記をするのは、権利に関する登記です。土地の面積を直したときにするのは、表示に関する登記です。

根拠: 不動産登記法 3条、不動産登記法 3条1号

過去問に出た

登記できる権利は法律に列挙されています。所有権、地上権、賃借権、抵当権、配偶者居住権(残された配偶者が家に住み続けられる権利)などがあります。

根拠: 不動産登記法 3条、不動産登記法 3条1号、不動産登記法 3条8号、不動産登記法 3条9号、民法 1028条

同じ不動産について登記した権利の順位は、登記の前後で決まります。

根拠: 不動産登記法 4条1項

事例

山本さんの土地に、田中さんの抵当権を先に、小林さんの抵当権を後に登記しました。競売代金はまず田中さんに充てられます。

根拠: 不動産登記法 4条1項

要点

登記には表示と権利の2種類があります。権利の順位は登記の前後で決まります。

根拠: 不動産登記法 3条、不動産登記法 4条1項

ひっかけ過去問に出た

登記できる権利は自由に決められません。法律に列挙されたものに限られ、使用借権や占有権は列挙されていません。

根拠: 不動産登記法 3条

表示に関する登記と申請義務約1分

この節でよく出るのは

  • ★ 3回みなと不動産は家を新築して所有権を取得したので、取得の日から…
  • ★ 2回表題部所有者や登記名義人について相続があったときは、その相続…

表示に関する登記は、土地や建物の所在、面積、種類、構造などを示す登記です。この登記を記録する欄を表題部といい、表題部にする最初の表示の登記を表題登記といいます。

根拠: 不動産登記法 3条、不動産登記法 2条7号、不動産登記法 2条20号

表
場面誰がいつまでに何をする
新築した建物の所有権を取得取得した者取得の日から1か月以内表題登記
新たに生じた土地・表題登記がない土地の所有権を取得取得した者取得の日から1か月以内表題登記
建物・土地が滅失表題部所有者・所有権の登記名義人滅失の日から1か月以内滅失の登記
地目・地積の変更表題部所有者・所有権の登記名義人変更の日から1か月以内変更の登記

根拠: 不動産登記法 47条1項、不動産登記法 36条、不動産登記法 57条1項、不動産登記法 42条、不動産登記法 37条1項

事例★ 過去問で3回

みなと不動産は家を新築して所有権を取得したので、取得の日から1か月以内に表題登記を申請します。

根拠: 不動産登記法 47条1項

区分建物の表題登記は、同じ一棟の建物に属する他の区分建物の表題登記と併せて申請します。

根拠: 不動産登記法 48条1項

事例

みなと不動産はマンションを新築したときは、自分の部屋だけでなく、同じ一棟の他の部屋の表題登記も併せて申請します。他の所有者に代わって申請してもかまいません。

根拠: 不動産登記法 48条1項、不動産登記法 48条2項

★ 過去問で2回

表題部所有者や登記名義人について相続があったときは、その相続人も表示に関する登記を申請できます。

根拠: 不動産登記法 30条

覚えるコマ

覚える表示に関する登記は、いつまでに申請するか?根拠 47条1項
新築建物取得の日から1か月以内に表題登記(47条1項)新たな土地取得の日から1か月以内に表題登記(36条)滅失滅失の日から1か月以内に滅失の登記(57条・42条)地目・地積変更の日から1か月以内に変更の登記(37条1項)区分建物の表題登記は、同じ一棟の他の区分建物と併せて申請する。

新築・新たに生じた土地・滅失・地目の変更は、いずれも1か月以内。

間違えやすいところ:住所等の変更は2年以内、相続は3年以内。表示の登記の1か月と取り違えると間違える

表示に関する登記は、いつまでに申請するか? 新築・新たに生じた土地・滅失・地目の変更は、いずれも1か月以内。

要点

表示に関する登記は1か月以内が基本です。区分建物は併せて申請します。

根拠: 不動産登記法 47条1項、不動産登記法 48条1項

ひっかけ過去問に出た

表題登記の申請期間は1か月以内で、3年以内ではありません。3年以内なのは、相続による移転の登記です。

根拠: 不動産登記法 47条1項、不動産登記法 76条の2第1項

合筆と分筆、職権による登記約1分

この節でよく出るのは

  • ★ 2回1筆の土地の一部が別の地目になったときは、登記官が職権で分筆…

複数の土地を1筆にまとめることを合筆、1筆の土地を分けることを分筆といいます。土地には、場所を示す地番(土地の番号)が付いています。

根拠: 不動産登記法 41条、不動産登記法 2条17号、不動産登記法 35条

合筆できない場合が決まっています。つながっていない土地、地目や地番区域が違う土地は合筆できません。

根拠: 不動産登記法 41条1号、不動産登記法 41条2号

所有権の登記がない土地と、ある土地との合筆もできません。権利関係が混ざってしまうからです。

根拠: 不動産登記法 41条5号

事例

山本さんは道路を挟んだ2つの土地を1つにまとめようとしました。つながっていないので合筆できません。

根拠: 不動産登記法 41条1号

★ 過去問で2回

1筆の土地の一部が別の地目になったときは、登記官が職権で分筆の登記をします。

根拠: 不動産登記法 28条

過去問に出た

表示に関する登記は、登記官が職権でする場合もあります。

根拠: 不動産登記法 28条

事例

山本さんの土地の一部が畑から宅地に変わりました。登記官は職権でその部分を分筆し、地目を改めます。

根拠: 不動産登記法 28条

覚えるコマ

覚える合筆の登記ができない土地は、どんな土地か?根拠 41条
1号 相互に接続していない土地2号 地目又は地番区域が相互に異なる土地5号 所有権の登記がない土地と、ある土地一筆の土地の一部が別の地目になったときは、登記官が職権で分筆する(39条2項)。

接続しない・地目が違う・所有権の登記の有無が違う土地。

間違えやすいところ:地目が同じなら合筆できると考えると間違える。離れた土地は合筆できない

合筆の登記ができない土地は、どんな土地か? 接続しない・地目が違う・所有権の登記の有無が違う土地。

要点

合筆には条件があります。地目の変更などは登記官が職権で分筆します。

根拠: 不動産登記法 41条、不動産登記法 28条

ひっかけ

表示に関する登記は申請がなければできない、ではありません。登記官が職権ですることもできます。

根拠: 不動産登記法 28条

権利の登記の申請(申請主義と共同申請)約2分

この節でよく出るのは

  • ★ 3回登記の申請を委任した本人が死亡しても、代理人の申請の権限は消…
  • ★ 2回権利の登記は共同申請が原則です。申請権限は本人が死亡しても消…
過去問に出た

登記は、法令に別段の定めがないかぎり、当事者の申請または官庁の嘱託がなければできません。これを申請主義といいます。

根拠: 不動産登記法 16条1項

権利に関する登記は、登記権利者(売買なら買主)と登記義務者(売買なら売主)が共同して申請します。これが共同申請の原則です。

根拠: 不動産登記法 60条

事例

山本さんが土地を田中さんに売ったときの移転の登記は、売主と買主が共同で申請します。山本さんが登記義務者、田中さんが登記権利者です。

根拠: 不動産登記法 60条

人物関係図売買の移転登記は共同で申請する

共同で申請共同で申請山本さん登記義務者登記所登記官田中さん登記権利者

売主が登記義務者、買主が登記権利者。二人が一緒に申請するのが原則。

根拠: 不動産登記法 60条

権利に関する登記の申請は、表題登記と違って義務ではありません。ただし、相続登記など一部には申請義務があり、怠ると過料の対象になります。

根拠: 不動産登記法 16条1項、不動産登記法 76条の2第1項、不動産登記法 164条1項

同じ不動産に権利の登記の申請が2つ以上あったときは、登記官は受付番号の順序に従います。

根拠: 不動産登記法 20条

★ 過去問で3回

登記の申請を委任した本人が死亡しても、代理人の申請の権限は消滅しません。

根拠: 不動産登記法 17条、不動産登記法 17条1号

事例

田中さんは木村さんに登記の申請を委任し、その後田中さんが亡くなりました。木村さんはそのまま登記を申請できます。委任は本人の死亡で切れません。

根拠: 不動産登記法 17条、不動産登記法 17条1号

覚えるコマ

覚える権利に関する登記は、だれが申請するのか?根拠 60条
共同申請の原則(60条)・登記権利者と登記義務者が共同して申請する申請主義(16条1項)・法令に別段の定めがない限り、申請又は嘱託がなければできない申請が2以上あるときは、受付番号の順序に従う(20条)。

登記権利者と登記義務者が共同して申請する。申請がなければ登記できない。

間違えやすいところ:権利に関する登記の申請は任意。過料の対象は表題登記・相続登記などに限られる(運用)

権利に関する登記は、だれが申請するのか? 登記権利者と登記義務者が共同して申請する。申請がなければ登記できない。

要点★ 過去問で2回

権利の登記は共同申請が原則です。申請権限は本人が死亡しても消滅しません。

根拠: 不動産登記法 60条、不動産登記法 17条

ひっかけ

申請の権限は本人の死亡で消滅する、ではありません。代理人の権限は残ります。

根拠: 不動産登記法 17条1号

1人で申請できる場合約2分

この節でよく出るのは

  • ★ 3回相続による移転は登記権利者である相続人が、収用による移転は起…
  • ★ 3回共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記は、共有者全員が共…
  • ★ 2回判決・相続・遺贈・氏名住所の変更は単独で申請できます。共有物…

共同申請が原則ですが、法律が1人で申請できる場合を定めています。

根拠: 不動産登記法 60条、不動産登記法 63条1項

表
登記1人で申請できる者
確定判決による登記共同申請すべき者の他方
相続・法人の合併による権利の移転登記権利者
相続人に対する遺贈による移転登記権利者
氏名・住所の変更・更正登記名義人
所有権の登記の抹消(移転の登記がない場合)所有権の登記名義人
仮登記の抹消仮登記の登記名義人
買戻しの特約の登記の抹消(10年経過後)登記権利者

根拠: 不動産登記法 63条1項、不動産登記法 63条2項、不動産登記法 63条3項、不動産登記法 64条1項、不動産登記法 77条、不動産登記法 110条、不動産登記法 69条の2

事例

山本さんが田中さんに土地を売ったのに、山本さんが登記の申請に協力しませんでした。田中さんは山本さんに登記手続を命じる判決を取り、その判決で田中さんが1人で申請できます。

根拠: 不動産登記法 63条1項

★ 過去問で3回

相続による移転は登記権利者である相続人が、収用による移転は起業者が、信託は受託者が、それぞれ単独で申請できます。

根拠: 不動産登記法 63条2項、不動産登記法 118条1項、不動産登記法 98条2項

事例

山本さんの親が亡くなり、山本さんが土地を相続しました。山本さんは1人で移転の登記を申請できます。

根拠: 不動産登記法 63条2項

事例

山本さんの親は「土地を山本さんに相続させる」という遺言を残しました。山本さんは、その遺言により、単独で移転の登記を申請できます。

根拠: 不動産登記法 63条2項

過去問に出た

所有権の移転の登記がないときに限り、登記名義人は単独で所有権の登記の抹消を申請できます。

根拠: 不動産登記法 77条

★ 過去問で3回

共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記は、共有者全員が共同で申請します。

根拠: 不動産登記法 65条

覚えるコマ

覚える一方だけで申請できる登記には、何があるか?根拠 63条〜64条
確定判決共同申請すべき者の他方(63条1項)相続・合併登記権利者(63条2項)氏名・住所の変更登記名義人(64条1項)仮登記の抹消仮登記の登記名義人(110条)

判決・相続・相続人への遺贈・氏名住所の変更などは、単独で申請できる。

間違えやすいところ:共有物分割禁止の定めに係る変更の登記は、単独ではなく共有者全員が共同して申請する

一方だけで申請できる登記には、何があるか? 判決・相続・相続人への遺贈・氏名住所の変更などは、単独で申請できる。

要点★ 過去問で2回

判決・相続・遺贈・氏名住所の変更は単独で申請できます。共有物分割禁止の定めがあるときは、共有者全員で共同申請します。

根拠: 不動産登記法 63条1項、不動産登記法 63条2項、不動産登記法 65条

ひっかけ

相続でも共同申請が必要、ではありません。相続による移転は登記権利者が単独で申請できます。

根拠: 不動産登記法 63条2項

所有権の保存の登記約2分

この節でよく出るのは

  • ★ 4回区分建物では、表題部所有者から所有権を取得した者も保存の登記…

所有権の保存の登記は誰でも申請できるわけではなく、申請できる人が法律に決まっています。

根拠: 不動産登記法 74条1項

過去問に出た

申請できるのは、表題部所有者やその相続人などの一般承継人、確定判決で所有権を確認された者、収用で所有権を取得した者です。

根拠: 不動産登記法 74条1項1号、不動産登記法 74条1項3号

判定の流れ所有権の保存の登記を申請できるか

表題部所有者か?はい保存の登記を申請できるいいえその相続人などの一般承継人か?はい保存の登記を申請できるいいえ確定判決で確認された者・収用で取得した者か?はい保存の登記を申請できるいいえ申請できない

敷地権付き区分建物では、敷地権の登記名義人の承諾が要る。

根拠: 不動産登記法 74条1項1号、不動産登記法 74条1項3号、不動産登記法 74条1項2号、不動産登記法 74条2項

事例

山本さんの親は表題部所有者でした。親が亡くなると、相続人である山本さんが所有権の保存の登記を申請できます。

根拠: 不動産登記法 74条1項1号

★ 過去問で4回

区分建物では、表題部所有者から所有権を取得した者も保存の登記を申請できます。敷地権付き区分建物では、敷地権の登記名義人の承諾が要ります。

根拠: 不動産登記法 74条2項

相続で法定相続分を超えて権利を承継した場合、登記などの対抗要件がなければ第三者に対抗できません。

根拠: 民法 899条の2第1項

事例

山本さんは兄とともに親の土地を相続し、遺産分割で山本さんが土地を全部取得しました。山本さんは登記をしなければ、法定相続分を超える部分を第三者に対抗できません。

根拠: 民法 899条の2第1項

覚えるコマ

覚える所有権の保存の登記を申請できるのは、だれか?根拠 74条
1 表題部所有者2 表題部所有者の相続人その他の一般承継人3 区分建物は、表題部所有者から所有権を取得した者4 収用によって所有権を取得した者

表題部所有者とその一般承継人など。区分建物は取得した者も申請できる。

間違えやすいところ:登記名義人でなければ、だれも申請できないと考えると間違える。収用で取得した者も申請できる

所有権の保存の登記を申請できるのは、だれか? 表題部所有者とその一般承継人など。区分建物は取得した者も申請できる。

要点

保存の登記は申請できる人が限られます。相続で相続分を超える部分は、登記がないと第三者に対抗できません。

根拠: 不動産登記法 74条1項、民法 899条の2第1項

ひっかけ

建物を新築しただけでは所有権の保存の登記を誰でも申請できる、ではありません。申請できる人が決まっています。

根拠: 不動産登記法 74条1項

登記識別情報と事前通知約2分

場面

山本さんは、売る家の登記識別情報を失くしてしまいました。「これでは登記ができませんか」と、山本さんは不安そうに聞きました。木村健一さんは「正当な理由があれば、登記官が山本さんに事前に通知を出す。山本さんが申し出れば、登記は進むよ」と答えました。登記が本人の申請かどうかを、別の形で確かめるのだと、佐藤さくらさんは知りました。

根拠: 不動産登記法 22条、不動産登記法 23条1項

登記識別情報は、登記名義人が自分で登記を申請していることを確認するための符号(登記官が通知する合言葉のようなもの)です。

根拠: 不動産登記法 22条

共同申請のときは、申請人は登記義務者の登記識別情報を提供します。

根拠: 不動産登記法 22条

事例

山本さんと田中さんが土地の売買の登記を申請します。田中さんは山本さんの登記識別情報を提供します。山本さんが本当に申請していることを確かめるためです。

根拠: 不動産登記法 22条

登記が完了すると、登記官は申請人に登記識別情報を通知します。希望しない旨の申出をしたときは通知されません。

根拠: 不動産登記法 21条

登記識別情報を提供できない正当な理由があるときは、登記官が登記義務者に事前に通知します。申出がなければ登記ができません。

根拠: 不動産登記法 23条1項

判定の流れ登記識別情報を提供できないとき

登記義務者の登記識別情報を提供できるか?はいそのまま登記できるいいえ事前通知に登記義務者が申し出たか?はい登記できるいいえ申出がない限り登記できない

正当な理由があるときは、登記官が登記義務者へ事前に通知する。

根拠: 不動産登記法 23条1項、不動産登記法 22条

事例

山本さんが登記識別情報を失くしました。登記官は山本さんに申請があった旨を通知します。山本さんが申し出なければ、登記はできません。

根拠: 不動産登記法 23条1項

覚えるコマ

覚える共同申請のとき、本人確認のためにどの情報を提供するか?根拠 22条
登記が完了したとき登記官が申請人に登記識別情報を通知する(21条)共同申請のとき申請人が登記義務者の登記識別情報を提供する(22条)提供できない正当な理由登記官が登記義務者に事前通知する(23条1項)

登記義務者の登記識別情報を提供する。提供できないときは事前通知。

間違えやすいところ:登記権利者の登記識別情報を提供すると考えると間違える

共同申請のとき、本人確認のためにどの情報を提供するか? 登記義務者の登記識別情報を提供する。提供できないときは事前通知。

要点

登記識別情報は本人確認のための符号です。提供できないときは、登記官が事前に通知します。

根拠: 不動産登記法 22条、不動産登記法 23条1項

ひっかけ

登記識別情報がなくても必ず登記できる、ではありません。事前通知への申出がなければ登記できません。

根拠: 不動産登記法 23条1項

相続登記と住所等変更登記の申請義務約2分

場面

山本和子さんは、親から相続した一戸建てを売りたいと考えています。ただ、登記の名義はまだ親のままです。木村健一さんは「相続した人は、相続を知った日から3年以内に、移転の登記を申請する決まりだよ。1人で申請できる」と説明しました。名義が古いままだと、持ち主が外から分からなくなるからだと、佐藤さくらさんは理解しました。

根拠: 不動産登記法 76条の2第1項、不動産登記法 63条2項、不動産登記法 118条1項、不動産登記法 98条2項

相続で所有権を取得した者は、相続の開始と取得を知った日から3年以内に移転の登記を申請しなければなりません。

根拠: 不動産登記法 76条の2第1項

事例

山本さんの親が亡くなり、山本さんは自分が相続したことを知りました。その日から3年以内に相続の登記を申請します。

根拠: 不動産登記法 76条の2第1項

法定相続分で登記した後に遺産分割があったときは、相続分を超えて取得した者が、分割の日から3年以内に申請します。

根拠: 不動産登記法 76条の2第2項

事例

山本さんと兄は法定相続分で登記していました。その後、遺産分割で山本さんが土地を全部取得しました。山本さんは分割の日から3年以内に移転の登記を申請します。

根拠: 不動産登記法 76条の2第2項

過去問に出た

相続人に対する遺贈で取得した者も、同じ申請義務を負います。

根拠: 不動産登記法 76条の2第1項

過去問に出た

所有権の登記名義人は、氏名や住所に変更があった日から2年以内に変更の登記を申請しなければなりません。

根拠: 不動産登記法 76条の5

事例過去問に出た

山本さんが引っ越して住所が変わりました。山本さんは変更の日から2年以内に住所の変更登記を申請します。

根拠: 不動産登記法 76条の5

この2年の義務は所有権の登記名義人に限られます。抵当権者には及びません。

根拠: 不動産登記法 76条の5

表題登記や相続登記を怠ると10万円以下の過料、住所等の変更登記を怠ると5万円以下の過料です。

根拠: 不動産登記法 164条1項、不動産登記法 164条2項

数字の比べ登記の申請期限のくらべ

表題登記怠ると10万円以下の過料1か月以内住所等の変更怠ると5万円以下の過料2年以内相続登記怠ると10万円以下の過料3年以内

相続登記の3年は、相続の開始と取得を知った日から数える。

根拠: 不動産登記法 47条1項、不動産登記法 76条の2第1項、不動産登記法 76条の5、不動産登記法 164条1項、不動産登記法 164条2項

登記官は一定の場合に職権で住所等の変更登記をします。自然人の場合は、申出があるときに限られます。

根拠: 不動産登記法 76条の5

覚えるコマ

覚える相続登記と住所等の変更登記は、いつまでに申請するか?根拠 76条の2・76条の5
相続による移転・開始と取得を知った日から3年以内(76条の2第1項)・怠ると10万円以下の過料住所等の変更・変更があった日から2年以内(76条の5)・怠ると5万円以下の過料遺産分割で相続分を超えて取得した者は、分割の日から3年以内に申請する。

相続登記は3年以内、住所等の変更登記は2年以内。

間違えやすいところ:住所等の変更登記の義務は、所有権の登記名義人だけ。抵当権者には及ばない(運用)

相続登記と住所等の変更登記は、いつまでに申請するか? 相続登記は3年以内、住所等の変更登記は2年以内。

要点

相続登記は3年以内、住所等の変更登記は2年以内です。過料は表題・相続が10万円以下、住所等が5万円以下です。

根拠: 不動産登記法 76条の2第1項、不動産登記法 76条の5、不動産登記法 164条1項、不動産登記法 164条2項

ひっかけ

住所等の変更登記の義務は、抵当権者にも及びます、ではありません。所有権の登記名義人に限られます。

根拠: 不動産登記法 76条の5

仮登記と、証明書の請求約2分

まだ本登記を申請できないときに、順位を確保しておくための登記が仮登記です。

根拠: 不動産登記法 105条

権利の設定・移転・変更・消滅に関する請求権を保全しようとするときに、仮登記ができます。

根拠: 不動産登記法 105条2号

事例

山本さんは田中さんに土地を売る約束をしましたが、まだ条件が整っていません。田中さんは請求権を保全するため、仮登記をしておけます。

根拠: 不動産登記法 105条2号

過去問に出た

仮登記の抹消は、仮登記の登記名義人が単独で申請できます。

根拠: 不動産登記法 110条

仮登記に基づいて本登記をしたときは、本登記の順位は仮登記の順位によります。

根拠: 不動産登記法 106条

事例

田中さんの仮登記が先にあり、後に山本さんが小林さんへ所有権を移転登記しました。田中さんが本登記をすると、順位は仮登記の時点にさかのぼります。

根拠: 不動産登記法 106条

何人も、手数料を納付して登記事項証明書の交付を請求できます。請求先は管轄外の登記所の登記官でもよく、送付の方法で受け取る場合でもオンラインで請求できます。

根拠: 不動産登記法 119条1項、不動産登記法 119条5項、不動産登記規則 194条3項

過去問に出た

登記簿の附属書類の閲覧は、正当な理由があるときに限り請求できます。

根拠: 不動産登記法 121条3項

申請の権限を有しない者の申請は、補正できないときは却下されます。

根拠: 不動産登記法 25条、不動産登記法 25条4号

事例

田中さんが登記の申請権限なく山本さん名義の登記を申請しました。この不備が補正できなければ、登記官は申請を却下します。

根拠: 不動産登記法 25条4号

覚えるコマ

覚える仮登記をすると、本登記の順位はどうなるか?根拠 105条2号・106条
請求権を保全するとき権利の設定等に関する請求権を保全するため、仮登記ができる(105条2号)本登記の申請所有権の仮登記は、利害関係第三者の承諾があれば申請できる(109条1項)本登記の順位仮登記の順位による(106条)

請求権を保全する登記。本登記の順位は、仮登記の順位による。

間違えやすいところ:仮登記の抹消は、登記権利者との共同ではなく、仮登記の登記名義人が単独で申請できる

仮登記をすると、本登記の順位はどうなるか? 請求権を保全する登記。本登記の順位は、仮登記の順位による。

要点過去問に出た

仮登記は順位を確保する仕組みです。証明書の請求は誰でもできますが、附属書類の閲覧は正当な理由が必要です。

根拠: 不動産登記法 110条、不動産登記法 119条1項、不動産登記法 121条3項

ひっかけ

登記簿の附属書類は誰でも自由に閲覧できる、ではありません。正当な理由があるときに限られます。

根拠: 不動産登記法 121条3項

本試験ではこう出ます

本試験では「AからBへの売買による所有権の移転の登記」のように出ます。登記権利者と登記義務者はだれか、単独で申請できる場合かを読み取ります。

根拠: 不動産登記法 60条、不動産登記法 63条1項

まとめ

  • 登記には表示に関する登記と権利に関する登記があり、権利の順位は登記の前後で決まります。
  • 表題登記や滅失・地目変更の登記は、1か月以内に申請します。
  • 合筆できない土地が決まっており、分筆などは登記官が職権ですることもあります。
  • 権利の登記は共同申請が原則で、権利の登記の申請自体は原則として義務ではありません。
  • 確定判決・相続・相続人に対する遺贈・氏名住所の変更は、単独で申請できます。
  • 所有権の保存の登記は申請できる人が限られ、相続分を超える部分は登記がないと第三者に対抗できません。
  • 共同申請では登記識別情報を提供します。提供できないときは登記官が事前に通知します。
  • 相続登記は3年以内、住所等の変更登記は2年以内です。過料は10万円以下と5万円以下です。
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