税・その他

印紙税・登録免許税・譲渡所得・住宅ローン控除

税・その他読む目安 約14分図 4場面つき

この単元で分かること

  • 契約書や登記にかかる税金のしくみと税率を学びます。
  • 土地や家屋を売ったときの所得の計算のしかたを学びます。
  • 居住用財産の特例と住宅ローン控除の数字を覚えます。

この単元のはじまりの場面

場面

田中大輔さん・美咲さん夫婦が、家の売買契約書に署名する日が来ました。契約書を見た大輔さんは「この印紙は、だれが貼るのですか」と聞きました。木村健一さんは「印紙税は契約書という紙にかかる税で、納めるのは作成者だ。売主と買主が共同で作った1通なら、連帯して納める」と答えました。契約書のあとは登記、売れば譲渡所得の税、ローンがあれば控除と続くと聞いて、佐藤さくらさんは4つの税を一覧に整理しました。

この単元で学ぶ4つの税金約1分

不動産の取引と保有には、4つの国税(国に納める税)が関係します。

根拠: 印紙税法 3条1項

1つめは印紙税で、契約書という紙そのものにかかる税です。

根拠: 印紙税法 3条1項、印紙税法 7条

2つめは登録免許税で、登記をするときにかかる税です。

根拠: 登録免許税法 3条1項

3つめは譲渡所得(土地や家屋を売って出たもうけ)の所得税で、売って利益が出たときにかかります。

根拠: 所得税法 33条1項

4つめは住宅ローン控除で、住宅を買って借金があるときに所得税が減ります。

根拠: 租税特別措置法 41条2項

事例

山本さんが土地を3,000万円で売りました。契約書に印紙を貼り、買主の登記には登録免許税がかかり、山本さんには譲渡所得の所得税がかかります。

根拠: 印紙税法 3条1項、登録免許税法 3条1項、所得税法 33条1項

要点

契約書は印紙税、登記は登録免許税、売って利益が出たら譲渡所得です。

根拠: 印紙税法 3条1項、登録免許税法 3条1項、所得税法 33条1項

ひっかけ

印紙税は買主だけが納める、は誤りです。納めるのは契約書の作成者です。

根拠: 印紙税法 3条1項

印紙税はだれがいつ納めるか約1分

表
項目決まり
納める人課税文書を作成した人(受け取った人ではない)
1通を2人以上で共同して作成連帯して納める
同じ内容の契約書を何通か作成1通ごとに別の課税文書になる
国や地方公共団体が作成した文書印紙税を課さない
税額文書の種類ごとに金額が定められている
印紙を貼る時期課税文書を作成の時までに貼る(後からでは遅い)
貼った印紙文書と印紙の模様にかけて、はっきりと消す

根拠: 印紙税法 3条1項、印紙税法 3条2項、印紙税法 別表第一第1号、印紙税法 5条2号、印紙税法 7条、印紙税法 8条1項、印紙税法 8条2項

事例

山本さんと田中さんが共同で1通の売買契約書を作りました。この印紙税は、山本さんと田中さんが連帯して納めます。

根拠: 印紙税法 3条2項

覚えるコマ

覚える印紙税は、だれが・いつまでに・どう納めるか?根拠 3条1項
① 課税文書を作成する納めるのは作成者(共同作成なら連帯)② 作成の時までに、印紙を貼る相当印紙をはり付けて納付する③ 判明に消印をする課税文書と印紙の彩紋とにかける

作成者が納め、作成の時までに印紙を貼り、判明に消印する。

間違えやすいところ:2人以上で共同して作成したときは、連帯して納める。国・地方公共団体の作成文書は課税しない

印紙税は、だれが・いつまでに・どう納めるか? 作成者が納め、作成の時までに印紙を貼り、判明に消印する。

要点

作成者が納め、共同作成なら連帯。貼るのは作成の時まで、そして消印します。

根拠: 印紙税法 3条1項、印紙税法 3条2項、印紙税法 8条1項、印紙税法 8条2項

ひっかけ

印紙を貼れば消さなくてよい、は誤りです。消さないと過怠税をとられます。

根拠: 印紙税法 8条2項、印紙税法 20条3項

印紙税の税額と過怠税約2分

不動産の譲渡に関する契約書には、契約金額に応じた印紙税がかかります。

根拠: 印紙税法 別表第一第1号

契約金額が1,000万円を超え5,000万円以下なら、1通につき2万円です。ただし、令和9年3月31日までに作る契約書は、軽減措置で1万円です。

根拠: 印紙税法 別表第一第1号、租税特別措置法 91条1項、租税特別措置法 91条1項5号

5,000万円を超え1億円以下なら、1通につき6万円です。ただし、令和9年3月31日までに作る契約書は、軽減措置で3万円です。

根拠: 印紙税法 別表第一第1号、租税特別措置法 91条1項、租税特別措置法 91条1項6号

契約金額の記載がない契約書は、1通につき200円です。

根拠: 印紙税法 別表第一第1号

過去問に出た

契約書かどうかは、名称では決まりません。覚書でも、契約の変更・補充・予約を証する文書は契約書にあたります。

根拠: 印紙税法 別表第一 通則5

表
文書の書き方記載金額
1通に譲渡と請負が書かれ、金額を分けられるとき請負の金額が大きいときだけ請負の契約書になる。記載金額は請負の金額だけ(譲渡と請負の合計額ではない)
同じ号の金額が2つ以上あるとき合計額が記載金額(土地と建物の譲渡を分けて書いた契約書)
変更契約書で金額が増えるとき増えた額が記載金額(減るなら記載金額なし)
消費税額等が区分記載されているときその金額は記載金額に含めない。使えるのは、不動産の譲渡等の契約書、請負の契約書、金銭の受取書の3つに限る
贈与契約書に書いた土地の時価契約金額ではないので、記載金額にならない
交換契約書に双方の価額が書かれているときいずれか高いほうの金額が記載金額(等価交換なら、どちらか一方の金額)

根拠: 印紙税法 別表第一 通則3ロ、印紙税法 別表第一 通則4ロ(一)、印紙税法 別表第一 通則4イ、印紙税法 別表第一 通則4ニ、印紙税の契約金額に関する国税庁の公表資料(質疑応答事例・タックスアンサー) タックスアンサーNo.7124、印紙税法 別表第一 通則4、印紙税の契約金額に関する国税庁の公表資料(質疑応答事例・タックスアンサー) 契約金額の意義

納めなかったときは、納めなかった税額とその2倍を足した額をとられます。

根拠: 印紙税法 20条1項

調査を予知して自ら申し出たものでなければ、税額とその10%を足した額ですみます。

根拠: 印紙税法 20条2項

数字の比べ不動産の契約書の印紙税(本則、1通につき)

〜5,000万円1,000万円を超えるもの2万円〜1億円5,000万円を超えるもの6万円200円 契約金額の記載がないもの記載なし

納め忘れると、税額とその2倍との合計額をとられる。調査を予知しない自主申出なら、税額とその10%。令和9年3月31日までに作る契約書は、軽減措置で1万円・3万円。

根拠: 印紙税法 別表第一第1号、租税特別措置法 91条1項、租税特別措置法 91条1項5号、租税特別措置法 91条1項6号、印紙税法 20条1項、印紙税法 20条2項

事例

田中さんは契約金額3,000万円の不動産の売買契約書を作りました。貼る印紙は、本則で2万円分です。

根拠: 印紙税法 別表第一第1号、租税特別措置法 91条1項、租税特別措置法 91条1項5号、租税特別措置法 91条1項6号

覚えるコマ

覚える印紙税を納めなかったり、消印しなかったりしたら、どうなるか?根拠 20条1項〜5項
納付しなかった税額とその2倍との合計額調査を予知しない申出税額とその10%との合計額消印をしなかった額面金額相当過怠税の合計額が千円に満たないときは、千円とする(自主的な申出のみの場合を除く。20条4項・5項)。

納付しなければ税額とその2倍の合計額、消印しなければ額面金額相当。

間違えやすいところ:調査を予知したものでなく自分で申し出れば、税額とその10%との合計額。千円に満たないとき千円とする規定は、この申出のみの場合には適用されない

印紙税を納めなかったり、消印しなかったりしたら、どうなるか? 納付しなければ税額とその2倍の合計額、消印しなければ額面金額相当。

覚える不動産の譲渡に関する契約書の印紙税は、金額でいくら違うか?根拠 7条・別表第一
1,000万円超5,000万円以下1通につき2万円5,000万円超1億円以下1通につき6万円金額の記載がない1通につき200円印紙税は、記載金額に応じて課される。

1,000万円超5,000万円以下は2万円、5,000万円超1億円以下は6万円。

間違えやすいところ:契約金額の記載がない契約書は、1通につき200円

不動産の譲渡に関する契約書の印紙税は、金額でいくら違うか? 1,000万円超5,000万円以下は2万円、5,000万円超1億円以下は6万円。

要点

3,000万円の契約書は本則で2万円(軽減措置では1万円)。納め忘れると税額の3倍をとられます。

根拠: 印紙税法 別表第一第1号、租税特別措置法 91条1項5号、印紙税法 20条1項

ひっかけ過去問に出た

納め忘れは税額の2倍、は誤りです。税額とその2倍との合計額、つまり3倍です。

根拠: 印紙税法 20条1項

登録免許税の税率と軽減約3分

登録免許税は、登記や登録を受ける人が納めます。

根拠: 登録免許税法 3条1項

登記を受ける人が2人以上いるときは、連帯して納める義務を負います。

根拠: 登録免許税法 3条1項

場面

美咲さんが「登記の税金は、売買代金にかかるのですか」と聞きました。木村さんは「課税標準は、登記の時の不動産の価額で、売買代金ではない。納めるのは登記を受ける人だ」と教えました。田中さん夫婦が登記を受ける側なので、納めるのは夫婦です。

根拠: 登録免許税法 3条1項、登録免許税法 10条1項

課税標準となる不動産の価額は、登記の時における価額です。売買代金ではありません。

根拠: 登録免許税法 10条1項

本則の税率は、所有権の保存が1,000分の4です。

根拠: 登録免許税法 別表第一第一号

売買などのその他の原因による移転は1,000分の20です。

根拠: 登録免許税法 別表第一第一号

抵当権の設定は、債権金額などの1,000分の4です。

根拠: 登録免許税法 別表第一第一号

土地の売買による移転は、令和11年3月31日まで1,000分の15に軽減されています。

根拠: 租税特別措置法 72条1項1号、租税特別措置法 72条1項

過去問に出た

この軽減は、個人にも法人にも使えます。土地の地目、面積、価額による制限はありません。

根拠: 租税特別措置法 72条第1項第1号

過去問に出た

住宅用家屋は別です。個人が取得して自分で住み、取得後1年以内に登記を受けると、移転登記の税率は1,000分の3です。

根拠: 租税特別措置法 73条

この軽減を受ける住宅用家屋は、床面積が50平方メートル以上のものです。中古の住宅用家屋でも同じです。

根拠: 租税特別措置法施行令 41条第1号、租税特別措置法施行令 42条第1項第1号

事例

田中さんが価額3,000万円の土地を売買で取得しました。登記の税率は1,000分の15なので、3,000万円×15÷1000=45万円です。

根拠: 租税特別措置法 72条1項1号

過去問に出た

この軽減は、取得の原因が売買などの政令で定める原因の場合に限られます。

根拠: 租税特別措置法 73条

過去問に出た

その原因は、売買または競落です。贈与や相続による取得は対象外です。

根拠: 租税特別措置法施行令 42条第3項

覚えるコマ

覚える登録免許税の税率は、登記の種類でどう違うか?根拠 9条・別表第一
保存1,000分の4その他の原因による移転1,000分の20抵当権設定1,000分の4土地の売買による移転令和11年3月31日まで1,000分の15に軽減

保存と抵当権設定は1,000分の4、移転は1,000分の20、土地の売買は15に軽減。

間違えやすいところ:軽減の1,000分の15は、土地の売買による移転。令和11年3月31日まで

登録免許税の税率は、登記の種類でどう違うか? 保存と抵当権設定は1,000分の4、移転は1,000分の20、土地の売買は15に軽減。

要点

保存4、移転20、抵当権4。土地の売買による移転は15に軽減されます(住宅用家屋などには、別の軽減もあります)。

根拠: 登録免許税法 別表第一第一号、租税特別措置法 72条1項1号

左右の比較移転の登記の税率(本則と軽減)

本則の税率移転の登記土地の売買軽減あり税率1,000分の201,000分の15期限期限なし令和11年3月31日まで対象売買などの移転土地の売買による移転

保存と抵当権の設定は、どちらも1,000分の4。土地の売買による移転は、軽減されて1,000分の15。

根拠: 登録免許税法 別表第一第一号、租税特別措置法 72条1項1号、租税特別措置法 72条1項

ひっかけ

課税標準は売買代金、は誤りです。登記の時における不動産の価額です。

根拠: 登録免許税法 10条1項

譲渡所得の金額の計算約2分

譲渡所得とは、資産の譲渡による所得です。

根拠: 所得税法 33条1項

たな卸資産の譲渡など、営利を目的として続けて行う譲渡による所得は含まれません。

根拠: 所得税法 33条2項1号

山林を伐って売ったときの所得も、譲渡所得には含まれません。

根拠: 所得税法 33条2項2号

建物の全部の所有を目的とする借地権を設定して受け取る権利金が、その土地の価額の2分の1を超えるときは、譲渡所得になります。

根拠: 所得税法施行令 79条第1項第1号、所得税法施行令 79条第1項

譲渡所得の金額は、総収入金額から取得費と譲渡費用の合計額を引いた額です。土地・建物の譲渡では、50万円の特別控除は使いません。

根拠: 所得税法 33条3項、租税特別措置法 31条1項

取得費は、買ったときの金額と、設備費・改良費の合計額です。

根拠: 所得税法 38条1項

家屋のように時間とともに価値が減る資産は、減った分を取得費から引きます。

根拠: 所得税法 38条2項

事例

山本さんは5,000万円で売り、取得費3,000万円、譲渡費用200万円でした。5,000万円−3,000万円−200万円=1,800万円が譲渡所得です。

根拠: 所得税法 33条3項、所得税法 38条1項

数字の比べ譲渡所得の計算(例)

総収入金額5,000万円取得費引く3,000万円譲渡費用引く200万円譲渡所得1,800万円

取得費だけでなく、譲渡に要した費用も引く。5,000−3,000−200=1,800(万円)。

根拠: 所得税法 33条3項、租税特別措置法 31条1項、所得税法 38条1項

覚えるコマ

覚える譲渡所得の金額は、どう計算するか?根拠 33条3項
① 総収入金額② ここから引く取得費と譲渡費用の合計額③ 残りが、譲渡所得の金額取得費は取得に要した金額と設備費・改良費

総収入金額から、取得費と譲渡費用の両方を引く。

間違えやすいところ:取得費だけを引くと間違える。減価する資産は、取得費から減価の額を控除する

譲渡所得の金額は、どう計算するか? 総収入金額から、取得費と譲渡費用の両方を引く。

要点

総収入金額から、取得費と譲渡費用の両方を引きます。

根拠: 所得税法 33条3項、所得税法 38条1項

ひっかけ

取得費だけを引く、は誤りです。譲渡に要した費用も引きます。

根拠: 所得税法 33条3項

長期譲渡所得と居住用財産の特例約2分

譲渡益の税率は、所有していた期間の長さで変わります。

根拠: 租税特別措置法 31条2項

売った年の1月1日で所有期間が5年を超えると長期譲渡所得で、税率は100分の15です。

根拠: 租税特別措置法 31条1項

5年以下なら短期譲渡所得で、税率は100分の30です。

根拠: 租税特別措置法 32条1項

所有期間は、取得した日の翌日から数えます。

根拠: 租税特別措置法 31条2項

自分の住まいを売ったときは、譲渡所得から最高3,000万円を引けます。

根拠: 租税特別措置法 35条1項、租税特別措置法 35条1項2号

10年を超えて持っていた住まいなら、6,000万円以下の部分の税率が100分の10になります。この軽い税率を軽減税率といいます。

根拠: 租税特別措置法 31条の3第1項、租税特別措置法 31条の3第1項1号

6,000万円を超える部分は、超えた額の15%に600万円を足した額の税になります。

根拠: 租税特別措置法 31条の3第1項2号

過去問に出た

配偶者や子・孫などの直系血族に売ると、3,000万円控除は使えません。生計を別にしていても同じです。

根拠: 租税特別措置法施行令 23条第2項、租税特別措置法施行令 20条の3第1項第1号

事例

山本さんは12年住んだ家を売りました。譲渡所得から3,000万円を引き、残りが6,000万円以下なら税率は100分の10です。

根拠: 租税特別措置法 35条1項2号、租税特別措置法 31条の3第1項1号

過去問に出た

収用等の5,000万円控除を受けた場合でも、10年超所有の軽減税率は使えます。収用の代替資産の特例を受けるものには使えません。

根拠: 租税特別措置法 31条の3第1項

判定の流れ譲渡所得の税率

売った年の1月1日で5年を超えるか?はい10年を超えて持っていた住まいか?はい6,000万円以下は100分の10いいえ長期:税率は100分の15いいえ短期:税率は100分の30

自分の住まいを売ったときは、長期でも短期でも、譲渡所得から最高3,000万円を引ける。

根拠: 租税特別措置法 31条1項、租税特別措置法 32条1項、租税特別措置法 35条1項、租税特別措置法 35条1項2号、租税特別措置法 31条の3第1項、租税特別措置法 31条の3第1項1号

覚えるコマ

覚える譲渡所得の長期と短期は、何年で分かれ、税率はいくらか?根拠 31条1項・32条1項
長期譲渡所得その年1月1日で所有期間5年超 → 100分の15短期譲渡所得その年1月1日で所有期間5年以下 → 100分の30所有期間は、取得をした日の翌日から引き続き所有していた期間。

1月1日で所有5年超は長期で15%、5年以下は短期で30%。

間違えやすいところ:判定はその年の1月1日。所有期間は、取得した日の翌日から数える

譲渡所得の長期と短期は、何年で分かれ、税率はいくらか? 1月1日で所有5年超は長期で15%、5年以下は短期で30%。

覚える居住用財産を売ったときの特例は、どうなっているか?根拠 35条1項・31条の3第1項
居住用財産を譲渡・譲渡所得から、最高3,000万円を控除できる10年超所有の居住用財産・課税長期譲渡所得6,000万円以下の部分は10%・6,000万円を超える部分は、超過額の15%に600万円を加えた額

譲渡所得から最高3,000万円を控除。10年超所有なら6,000万円以下が10%。

間違えやすいところ:6,000万円を超える部分は、超過額の15%に600万円を加えた額

居住用財産を売ったときの特例は、どうなっているか? 譲渡所得から最高3,000万円を控除。10年超所有なら6,000万円以下が10%。

要点

5年で長期・短期が分かれ、住まいは3,000万円控除、10年超は6,000万円以下が100分の10です。

根拠: 租税特別措置法 31条1項、租税特別措置法 35条1項2号、租税特別措置法 31条の3第1項1号

ひっかけ

3,000万円控除は短期譲渡所得には使えない、は誤りです。長期でも短期でも引けます。

根拠: 租税特別措置法 35条1項2号

住宅ローン控除約3分

住宅を買って借金があるときは、所得税から一定額が引かれます。

根拠: 租税特別措置法 41条1項

場面

大輔さんは「住宅ローンがあると、所得税が減ると聞きました」と言いました。木村さんは「令和4年から令和12年までに住み始めた場合は、年末の借金の残高に0.7%をかけた額が、所得税から引かれる。原則として、住み始めた年から10年間だ」と説明しました。田中さん夫婦は、年末の残高を毎年確かめることにしました。

根拠: 租税特別措置法 41条2項、租税特別措置法 41条4項2号、租税特別措置法 41条1項

引かれる額は、年末の借金の残高に控除率をかけた額です。

根拠: 租税特別措置法 41条2項

借金の残高が限度額を超えるときは、限度額までで計算します。

根拠: 租税特別措置法 41条2項

計算した額に100円未満のはしたが出たら、切り捨てます。

根拠: 租税特別措置法 41条2項

控除率は、令和4年から令和12年までに住み始めた場合で100分の0.7です。

根拠: 租税特別措置法 41条4項2号

この控除は、原則として住み始めた年から10年間使えます。

根拠: 租税特別措置法 41条1項

過去問に出た

居住した年の前年や前々年に、3,000万円控除や軽減税率などの特例を受けていると、この控除は使えません。

根拠: 租税特別措置法 41条第21項

使えなくなる特例は、条文に並んだものだけです。譲渡損失の損益通算の特例は、並んでいません。

根拠: 租税特別措置法 41条第21項

その年の所得が2,000万円を超える年には、この控除は使えません。

根拠: 租税特別措置法 41条1項

親や祖父母などの直系尊属から、住宅の新築や取得のための資金をもらったときは、一定額まで贈与税がかかりません。贈与税は、贈与でもらった人にかかる税です。対象は資金で、家屋そのものの贈与は含みません。

根拠: 租税特別措置法 70条の2第1項、租税特別措置法 70条の2第2項5号

この非課税(税金がかからないこと)を受けられるのは、もらった年の合計所得金額が2,000万円以下の人です。床面積が小さい住宅では、1,000万円以下になります。

根拠: 租税特別措置法 70条の2第2項1号

事例

大輔さんは年末残高3,000万円になりました。3,000万円×0.7%=21万円が所得税から引かれます。

根拠: 租税特別措置法 41条2項、租税特別措置法 41条4項2号

覚えるコマ

覚える住宅ローン控除は、どう計算し、いつまで続くか?根拠 41条4項2号
計算年末残高(借入限度額内)×控除率控除率居住年が令和4年から令和12年まで0.7%端数百円未満は切捨て期間原則10年間

年末残高×控除率0.7%で、百円未満は切捨て。適用は原則10年間。

間違えやすいところ:控除率0.7%は、居住年が令和4年から令和12年までの場合

住宅ローン控除は、どう計算し、いつまで続くか? 年末残高×控除率0.7%で、百円未満は切捨て。適用は原則10年間。

要点

年末残高×0.7%、100円未満切捨て、原則10年間。所得2,000万円以下が前提です。

根拠: 租税特別措置法 41条2項、租税特別措置法 41条4項2号、租税特別措置法 41条1項

ひっかけ

控除率は1%、は誤りです。令和4年以降に住み始めた場合は0.7%です。

根拠: 租税特別措置法 41条4項2号

この単元の数字約1分

表
項目数字
印紙税(不動産の譲渡に関する契約書)1,000万円超5,000万円以下1通につき2万円
印紙税(同じ)5,000万円超1億円以下1通につき6万円
印紙税(同じ)記載金額のないもの1通につき200円
軽減措置の印紙税(令和9年3月末まで)1,000万円超は1万円、5,000万円超は3万円
過怠税税額とその2倍との合計額(自主申出は税額とその10%)
登録免許税の本則保存1,000分の4、その他の移転1,000分の20、抵当権設定1,000分の4
登録免許税の軽減(土地の売買による移転)1,000分の15(令和11年3月31日まで)
譲渡所得の税率長期100分の15、短期100分の30
居住用財産の特別控除最高3,000万円
10年超所有の居住用財産6,000万円以下は100分の10、超える部分は15%+600万円
住宅ローン控除年末残高(限度額内)×0.7%、100円未満切捨て

根拠: 印紙税法 別表第一第1号、印紙税法 20条1項、印紙税法 20条2項、登録免許税法 別表第一第一号、租税特別措置法 72条1項1号、租税特別措置法 31条1項、租税特別措置法 32条1項、租税特別措置法 35条1項2号、租税特別措置法 31条の3第1項1号、租税特別措置法 31条の3第1項2号、租税特別措置法 41条2項、租税特別措置法 41条4項2号

事例

佐藤さんは数字だけを覚えることにしました。契約書は2万円と6万円、移転の登記は20と15、譲渡は15%と30%です。

根拠: 印紙税法 別表第一第1号、租税特別措置法 31条1項

ひっかけ

登録免許税の軽減後の税率は1,000分の20、は誤りです。軽減後は1,000分の15です。

根拠: 租税特別措置法 72条1項1号

要点

数字は、本則か軽減か、長期か短期かをセットで覚えます。

根拠: 租税特別措置法 31条1項、租税特別措置法 32条1項

本試験ではこう出ます

本試験では「Aが土地を売買で取得し、所有権移転の登記を受けた」のように出ます。軽減後の税率は1,000分の15で、課税標準は登記の時の価額です。

根拠: 租税特別措置法 72条1項1号、租税特別措置法 72条1項、登録免許税法 10条1項

まとめ

  • 印紙税は課税文書の作成者が納め、共同作成なら連帯する。
  • 不動産の売買契約書は、契約金額に応じて2万円・6万円などになる。
  • 登録免許税は登記を受ける人が納め、課税標準は登記の時の価額。
  • 土地の売買による移転の税率は、令和11年3月31日まで1,000分の15。
  • 譲渡所得は、総収入金額から取得費と譲渡費用を引いて計算する。
  • 長期は100分の15、短期は100分の30。住まいは3,000万円控除。
  • 住宅ローン控除は、年末残高×0.7%を原則10年間引く。
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