税・その他

地価公示法・不動産鑑定評価

税・その他読む目安 約14分図 4場面つき

この単元で分かること

  • 地価公示の手続と、正常な価格の中身を学びます。
  • 公示価格を規準とする義務が、どこまで及ぶのかを確かめます。
  • 鑑定評価で求める価格の種類と、三手法の使い分けを覚えます。

この単元のはじまりの場面

場面

石井正さんは、空き地をいくらで売ればよいか迷っています。木村健一さんは「近くの標準地の公示価格が目安になる」と教えました。公示価格は、建物や権利がないものとして求めた正常な価格を、毎年1回公示するものです。石井さんが「その値段で売らなければいけませんか」と聞くと、木村さんは「指標にする努力義務があるだけだ」と答えました。佐藤さくらさんは「目安であって、その価格で取引する義務ではない」と書き留めました。

地価公示とは約1分

この節でよく出るのは

  • ★ 2回公示されるのは、公示区域の中の標準地(価格を公表する基準にな…

地価公示は、土地の正常な価格を国が調べて、毎年公表する制度です。取引の目安を作るのが目的です。

根拠: 地価公示法 2条1項

発表するのは、国土交通省に置かれた土地鑑定委員会です。

根拠: 地価公示法 12条1項

★ 過去問で2回

公示されるのは、公示区域の中の標準地(価格を公表する基準になる土地)の価格です。公示区域は、都市計画区域などの土地取引が相当程度見込まれる区域です。

根拠: 地価公示法 2条1項

事例

石井さんは、公示区域内の土地を売ろうとしています。石井さんは、近くの標準地の公示価格を調べて、売買価格の目安にできます。

根拠: 地価公示法 6条、地価公示法 1条の2

要点

地価公示は、標準地の価格を毎年公表する制度です。すべての土地の価格を出すものではありません。

根拠: 地価公示法 2条1項

ひっかけ

地価公示は、すべての土地の価格を公表する、は誤りです。標準地の価格を公表します。

根拠: 地価公示法 2条1項

正常な価格と標準地約2分

正常な価格とは、自由な取引が行われるとした場合に、通常成立すると認められる価格です。

根拠: 地価公示法 2条2項

過去問に出た

農地や採草放牧地、森林の取引は、正常な価格から除かれます。ただし、農地等以外のものにするための取引は除かれません。

根拠: 地価公示法 2条2項

土地に建物などの定着物があるときは、定着物が存在しないものとして価格を求めます。地上権などの使用収益を制限する権利も、存在しないものとします。

根拠: 地価公示法 2条2項

地上権などの権利が付いた土地でも、標準地に選べます。権利がないものとして、価格を判定するからです。

根拠: 地価公示法 2条2項

標準地は、自然的・社会的条件からみて類似の利用価値がある地域で選びます。その地域で、利用状況や環境が通常と認められる一団の土地です。

根拠: 地価公示法 3条

事例

木村さんは、公示価格を調べています。対象の土地にはアパートが建っています。公示価格は、そのアパートがないものとして求められた価格です。

根拠: 地価公示法 2条2項

覚えるコマ

覚える地価公示の「正常な価格」は、定着物や権利をどう扱うか?根拠 2条2項
① 標準地を選ぶ類似の利用価値の地域にある通常の一団の土地② 定着物・権利がないものとして求める建物などの定着物も、地上権など使用収益を制限する権利も存しないものとする③ 正常な価格自由な取引で通常成立すると認められる価格

建物などの定着物も、使用収益を制限する権利も、存しないものとして求める。

間違えやすいところ:建物が建っている土地は、建物込みの価格で求めると考えてしまう

地価公示の「正常な価格」は、定着物や権利をどう扱うか? 建物などの定着物も、使用収益を制限する権利も、存しないものとして求める。

要点過去問に出た

正常な価格は、定着物や権利がないものとして求めます。標準地は、通常と認められる一団の土地です。

根拠: 地価公示法 2条2項、地価公示法 3条

ひっかけ

建物がある土地では、建物込みの価格が公示される、は誤りです。建物がないものとして求めます。

根拠: 地価公示法 2条2項

鑑定評価と公示の手続約2分

この節でよく出るのは

  • ★ 2回判定と公示は毎年1回で、一定の基準日における単位面積当たりの…
  • ★ 2回鑑定評価では、近傍類地の取引価格から算定される推定価格と、地…
過去問に出た

標準地の価格は、2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価(不動産の価値を判定すること)をもとに判定します。委員会が審査し、必要な調整をします。

根拠: 地価公示法 2条1項

★ 過去問で2回

判定と公示は毎年1回で、一定の基準日における単位面積当たりの価格を公示します。

根拠: 地価公示法 2条1項

★ 過去問で2回

鑑定評価では、近傍類地の取引価格から算定される推定価格と、地代等から算定される推定価格を勘案します。同等の効用を有する土地の造成に要する費用も勘案します。

根拠: 地価公示法 4条

過去問に出た

鑑定評価をした鑑定士は、鑑定評価書を委員会に提出します。

根拠: 地価公示法 5条

過去問に出た

鑑定評価を行った不動産鑑定士は、鑑定評価書を委員会に提出します。評価額が前年と同じでも、提出を省くことはできません。

根拠: 地価公示法 5条

過去問に出た

公示する事項は、標準地の所在、単位面積当たりの価格と基準日、地積と形状、利用の現況などです。判定したら、すみやかに官報で公示します。

根拠: 地価公示法 6条、地価公示法 6条2号

過去問に出た

公示事項に、標準地の価格の総額は入っていません。公示されるのは、単位面積当たりの価格です。

根拠: 地価公示法 6条2号

時系列標準地の価格が公示されるまで

基準日一定の基準日の価格を求める鑑定評価2人以上の不動産鑑定士が行う判定土地鑑定委員会が審査して判定公示すみやかに官報で公示する

判定と公示は毎年1回。鑑定評価は、1人ではなく2人以上の不動産鑑定士が行う。

根拠: 地価公示法 2条1項、地価公示法 6条、地価公示法 6条2号

事例過去問に出た

木村さんは、公示価格の根拠を調べています。2人の不動産鑑定士が評価し、委員会が審査して判定した価格です。

根拠: 地価公示法 2条1項

覚えるコマ

覚える標準地の価格は、だれが・どのように判定し、公示するか?根拠 2条1項
① 二人以上の不動産鑑定士に鑑定評価を求める鑑定士は鑑定評価書を委員会に提出する② 委員会が審査・調整して、価格を判定毎年一回、一定の基準日における価格③ すみやかに官報で公示する所在、単価と基準日、地積・形状、利用の現況

二人以上の不動産鑑定士に評価を求め、毎年一回、官報で公示する。

間違えやすいところ:判定して公示するのは、土地鑑定委員会(鑑定士が公示するのではない)

標準地の価格は、だれが・どのように判定し、公示するか? 二人以上の不動産鑑定士に評価を求め、毎年一回、官報で公示する。

要点過去問に出た

鑑定評価は2人以上、判定と公示は毎年1回、公示は官報です。

根拠: 地価公示法 2条1項、地価公示法 6条

ひっかけ過去問に出た

標準地の鑑定評価は、1人の不動産鑑定士でよい、は誤りです。2人以上です。

根拠: 地価公示法 2条1項

公示価格を規準とする義務と、取引の責務約1分

この節でよく出るのは

  • ★ 2回土地の取引をする者は、類似する標準地の公示価格を指標として取…
過去問に出た

公示区域内の土地について、正常な価格を求めるときは、不動産鑑定士は公示価格を規準としなければなりません。

根拠: 地価公示法 8条

公共事業のために土地を取得する者も、取得価格を定めるときは、公示価格を規準とします。

根拠: 地価公示法 9条

過去問に出た

規準とするとは、対象土地と、類似する利用価値がある標準地とを比較して、両者の価格の間に均衡を保たせることです。

根拠: 地価公示法 11条

★ 過去問で2回

土地の取引をする者は、類似する標準地の公示価格を指標として取引するよう努めなければなりません。努力義務です。

根拠: 地価公示法 1条の2

事例過去問に出た

石井さんは、公示区域内の土地を売ります。石井さんには、近くの標準地の公示価格を指標とする努力義務があります。取引を強制されるわけではありません。

根拠: 地価公示法 1条の2

左右の比較公示価格を規準にする人と、指標にする人

鑑定士・公共事業規準とする土地を取引する人指標とするいつ正常な価格・取得価格を求めるとき土地の取引をするとき何をする公示価格を規準とする公示価格を指標として取引する性質規準とする義務努力義務

取引する人は、公示価格で取引しなければならないわけではない。指標とするよう努める。

根拠: 地価公示法 8条、地価公示法 9条、地価公示法 1条の2

覚えるコマ

覚える公示価格を「規準とする義務」があるのは、だれか?根拠 8条・9条
規準とする義務・不動産鑑定士が、公示区域内の土地の正常な価格を求める場合(8条)・土地収用ができる事業を行う者が、公示区域内の土地を取得して取得価格を定めるとき(9条)努力義務・取引をする者は、類似する標準地の公示価格を指標とするよう努める・取引を強制するものではない

不動産鑑定士と収用事業の取得者は義務。一般の取引をする者は努力義務。

間違えやすいところ:一般の取引をする者に、規準とする義務があると考えてしまう

公示価格を「規準とする義務」があるのは、だれか? 不動産鑑定士と収用事業の取得者は義務。一般の取引をする者は努力義務。

要点

規準とする義務は、鑑定評価と公共事業の取得価格です。取引する者には努力義務があります。

根拠: 地価公示法 8条、地価公示法 9条、地価公示法 1条の2

ひっかけ過去問に出た

土地の取引をする者は、公示価格で取引しなければならない、は誤りです。指標とする努力義務です。

根拠: 地価公示法 1条の2

土地鑑定委員会約1分

表
項目決まり
置かれる所国土交通省。地価公示などの権限を行使するため
組織委員7人。うち6人は非常勤
任命学識経験のある者のうちから、両議院の同意を得て、国土交通大臣が任命
任期3年。補欠は前任者の残任期間で、再任できる
会議委員長が招集する。議決には委員長と3人以上の委員の出席が要る

根拠: 地価公示法 12条1項、地価公示法 14条1項、地価公示法 14条2項、地価公示法 15条1項、地価公示法 15条5項、地価公示法 15条6項、地価公示法 17条1項、地価公示法 17条2項

事例

委員会の会議に、委員長と委員2人しか集まりませんでした。この会議では、議決ができません。

根拠: 地価公示法 17条2項

覚えるコマ

覚える土地鑑定委員会の人数・任期・会議は、どうなっているか?根拠 14条・15条・17条
置く場所国土交通省委員7人で組織し、うち6人は非常勤任期3年(再任できる)会議・議決委員長と3人以上の委員の出席

委員は7人で非常勤6人、任期3年。会議は委員長と3人以上の出席。

間違えやすいところ:補欠の委員の任期は前任者の残任期間。委員は再任できる

土地鑑定委員会の人数・任期・会議は、どうなっているか? 委員は7人で非常勤6人、任期3年。会議は委員長と3人以上の出席。

要点

委員7人・非常勤6人・任期3年、会議は委員長と3人以上です。

根拠: 地価公示法 14条1項、地価公示法 15条5項、地価公示法 17条2項

ひっかけ

委員の任期は3年で、再任はできない、は誤りです。再任されます。

根拠: 地価公示法 15条6項

鑑定評価で求める価格の種類約2分

鑑定評価で求める価格は、基本的には正常価格です。依頼の目的に応じて、ほかの価格を求めることもあります。

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第3章第3節

場面

石井さんが貸している土地を借りている人が、その土地を買い取りたいと言ってきました。佐藤さんは「正常価格でいいのですか」と聞きました。木村さんは「借地権者が底地を買う取引は、買える相手が限られて市場が限定されるから、限定価格だ」と答えました。佐藤さんは、価格の種類を前提の違いで分けて覚えることにしました。

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第3章第3節、不動産鑑定評価基準 総論第3章第3節I1

表
価格の種類どんな場合例
正常価格市場性のある不動産について、合理的な条件を満たす市場で形成される市場価値―
限定価格取得する他の不動産との併合などにより、市場が相対的に限定される場合借地権者が底地を併合する売買
特定価格法令などの社会的要請を背景として、正常価格の前提を満たさない場合証券化対象不動産、民事再生
特殊価格文化財などの市場性がない不動産について、利用の現況を前提とする場合文化財に指定された建物

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第3章第3節I1

過去問に出た

鑑定評価では、依頼目的に応じて、地域要因や個別的要因に想定上の条件を設定する場合があります。

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第5章第1節Ⅱ

想定上の条件は、実現性と合法性から妥当なものに限ります。地域要因の条件は、公的機関が設定する事項に主として限られます。

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第5章第1節Ⅱ

工事が終わっていない土地や建物でも、完了を前提に評価できます。これを未竣工建物等鑑定評価といいます。

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第5章第1節Ⅰ1(5)

この評価では、設計図書や請負契約書を集めます。許認可と資金の面で、工事完了の実現性が高いことも必要です。

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第5章第1節Ⅰ2

事例過去問に出た

木村さんは、文化財に指定された建物の評価を、不動産鑑定士に依頼しました。この建物は市場性がないので、特殊価格が求められます。

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第3章第3節I1

覚えるコマ

覚える正常価格以外の3つの価格は、それぞれどんなときに求めるか?根拠 総論第5章第3節Ⅰ2
限定価格底地の併合など、市場が限定される場合特定価格証券化や民事再生など、社会的要請による場合特殊価格文化財など、市場性のない不動産の現況価値正常価格は、市場性のある不動産の市場価値。

限定は底地の併合、特定は証券化・民事再生、特殊は文化財など。

間違えやすいところ:基本は正常価格。依頼の目的によって、限定・特定・特殊価格を求める

正常価格以外の3つの価格は、それぞれどんなときに求めるか? 限定は底地の併合、特定は証券化・民事再生、特殊は文化財など。

要点

正常・限定・特定・特殊の4つを、前提の違いで区別します。

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第3章第3節I1

ひっかけ過去問に出た

限定価格と特殊価格は同じもの、は誤りです。限定価格は市場が限定される場合、特殊価格は市場性がない場合です。

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第3章第3節I1

三手法と試算価格約2分

この節でよく出るのは

  • ★ 5回収益還元法は、賃貸用不動産などに特に有効です。文化財など市場…
  • ★ 2回原価法は、土地のみの評価にも使えます。再調達原価を適切に求め…
  • ★ 2回減価修正の方法は、耐用年数に基づく方法と観察減価法の二つです…

鑑定評価の手法には、原価法、取引事例比較法、収益還元法があります。それぞれの結果を試算価格といいます。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第1章第6節

原価法は、価格時点の再調達原価を求め、減価修正をして試算価格を出します。この試算価格を積算価格といいます。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第1章第6節

★ 過去問で2回

原価法は、土地のみの評価にも使えます。再調達原価を適切に求められるときです。

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節Ⅱ1

★ 過去問で2回

減価修正の方法は、耐用年数に基づく方法と観察減価法の二つです。これらは併用します。

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節Ⅱ3(2)

取引事例比較法は、取引事例を集めて選び、事情補正と時点修正をし、要因を比較して試算価格を出します。この試算価格を比準価格といいます。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第1章第6節

収益還元法は、将来生み出すと期待される純収益の現在価値の総和で試算価格を出します。この試算価格を収益価格といいます。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第1章第6節

収益価格を求める方法には、直接還元法とDCF法があります。直接還元法は一期間の純収益を還元利回りで還元し、DCF法は複数期間の純収益と復帰価格を現在価値に割り引いて合計します。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第1章第6節

★ 過去問で5回

収益還元法は、賃貸用不動産などに特に有効です。文化財など市場性がない不動産以外には、基本的にすべて適用すべきです。自用の不動産でも、賃貸を想定して適用します。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第1章第6節

事例過去問に出た

木村さんは、自用の店舗の評価を、不動産鑑定士に依頼しました。自用でも、賃貸を想定して純収益を求めるので、収益還元法が適用されます。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第1章第6節

覚えるコマ

覚える三つの鑑定評価の手法は、それぞれどの試算価格になるか?根拠 総論第7章第1節Ⅱ1
原価法再調達原価に減価修正 → 積算価格取引事例比較法事情補正・時点修正と要因比較 → 比準価格収益還元法純収益の現在価値の総和 → 収益価格

原価法は積算価格、取引事例比較法は比準価格、収益還元法は収益価格。

間違えやすいところ:収益価格の求め方には、直接還元法とDCF法がある

三つの鑑定評価の手法は、それぞれどの試算価格になるか? 原価法は積算価格、取引事例比較法は比準価格、収益還元法は収益価格。

要点過去問に出た

原価法は積算価格、取引事例比較法は比準価格、収益還元法は収益価格です。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第1章第6節

判定の流れ三手法と試算価格の名まえ

再調達原価を求め減価修正するか?はい原価法:試算価格は積算価格いいえ取引事例を補正・修正して比べるか?はい取引事例比較法:比準価格いいえ収益還元法:試算価格は収益価格

収益還元法は、将来の純収益の現在価値で求める。自用の不動産でも、賃貸を想定して適用する。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第1章第6節

ひっかけ

自用の不動産には、収益還元法を適用しない、は誤りです。賃貸を想定して適用します。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第1章第6節

価格形成要因と取引事例の補正約2分

この節でよく出るのは

  • ★ 3回取引に特殊な事情があり価格に影響しているときは、事情補正をし…
  • ★ 2回取引事例は、近隣地域や同一需給圏内の類似地域などから選びます…
  • ★ 2回不動産の価格は、最有効使用を前提とした価格を標準に形成されま…

価格形成要因は、一般的要因、地域要因、個別的要因の3つに分けます。

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第4章第2節

表
要因影響の範囲例
一般的要因一般経済社会における不動産のあり方や価格の水準景気、人口、金利
地域要因その地域に属する不動産の価格に全般的な影響街路や交通施設の状態
個別的要因その不動産の価格を個別的に形成地積、形状、接面街路との関係

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第4章第2節

過去問に出た

近隣地域は、対象不動産が属する地域のまとまりです。同一需給圏は、その不動産と入れかえて使える不動産がある、より広い圏域です。

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第4章第2節

★ 過去問で2回

取引事例は、近隣地域や同一需給圏内の類似地域などから選びます。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第1章第6節

★ 過去問で3回

取引に特殊な事情があり価格に影響しているときは、事情補正をします。価格水準が変動しているときは、時点修正をします。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第1章第6節

土地は、投機的取引の対象とされてはなりません。適正を欠く取引事例は、用いません。

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第1章第4節

★ 過去問で2回

不動産の価格は、最有効使用を前提とした価格を標準に形成されます。これを最有効使用の原則といいます。

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第4章Ⅳ

不動産がその環境に適合していることが必要だとする原則は、適合の原則です。

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第4章Ⅸ

場面★ 過去問で2回

石井さんの空き地の近くで、売り急ぎで安く売られた事例が見つかりました。佐藤さんは「近いから、この値段をそのまま使いましょう」と言いました。木村さんは「特殊な事情があるから、事情補正をして直す。時点修正は、価格水準が変動しているときに直すものだ」と教えました。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第1章第6節

事例★ 過去問で2回

佐藤さんは、売り急ぎで安く売られた事例を使おうとしています。特殊な事情があるので、事情補正をします。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第1章第6節

覚えるコマ

覚える取引事例の事情補正と時点修正は、どう使い分けるか?根拠 総論第7章第1節Ⅰ3
事情補正・特殊な事情がある取引事例を直す時点修正・価格水準の変動を直す取引事例は、原則として近隣地域か同一需給圏内の類似地域から選ぶ。

特殊な事情がある事例は事情補正、価格水準の変動は時点修正。

間違えやすいところ:投機的取引など適正を欠く事例は、補正ではなく取引事例に用いない

取引事例の事情補正と時点修正は、どう使い分けるか? 特殊な事情がある事例は事情補正、価格水準の変動は時点修正。

要点

要因は一般・地域・個別の3つ。事情補正と時点修正を区別します。

根拠: 不動産鑑定評価基準 総論第4章第2節、不動産鑑定評価基準 各論第1章第6節

ひっかけ

時点修正は、取引の特殊な事情を直すこと、は誤りです。それは事情補正です。時点修正は価格水準の変動を直します。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第1章第6節

賃料の鑑定評価約2分

この節でよく出るのは

  • ★ 2回本試験では「Aが公示区域内の土地を取引する」のように出ます。…

賃料の鑑定評価でも、価格と同じように手法を使います。求める賃料の種類によって手法が違います。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第2章第1節

新規賃料は、積算法(費用を積み上げて求める手法)、賃貸事例比較法、収益分析法などで求めます。継続賃料は、差額配分法、利回り法、スライド法、賃貸事例比較法などで求めます。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第2章第1節

賃料の鑑定評価は、実質賃料を求めるのが原則です。依頼があれば、支払賃料も求めます。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第2章第1節

実質賃料は、賃貸人等に支払われる、算定期間に対応する適正なすべての経済的対価です。純賃料と必要諸経費等から成り立ちます。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第2章第1節

賃料の算定の期間は、宅地と建物及びその敷地では1月を単位とします。その他の土地では1年を単位とします。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第2章第1節

数字の比べ賃料の算定の期間

宅地・建物等宅地と、建物及びその敷地1月か月その他の土地農地などの土地1年か月

算定の期間は、原則として、宅地と建物及びその敷地では1月、その他の土地では1年を単位とする。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第2章第1節

事例

木村さんは、宅地の賃料の評価を、不動産鑑定士に依頼しました。算定の期間は1月を単位とし、農地などのその他の土地なら、1年を単位とします。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第2章第1節

覚えるコマ

覚える新規賃料と継続賃料は、求める手法がどう違うか?根拠 総論第7章第2節
新規賃料・積算法・賃貸事例比較法・収益分析法継続賃料・差額配分法・利回り法・スライド法・賃貸事例比較法

新規賃料は積算法など、継続賃料は差額配分法・利回り法など。

間違えやすいところ:賃貸事例比較法は、新規賃料にも継続賃料にも使う

新規賃料と継続賃料は、求める手法がどう違うか? 新規賃料は積算法など、継続賃料は差額配分法・利回り法など。

要点

新規賃料と継続賃料で手法が違います。算定期間は、宅地等は1月、その他の土地は1年です。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第2章第1節

ひっかけ

賃料の算定の期間は、どの不動産でも1年、は誤りです。宅地等は1月です。

根拠: 不動産鑑定評価基準 各論第2章第1節

本試験ではこう出ます★ 過去問で2回

本試験では「Aが公示区域内の土地を取引する」のように出ます。取引する者は公示価格を指標とする努力義務を負い、公示価格で取引する義務はありません。

根拠: 地価公示法 1条の2

まとめ

  • 地価公示は、標準地の正常な価格を毎年1回公表する制度。
  • 正常な価格は、定着物や使用収益を制限する権利がないものとして求める。
  • 標準地の鑑定評価は2人以上の不動産鑑定士が行い、委員会が判定する。
  • 鑑定評価と公共事業の取得価格は、公示価格を規準とする。
  • 取引をする者は、公示価格を指標とする努力義務を負う。
  • 土地鑑定委員会は、委員7人・非常勤6人・任期3年。
  • 価格は正常・限定・特定・特殊。手法は原価法・取引事例比較法・収益還元法。
  • 賃料の算定期間は、宅地等は1月、その他の土地は1年。
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