宅建業法

手付金等の保全措置・損害賠償額の予定・担保責任の特約制限

宅建業法読む目安 約12分図 4場面つき

この単元で分かること

  • 損害賠償・違約金・手付の上限が、代金の何割までかを学びます。
  • 手付で解除できる場合と、契約不適合責任の特約が有効になる場合を学びます。
  • 未完成物件と完成物件で、手付金等の保全措置がいつ要るのかを学びます。

この単元のはじまりの場面

場面

秋、みなと不動産が売り出した建築中の建売住宅(3,000万円)を、田中さんの知人が買うことにしました。知人は「手付金は300万円、すぐ払います」と言いました。佐藤さくらさんがそのまま受け取ろうとすると、木村健一さんが止めました。「建築中の物件は、代金の5%の150万円を超える手付金なら、先に保全措置が要るんだ。先に手を打たないと受け取れないんだ」と説明し、みなと不動産は保証委託契約を結んでから受け取りました。

自ら売主の売買にだけかかる規制約1分

宅地建物取引業者(宅建業者)が自ら売主になる売買には、買主を守るための特別なルールがあります。

根拠: 宅地建物取引業法 38条1項

損害賠償や違約金の上限、手付の上限、契約不適合責任の特約、手付金等の保全が、このグループです。

根拠: 宅地建物取引業法 39条1項、宅地建物取引業法 40条1項、宅地建物取引業法 41条1項

相手が宅建業者であるときは、これらのルールは適用されません。

根拠: 宅地建物取引業法 78条2項

事例

みなと不動産が、自ら土地を仕入れて田中さんに売ります。この取引には、手付の上限や手付金等の保全がかかります。みなと不動産が山本さんから買って田中さんに売るのを媒介しただけなら、これらのルールはかかりません。

根拠: 宅地建物取引業法 39条1項、宅地建物取引業法 41条1項

要点

かぎは自ら売主です。媒介や代理で宅地建物取引業者(宅建業者)が間に入るだけの場面には、このグループは及びません。

根拠: 宅地建物取引業法 41条1項

ひっかけ

宅建業者が関与する売買には、いつもこのルールがかかる、は誤りです。自ら売主の場面に限られます。

根拠: 宅地建物取引業法 38条1項

損害賠償額の予定等の制限約1分

表
決まり内容
上限損害賠償と違約金を合算して、代金の2割まで。
2割を超える定め超える部分の特約は無効。2割までの部分は有効。
対象当事者双方の不履行。買主の不履行に限らない。
違約金損害賠償額の予定と推定される。
予定・違約金がないとき実際に生じた損害を請求できる。

根拠: 宅地建物取引業法 38条1項、宅地建物取引業法 38条2項、民法 420条3項

事例過去問に出た

みなと不動産は、田中さんとの契約に、違約金を代金の2割5分とする定めを置きました。2割を超える部分は無効です。みなと不動産が請求できるのは2割までです。

根拠: 宅地建物取引業法 38条1項、宅地建物取引業法 38条2項

覚えるコマ

覚える損害賠償額の予定と違約金は、合わせて代金のどれだけまでか?根拠 38条1項
代金代金の全部予定額+違約金の上限代金の2割2割を超える部分だけが無効。超えない部分は有効。

合算して代金の2割まで。超える部分だけが無効になる。

間違えやすいところ:手付の上限と混同する(どちらも2割だが別の規制)

損害賠償額の予定と違約金は、合わせて代金のどれだけまでか? 合算して代金の2割まで。超える部分だけが無効になる。

要点

合算で2割です。損害賠償と違約金を別々に取ることはできません。

根拠: 宅地建物取引業法 38条1項

ひっかけ過去問に出た

2割を超える定めは全部が無効、は誤りです。超える部分だけが無効です。

根拠: 宅地建物取引業法 38条2項

手付の額の制限約1分

過去問に出た

自ら売主の売買では、代金の2割を超える手付は受け取れません。

根拠: 宅地建物取引業法 39条1項

買主が承諾しても、2割を超える手付は受け取れません。

根拠: 宅地建物取引業法 39条1項

事例

みなと不動産は、代金3,000万円の土地を田中さんに売ります。みなと不動産が受け取れる手付は、600万円までです。田中さんが多く払うと申し出ても、受け取れません。

根拠: 宅地建物取引業法 39条1項

覚えるコマ

覚える売主の業者が受け取れる手付は、代金のどれだけまでか?根拠 39条1項
手付が代金の2割を超えているか?はい超える手付は受領できない(買主が承諾しても)いいえ受領できる自ら売主となる売買にだけかかる規制。

手付は代金の2割まで。買主が承諾しても超えられない。

間違えやすいところ:損害賠償額の予定の上限(2割)と混同する

売主の業者が受け取れる手付は、代金のどれだけまでか? 手付は代金の2割まで。買主が承諾しても超えられない。

要点

手付の上限も2割です。損害賠償や違約金の上限と同じ数字ですが、別の決まりです。

根拠: 宅地建物取引業法 38条1項、宅地建物取引業法 39条1項

ひっかけ

買主が承諾すれば、2割を超える手付も受け取れる、は誤りです。承諾があっても受け取れません。

根拠: 宅地建物取引業法 39条1項

手付による解除約1分

この節でよく出るのは

  • ★ 2回売主が解除するときは、手付の倍額を現実に提供します。払うと言…
  • ★ 2回みなと不動産が自ら売主で、田中さんと契約しました。田中さんが…

自ら売主の売買では、手付の性質にかかわらず、買主は手付を捨てて契約を解除できます。

根拠: 宅地建物取引業法 39条2項

★ 過去問で2回

売主が解除するときは、手付の倍額を現実に提供します。払うと言うだけでは足りません。

根拠: 宅地建物取引業法 39条2項

相手方が契約の履行に着手した後は、手付による解除ができません。

根拠: 宅地建物取引業法 39条2項

過去問に出た

手付による解除を認めない特約は、買主に不利なので無効です。買主に有利な特約は有効です。

根拠: 宅地建物取引業法 39条3項

事例★ 過去問で2回

みなと不動産が自ら売主で、田中さんと契約しました。田中さんが途中でやめたくなったときは、手付を捨てれば解除できます。みなと不動産から解除するときは、手付の倍額を田中さんに現実に提供します。

根拠: 宅地建物取引業法 39条2項

覚えるコマ

覚える手付による解除は、どうやって、いつまでにするか?根拠 39条2項
買主は、手付を放棄して解除する売主は、手付の倍額を現実に提供して解除する相手方が履行に着手したら、解除できない自分の着手は関係ない

買主は放棄、売主は倍額を提供して解除。相手方の着手前まで。

間違えやすいところ:自分の履行の着手後は解除できない、と取り違える(相手方の着手が基準)

手付による解除は、どうやって、いつまでにするか? 買主は放棄、売主は倍額を提供して解除。相手方の着手前まで。

要点

解除を止めるのは相手方の履行着手です。自分の着手は関係ありません。

根拠: 宅地建物取引業法 39条2項

ひっかけ

手付の性質が違約手付なら、手付による解除はできない、は誤りです。性質を問わず解除できます。

根拠: 宅地建物取引業法 39条2項

判定の流れ手付による解除ができるか

相手方が契約の履行に着手した後か?はい手付による解除はできないいいえ手付を捨てるか倍額を提供すれば解除できる

買主は手付を捨て、売主は手付の倍額を現実に提供すれば解除できる。

根拠: 宅地建物取引業法 39条2項

契約不適合責任の特約の制限約3分

この節でよく出るのは

  • ★ 4回引渡しの日から2年以上とする特約は、買主に有利なので有効です…
  • ★ 4回みなと不動産は、田中さんとの売買契約に、引渡しの日から1年以…
  • ★ 2回佐藤さんは、売買契約書の案に「契約不適合の通知は、引渡しの日…
場面★ 過去問で2回

佐藤さんは、売買契約書の案に「契約不適合の通知は、引渡しの日から1年以内」と書いて、木村さんに見せました。木村さんは「それは買主に不利だから、無効になる。引渡しの日から2年以上にしないといけない」と直しました。

根拠: 宅地建物取引業法 40条1項

過去問に出た

自ら売主の売買では、契約不適合責任について、買主に不利な特約はできません。

根拠: 宅地建物取引業法 40条1項

★ 過去問で4回

引渡しの日から2年以上とする特約は、買主に有利なので有効です。

根拠: 宅地建物取引業法 40条1項

起算日は引渡しの日です。契約を結んだ日から2年ではありません。

根拠: 宅地建物取引業法 40条1項

過去問に出た

民法の通知期間より買主に有利な特約は、有効です。不適合を知った時から2年とする特約も、有効です。

根拠: 宅地建物取引業法 40条1項

責任を負わないとする特約や、1年とする特約は、買主に不利なので無効です。

根拠: 宅地建物取引業法 40条1項

左右の比較契約不適合責任の特約、有効と無効

有効な特約買主に有利無効な特約買主に不利期間引渡しの日から2年以上引渡しの日から1年起算日引渡しの日契約を結んだ日から2年責任負う負わないとする

無効な特約の部分は、民法の定めに戻る。

根拠: 宅地建物取引業法 40条1項

反する特約は無効となり、その部分は民法の定めに戻ります。民法では、不適合を知った時から1年以内に通知する必要があります。

根拠: 宅地建物取引業法 40条2項、民法 566条

事例★ 過去問で4回

みなと不動産は、田中さんとの売買契約に、引渡しの日から1年以内に通知がなければ責任を負わない、という特約を入れました。この特約は無効です。みなと不動産は、引渡しの日から2年以上の特約にしなければなりません。

根拠: 宅地建物取引業法 40条1項

覚えるコマ

覚える契約不適合責任の通知期間の特約は、どこまで有効か?根拠 40条1項
有効・引渡しの日から2年以上とする特約無効・責任を負わない特約・1年とする特約・契約締結の日から2年とする特約無効な部分は、民法566条による。

引渡しの日から2年以上とする特約だけが有効。

間違えやすいところ:民法の通知期間(知った時から1年以内)と取り違える

契約不適合責任の通知期間の特約は、どこまで有効か? 引渡しの日から2年以上とする特約だけが有効。

要点

2年以上なら有効、1年や責任なしは無効です。起算点は引渡しの日です。

根拠: 宅地建物取引業法 40条1項

ひっかけ過去問に出た

契約の日から2年とする特約でよい、は誤りです。引渡しの日から2年です。

根拠: 宅地建物取引業法 40条1項

「現状有姿で売る」「一切責任を負わない」と契約書に書いても、責任を負わない旨の特約は無効です。

根拠: 宅地建物取引業法 40条1項

一方、売主が不具合を買主に説明し、その状態を前提に契約したのなら、その不具合は契約の内容になっています。契約不適合責任は、引き渡した物が契約の内容に適合しないときの責任です。説明して契約の内容にした事柄は、はじめから責任の対象に入りません。

根拠: 民法 562条1項

ひっかけ

現状有姿で売るなら、責任を負わない特約も有効、は誤りです。責任の対象外になるのは、説明して契約の内容にした事柄だけです。

根拠: 宅地建物取引業法 40条1項、民法 562条1項

手付金等の保全措置(未完成物件)約2分

この節でよく出るのは

  • ★ 2回保全措置が要らないのは、手付金等が代金の5%以下で、かつ1,…
  • ★ 2回保全措置がなければ、買主は手付金等を支払わなくてよい。
過去問に出た

工事が終わる前の宅地や建物を自ら売主で売るとき、手付金などを受け取るには、先に保全措置を講じます。

根拠: 宅地建物取引業法 41条1項

手付金等とは、引渡し前に支払われる金銭です。代金に充当される中間金も含まれます。

根拠: 宅地建物取引業法 41条1項

★ 過去問で2回

保全措置が要らないのは、手付金等が代金の5%以下で、かつ1,000万円以下のときです。買主への所有権移転(所有者が変わること)の登記がされたときなども要りません。すでに受け取った分を加えて判断します。

根拠: 宅地建物取引業法 41条1項、宅地建物取引業法施行令 3条の5

過去問に出た

保全の方法は、保証委託契約か、保証保険契約です。保証委託では、保証を約する書面を買主に交付します。

根拠: 宅地建物取引業法 41条1項1号

過去問に出た

保証保険の保険期間は、契約が成立した時から引渡しまでです。

根拠: 宅地建物取引業法 41条3項2号

過去問に出た

保証委託の保証は、引渡しまでに生じた手付金等の返還債務(買主に手付金等を返す義務)を対象にします。工事の完了までの保証では足りません。

根拠: 宅地建物取引業法 41条2項2号

★ 過去問で2回

保全措置がなければ、買主は手付金等を支払わなくてよい。

根拠: 宅地建物取引業法 41条4項

事例過去問に出た

みなと不動産は、建築中の建物を田中さんに売ります。代金は3,000万円で、田中さんが支払う手付金は300万円です。5%の150万円を超えるので、みなと不動産は保全措置を講じてから受け取ります。

根拠: 宅地建物取引業法 41条1項

覚えるコマ

覚える工事完了前の売買で、保全措置が要らないのは、どんなときか?根拠 41条1項ただし書
手付金等が、代金の5%以下かつ1,000万円以下か?はい保全措置は不要いいえ保全措置の後でなければ、受領できない既に受領した手付金等を加えた額で判断する。

代金の5%以下かつ1,000万円以下なら、保全措置は不要。

間違えやすいところ:完成物件の限度(代金の10%以下)と取り違える

工事完了前の売買で、保全措置が要らないのは、どんなときか? 代金の5%以下かつ1,000万円以下なら、保全措置は不要。

覚える保全措置が講じられていないとき、買主はどうできるか?根拠 41条4項
売主は保全措置を講じたか?はい買主は、手付金等を支払ういいえ買主は、手付金等を支払わないことができる未完成物件も完成物件も、同じ。

保全措置がなければ、買主は手付金等を支払わないことができる。

間違えやすいところ:保全措置がなくても、買主は支払わなければならない、と取り違える

保全措置が講じられていないとき、買主はどうできるか? 保全措置がなければ、買主は手付金等を支払わないことができる。

要点

未完成物件の線は、代金の5%以下かつ1,000万円以下です。金額の線と、保全の方法を覚えます。

根拠: 宅地建物取引業法 41条1項、宅地建物取引業法 41条1項2号

ひっかけ

中間金は手付金等に含まれない、は誤りです。代金に充当される中間金も含まれます。

根拠: 宅地建物取引業法 41条1項

人物関係図手付金等の保全の方法

手付金等を支払う保証委託契約田中さん買主みなと不動産売主保証会社保証委託

業者は、保証委託契約か保証保険契約で、返せなくなった手付金等の返還を担保する。

根拠: 宅地建物取引業法 41条1項1号、宅地建物取引業法 41条1項2号

手付金等の保全措置(完成物件)約1分

この節でよく出るのは

  • ★ 2回完成した物件の売買でも、引渡し前の手付金等には保全措置が要り…
  • ★ 2回保全措置がなければ、買主は手付金等を支払わなくてよい。
  • ★ 2回完成物件の線は、代金の10%以下かつ1,000万円以下です。…
★ 過去問で2回

完成した物件の売買でも、引渡し前の手付金等には保全措置が要ります。買主への所有権移転の登記がされたときなどは要りません。

根拠: 宅地建物取引業法 41条の2第1項

保全措置が要らないのは、手付金等が代金の10%以下で、かつ1,000万円以下のときです。

根拠: 宅地建物取引業法 41条の2第1項、宅地建物取引業法施行令 3条の5

表
方法内容
保証委託契約保証を約する書面を買主に交付する。
保証保険契約保険期間は、契約が成立した時から引渡しまで。
手付金等寄託契約手付金等を指定保管機関に寄託(物を預ける契約)する。
質権設定契約質権(物を担保に差し出す権利)を設定し、買主の返還債権を担保する。存続期間は、設定から引渡しまで。
寄託と質権両方を講じる必要がある。未完成物件には使えない。

根拠: 宅地建物取引業法 41条の2第1項1号、宅地建物取引業法 41条の2第1項2号、宅地建物取引業法 41条の2第3項、宅地建物取引業法 41条の2第1項

★ 過去問で2回

保全措置がなければ、買主は手付金等を支払わなくてよい。

根拠: 宅地建物取引業法 41条の2第5項

判定の流れ手付金等の保全措置が要るか

買主は宅建業者か?はい保全の決まりは適用されないいいえ工事の完了前の物件か?はい手付金等が5%以下かつ1,000万円以下か?はい保全措置は要らないいいえ保全措置を講じてから受け取るいいえ手付金等が10%以下かつ1,000万円以下か?はい保全措置は要らないいいえ保全措置を講じてから受け取る

手付金等は、すでに受け取った分を加えて判断する。

根拠: 宅地建物取引業法 41条1項、宅地建物取引業法 41条の2第1項、宅地建物取引業法施行令 3条の5、宅地建物取引業法 78条2項

事例

みなと不動産は、完成済みの中古マンションを田中さんに売ります。代金は2,000万円で、手付金は100万円です。10%の200万円以下なので、みなと不動産は保全措置なしで受け取れます。

根拠: 宅地建物取引業法 41条の2第1項

覚えるコマ

覚える完成物件の保全措置は、未完成物件と何が違うか?根拠 41条の2第1項ただし書
未完成物件(工事完了前)・代金の5%以下かつ1,000万円以下は不要・保証委託か保証保険の2つだけ完成物件・代金の10%以下かつ1,000万円以下は不要・保証委託・保証保険のほか、寄託契約と質権設定契約

完成物件は代金の10%以下。寄託と質権の方法も使える。

間違えやすいところ:寄託・質権の方法を未完成物件にも使えると取り違える

完成物件の保全措置は、未完成物件と何が違うか? 完成物件は代金の10%以下。寄託と質権の方法も使える。

要点★ 過去問で2回

完成物件の線は、代金の10%以下かつ1,000万円以下です。未完成物件の5%より緩やかです。

根拠: 宅地建物取引業法 41条の2第1項

ひっかけ

寄託と質権の方法は、未完成物件でも使える、は誤りです。完成物件だけの方法です。

根拠: 宅地建物取引業法 41条の2第1項

割賦販売の解除と所有権留保等の禁止約2分

この節でよく出るのは

  • ★ 2回みなと不動産は、代金3,000万円の建物を割賦販売で売ります…

割賦販売とは、代金を引渡し後1年以上にわたり、2回以上に分けて受け取る販売です。

根拠: 宅地建物取引業法 35条2項

自ら売主で割賦販売をしたときは、引渡しまでに、登記など引渡し以外の売主の義務を果たします。

根拠: 宅地建物取引業法 43条1項

過去問に出た

引渡しまでに代金の3割を超える支払を受けていなければ、3割を超える支払を受けるまでに果たせば足ります。

根拠: 宅地建物取引業法 43条1項

引渡しをし、かつ代金の3割を超える支払を受けた後は、担保の目的で物件を譲り受けてはいけません。

根拠: 宅地建物取引業法 43条2項

過去問に出た

賦払金が払われないときは、30日以上の期間を定めて、書面で支払を催告します。

根拠: 宅地建物取引業法 42条1項

その期間内に払われないときでなければ、契約の解除や、残りの賦払金の請求はできません。

根拠: 宅地建物取引業法 42条1項

事例★ 過去問で2回

みなと不動産は、代金3,000万円の建物を割賦販売で売ります。引渡しまでに受け取ったのは600万円です。3割の900万円以下なので、みなと不動産は、900万円を超える支払を受けるまでに、登記などを済ませれば足ります。

根拠: 宅地建物取引業法 43条1項

覚えるコマ

覚える手付や損害賠償額の制限は、業者間の取引にも及ぶか?根拠 78条2項
買主は宅建業者か?はい損害賠償額・手付・契約不適合・保全措置の制限は及ばないいいえこれらの制限がかかる37条の2から43条までは、業者間の取引に適用しない。

買主が宅建業者なら、38条〜41条の制限は及ばない。

間違えやすいところ:業者間でも、手付の2割の制限がかかると取り違える

手付や損害賠償額の制限は、業者間の取引にも及ぶか? 買主が宅建業者なら、38条〜41条の制限は及ばない。

要点

鍵は代金の3割です。3割を超える支払を受けた後は、担保目的の譲受けが禁止されます。

根拠: 宅地建物取引業法 43条1項、宅地建物取引業法 43条2項

ひっかけ

3割を超える支払を受けた後なら、担保の目的で物件を譲り受けてよい、は誤りです。譲り受けてはいけません。

根拠: 宅地建物取引業法 43条2項

業者間の取引には適用しない約2分

場面

北町ホームの小林浩二さんが、みなと不動産の売る建築中の建物を、業者として買うことになりました。小林さんは「手付金の保全措置なんて、要らないよね」と言いました。木村さんは「宅建業者どうしの取引には、この決まりは適用されないんだ」と答えました。

根拠: 宅地建物取引業法 78条2項

クーリング・オフから手付金等の保全まで、一連の決まりは、宅建業者どうしの取引には適用されません。

根拠: 宅地建物取引業法 78条2項

損害賠償や違約金の上限、手付の上限、契約不適合責任の特約の制限、手付金等の保全も、宅建業者間では及びません。

根拠: 宅地建物取引業法 78条2項

事例

みなと不動産が、北町ホームの小林さんに建築中の建物を売ります。小林さんは宅建業者なので、手付金等の保全措置は要らず、損害賠償の上限も適用されません。

根拠: 宅地建物取引業法 78条2項

要点

業者間では、この一連の保護ルールがまとめて外れます。宅建業者相互間の取引には適用しない、と定められているからです。

根拠: 宅地建物取引業法 78条2項

ひっかけ

宅建業者間でも、手付金等の保全措置は必要、は誤りです。適用されません。

根拠: 宅地建物取引業法 78条2項

本試験ではこう出ます

本試験では「宅建業者Aが、自ら売主として建築中の建物を、買主Bに売る」のように出ます。Bが宅建業者なら、保全措置は要りません。

根拠: 宅地建物取引業法 41条1項、宅地建物取引業法 78条2項

まとめ

  • 自ら売主の売買には、買主を守る特別なルールがかかる。
  • 損害賠償と違約金は、合算して代金の2割まで。
  • 手付も代金の2割まで。買主の承諾があっても超えられない。
  • 手付による解除は、相手方が履行に着手するとできなくなる。
  • 契約不適合責任は、引渡しの日から2年以上の特約だけが有効。
  • 保全不要の線は、未完成物件が代金の5%以下、完成物件が10%以下。どちらも1,000万円以下が条件。
  • 割賦販売では、代金の3割を超える支払を受けた後、担保の目的で物件を譲り受けてはならない。
  • 業者どうしの取引には、この一連のルールは適用されない。
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