37条書面(契約が成立した後に交付する書面)
この単元で分かること
この単元の困りごとを、4コマで見ます。

佐藤:山本さんの家、田中さんご夫婦が買うことになりました。
大輔:よろしくお願いします。

大輔:代金の払い方が、聞いていた話と違うのですが。
山本:そんなはずはありませんよ。

木村:契約の後にお渡しした書面を見てください。
大輔:あ、払い方がちゃんと書いてありますね。

木村:契約が成立したら、遅滞なく両方に交付する。
佐藤:それが37条書面なんですね。
この単元のはじまりの場面
37条書面とは(契約の後に交付する書面)約3分
契約が成立すると、宅地建物取引業者(宅建業者)は契約の内容を書いた書面を相手に交付しなければなりません。これが37条書面です。決めたことを、あとから両方が同じ文字で確かめられるようにするための書面です。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項
実務では、37条書面のために別の書面を用意するのではなく、契約書をそのまま使うのがふつうです。契約書に必要な事項がすべて記載され、宅地建物取引士の記名があれば、その契約書が37条書面になります。買主が受け取る売買契約書が、そのまま37条書面になっていることが多いのです。貸借では、賃貸借契約書がこれにあたります。宅地建物取引業法が、売買の契約書そのものの作成を求めている、という意味ではありません。
根拠: 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 37条
契約の前に交付する書面は別にあり、これは重要事項説明書(35条書面)といいます。買う人が決める前に、宅地建物取引士が書面を見せながら大事なことを説明します。37条書面は、契約が決まった後に交付する書面で、役割が違うので一方で他方を代えることはできません。
根拠: 宅地建物取引業法 35条1項、宅地建物取引業法 37条1項
左右の比較契約の前の書面と、契約の後の書面
二つは別の義務です。どちらも交付します。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項、宅地建物取引業法 35条1項
6月1日に、山本和子さんの一戸建て(代金3,000万円)の売買契約が、みなと不動産の媒介で成立しました。買主は田中さん夫婦です。みなと不動産は、その日のうちに山本さんと田中さん夫婦の両方に37条書面を交付します。引渡しの日まで待てばよい、というものではありません。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項
交付の時期は「契約が成立した後の遅滞なく」です。契約の前でも後でもよい、というわけではありません。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項
重要事項説明の書面を交付すれば37条書面を省ける、は誤りです。二つは別の義務で、役割も交付の時期も違います。どちらも必要です。
根拠: 宅地建物取引業法 35条1項、宅地建物取引業法 37条1項
いつ、だれに交付するか約2分
この節でよく出るのは
- ★ 3回公正証書で契約を結んでも、37条書面の交付は省けません。公正…
契約のあと、山本さんが事務所に来て「私にも同じ書面が届くのですか」と聞きました。アパートを借りる中村翔さんからも、同じ質問が来ています。佐藤さんは、売買と貸借では交付の相手が違うと気づいて、木村さんに確かめました。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項、宅地建物取引業法 37条2項
交付の相手は、宅建業者がその取引でどんな立場だったかで決まります。次の表のとおりです。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項
| 業者の立場 | 交付の相手 |
|---|---|
| 自分が当事者(売買・交換で売主や買主になる) | 契約の相手方 |
| 当事者の代理(だれかの代理として契約) | 契約の相手方と、代理を依頼した人 |
| 媒介(仲介)で契約が成立 | 契約の各当事者(売主と買主の両方) |
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項
人物関係図媒介のときの交付の相手
自ら売主のときは相手方だけ、代理のときは相手方と依頼者の両方に交付する。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項
売買と交換では、自ら・代理・媒介のどれでも交付しなければなりません。貸借はこれと少し違っていて、宅建業者が代理または媒介をしたときだけ交付する書面です。宅建業者が自分で貸主になるときは、交付が定められていません。
根拠: 宅地建物取引業法 37条2項
みなと不動産が媒介した山本さんと田中さんの売買では、交付の相手は山本さんと田中さん夫婦の両方です。みなと不動産が山本さんの代理人だったなら、同じく両方です。みなと不動産が山本さんから買って田中さんに売ったなら、田中さんへの売買では田中さんだけです。山本さんからの買い取りでは、山本さんに交付します。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項
覚えるコマ
自ら当事者なら契約の相手方だけ。代理・媒介なら2人に渡す。
間違えやすいところ:35条の重要事項説明の相手(買主だけ)と取り違える
自ら当事者として契約したときと、代理・媒介したときで、交付する相手はどう違うか? 自ら当事者なら契約の相手方だけ。代理・媒介なら2人に渡す。

契約が成立した後、遅滞なく交付する。
間違えやすいところ:35条の重要事項説明は「契約が成立するまでの間」(時期が逆)
37条書面を交付する時期は、いつか? 契約が成立した後、遅滞なく交付する。
省けない。適用が除かれるのは33条の2と37条の2から43条まで。
間違えやすいところ:業者どうしなら書面も説明も要らない、と考えると間違える(35条は交付だけでよい)
相手が宅地建物取引業者でも、37条書面の交付は省けるか? 省けない。適用が除かれるのは33条の2と37条の2から43条まで。
記名するのはだれか約2分
この節でよく出るのは
- ★ 3回佐藤さんは、自分が作った37条書面に自分の名前を書こうとしま…
- ★ 2回売主と媒介の宅建業者がどちらも関わる売買では、業者ごとに書面…
佐藤さんは、自分が作った37条書面に自分の名前を書こうとしました。まだ宅地建物取引士ではないので、これはできません。記名するのは宅地建物取引士で、契約を担当した営業の人の名前ではありません。書面を作るのも交付するのも宅地建物取引士でなくてかまわず、宅地建物取引士でなければできないのは記名だけです。
根拠: 宅地建物取引業法 37条3項
宅建業者は、37条書面を作ったら、宅地建物取引士に記名させなければなりません。契約が決まったあとに誰が責任を持つ書面なのかを示すために、資格を持つ人の名前が要るのです。
根拠: 宅地建物取引業法 37条3項
入社1年目の佐藤さくらさんは、まだ宅地建物取引士ではありません。佐藤さんが作った書面には、自分の名前を書けません。みなと不動産は、社内の宅地建物取引士である木村健一さんに記名してもらってから交付します。
根拠: 宅地建物取引業法 37条3項
覚えるコマ
記名は宅地建物取引士が行う。渡すだけで、説明は要らない。
間違えやすいところ:35条書面(重要事項説明書)と取り違える。説明は契約の前に、宅建士がする
37条書面には、だれが記名し、何をしなければならないか? 記名は宅地建物取引士が行う。渡すだけで、説明は要らない。
専任の宅地建物取引士でなければ記名できない、というのは誤りです。専任とは、その事務所に専属で置く取引士のことです。重要事項説明をした取引士と同じ人でなければならない、というのも誤りで、どちらも条文には書かれていません。実務では、どちらでなくてもよいと考えられています。
根拠: 宅地建物取引業法 37条3項
売買・交換の書面で必ず記載する事項約2分
この節でよく出るのは
- ★ 5回必ず記載する5つ(中古の建物では確認事項を加えて6つ)と、定…
- ★ 3回必ず記載するのは、当事者の氏名と住所、宅地や建物を特定する表…
- ★ 2回中古の建物を売る場合、構造耐力上主要な部分などの状況について…
田中さんが「支払の日は口約束でもよいのですか」と聞きました。売買の書面には、契約で決めていなくても必ず記載する事項があります。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項
必ず記載するのは、当事者の氏名と住所、宅地や建物を特定する表示、代金または交換差金の額とその支払の時期・方法の3つです。これに引渡しの時期と移転登記(所有者の名義を買主に移す登記)の申請の時期が加わり、合わせて5つになります。中古の建物を売る場合には、構造耐力上主要な部分などの確認事項が加わって6つです。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項1号、宅地建物取引業法 37条1項2号、宅地建物取引業法 37条1項3号、宅地建物取引業法 37条1項4号、宅地建物取引業法 37条1項5号、宅地建物取引業法 37条1項2号の2
時系列37条書面に記載した日付(山本さんと田中さんの例)
契約で決めていなくても、引渡しの時期と移転登記の申請の時期は必ず記載する。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項1号、宅地建物取引業法 37条1項3号、宅地建物取引業法 37条1項5号
山本さんと田中さんの契約では、代金は3,000万円です。支払いは7月10日に一括、引渡しは7月31日、移転登記の申請は8月20日と決まりました。みなと不動産は、この内容を37条書面に記載して、契約の日のうちに両方に交付しています。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項3号、宅地建物取引業法 37条1項4号、宅地建物取引業法 37条1項5号
| 記載する事項 | 記載するとき |
|---|---|
| 当事者の氏名・住所 | 必ず記載する |
| 物件を特定する表示 | 必ず記載する |
| 代金・交換差金の額と支払の時期・方法 | 必ず記載する |
| 引渡しの時期 | 必ず記載する |
| 移転登記の申請の時期 | 必ず記載する |
| 代金・交換差金以外の金銭の授受 | 定めがあるときだけ記載する |
| 契約の解除 | 定めがあるときだけ記載する |
| 損害賠償額の予定・違約金 | 定めがあるときだけ記載する |
| 金銭の貸借のあっせんと、借りられなかったときの措置 | 定めがあるときだけ記載する |
| 不可抗力による損害の負担 | 定めがあるときだけ記載する |
| 契約不適合責任の定め | 定めがあるときだけ記載する |
| 公課の負担 | 定めがあるときだけ記載する |
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項1号、宅地建物取引業法 37条1項2号、宅地建物取引業法 37条1項3号、宅地建物取引業法 37条1項4号、宅地建物取引業法 37条1項5号、宅地建物取引業法 37条1項6号、宅地建物取引業法 37条1項7号、宅地建物取引業法 37条1項8号、宅地建物取引業法 37条1項9号、宅地建物取引業法 37条1項10号、宅地建物取引業法 37条1項11号、宅地建物取引業法 37条1項12号
覚えるコマ
必ず記載するのは5つ。既存の建物なら、双方の確認事項が加わり6つ。
間違えやすいところ:中古の建物で加わるのは「建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項」(2号の2)。床面積の記載ではない
売買・交換の37条書面に、必ず記載する事項はいくつか? 必ず記載するのは5つ。既存の建物なら、双方の確認事項が加わり6つ。
必ず記載する5つ(中古の建物では確認事項を加えて6つ)と、定めがあるときだけ記載する7つがあります。「決まっていないから記載しない」が通らないのは、引渡しの時期と移転登記の申請の時期です。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項4号、宅地建物取引業法 37条1項5号
中古の建物を売る場合、構造耐力上主要な部分などの状況について、売主と買主が確認した事項を記載します。これは必ず記載するもので、「定めがあるときだけ」ではありません。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項2号の2
任意的記載事項(定めがあるときに記載する)約1分
田中さんは、住宅ローンのあっせんをみなと不動産に頼みました。「ローンが組めなかったときはどうなるのか、書面に書いてもらえますか」という質問です。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項9号
次のものは、契約で定めを置いたときだけ記載します。代金以外の金銭のやりとり、契約の解除、損害賠償額の予定や違約金を記載します。金銭の貸借のあっせんと、借りられなかったときの扱いです。不可抗力で損害が出たときの負担、契約不適合責任の定め、公課の負担も入ります。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項6号、宅地建物取引業法 37条1項7号、宅地建物取引業法 37条1項8号、宅地建物取引業法 37条1項9号、宅地建物取引業法 37条1項10号、宅地建物取引業法 37条1項11号、宅地建物取引業法 37条1項12号
みなと不動産が、田中さんの住宅ローンを銀行から借りられるように取り持ちました。このときは、あっせんの内容と、ローンが組めなかったときどうするかを記載します。田中さんは、その2つを契約直後に確かめられます。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項9号
覚えるコマ
6号から12号までの7項目は、定めがあるときだけ記載する。
間違えやすいところ:必要的記載事項(1号〜5号)と取り違える。定めがなければ、記載しなくてよい
37条書面に、定めがあるときだけ記載する事項はどれか? 6号から12号までの7項目は、定めがあるときだけ記載する。
定めがなければ、記載する必要はありません。「特になし」と記載する義務もありません。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項
これらは「記載しなくてよい」のではなく「定めたら記載する」です。契約で決めておきながら書面に載せないのは違反になります。
根拠: 宅地建物取引業法 37条1項6号、宅地建物取引業法 37条1項7号
貸借の書面に記載する事項約2分
社会人1年目の中村翔さんが、みなと不動産の媒介でアパートの貸借契約をしました。借賃は月8万円です。中村さんは「売買と同じ書面なら、移転登記の時期も書いてあるのですか」と聞きました。貸借では、そこに書く欄がないのです。
根拠: 宅地建物取引業法 37条2項
貸借の書面は、売買の書面の一部をそのまま使います。使うのは、当事者の氏名・住所、物件を特定する表示、引渡しの時期の3つです。これに、契約の解除、損害賠償額の予定や違約金、不可抗力のときの負担が加わります。
根拠: 宅地建物取引業法 37条2項1号、宅地建物取引業法 37条1項1号、宅地建物取引業法 37条1項2号、宅地建物取引業法 37条1項4号
貸借だけのものもあり、借賃の額とその支払の時期・方法です。借賃以外の金銭を受け取る定めがあれば、その額・時期・目的も記載します。
根拠: 宅地建物取引業法 37条2項2号、宅地建物取引業法 37条2項3号
| 記載する事項 | 売買・交換 | 貸借 |
|---|---|---|
| 当事者の氏名・住所 | 記載する | 記載する |
| 物件を特定する表示 | 記載する | 記載する |
| 引渡しの時期 | 記載する | 記載する |
| 契約の解除 | 定めがあれば記載する | 定めがあれば記載する |
| 損害賠償額の予定・違約金 | 定めがあれば記載する | 定めがあれば記載する |
| 不可抗力による損害の負担 | 定めがあれば記載する | 定めがあれば記載する |
| 既存建物の双方の確認事項 | 記載する | 記載しない |
| 代金・交換差金の額と支払の時期・方法 | 記載する | 記載しない |
| 移転登記の申請の時期 | 記載する | 記載しない |
| 公課の負担 | 定めがあれば記載する | 記載しない |
| 借賃の額と支払の時期・方法 | 記載しない | 記載する |
根拠: 宅地建物取引業法 37条2項1号、宅地建物取引業法 37条1項2号の2、宅地建物取引業法 37条1項5号、宅地建物取引業法 37条1項12号、宅地建物取引業法 37条2項2号
みなと不動産が媒介で、中村翔さんと貸主の間のアパートの貸借を成立させました。借賃は月8万円で、毎月末日に支払い、引渡しは7月1日です。解除の定めも置きました。みなと不動産は、借賃と支払の時期・方法、引渡しの時期、解除の内容を記載します。移転登記の時期と公課の負担は、記載する欄がありません。
根拠: 宅地建物取引業法 37条2項2号、宅地建物取引業法 37条1項5号、宅地建物取引業法 37条1項12号
覚えるコマ
移転登記の時期・公課の負担・既存建物の確認事項は、貸借では記載しない。
間違えやすいところ:売買・交換の書面の記載事項を、そのまま貸借にも当てはめると間違える
貸借の37条書面で、記載しない事項はどれか? 移転登記の時期・公課の負担・既存建物の確認事項は、貸借では記載しない。
貸借では、移転登記の時期・公課の負担・既存建物の確認事項・代金の額を記載しません。かわりに借賃の額が入ります。
根拠: 宅地建物取引業法 37条2項1号、宅地建物取引業法 37条2項2号
貸借の書面にも「引渡しの時期」は記載します。貸借にそのまま使うものの中に入っているからです。貸借では記載しない、は誤りです。
根拠: 宅地建物取引業法 37条2項1号
電子メールなどで送るとき(電磁的方法)約2分
田中さんから「書面はメールでもらえますか」と連絡がありました。書面の交付にかえて電子で送ることはできますが、相手の承諾が要ります。
根拠: 宅地建物取引業法 37条4項
判定の流れ37条書面を電子で送れるか
承諾をもらう相手は、書面を交付する相手と同じ。媒介なら売主と買主の両方。
根拠: 宅地建物取引業法 37条4項3号、宅地建物取引業法施行令 3条の4第1項、宅地建物取引業法施行令 3条の4第2項
承諾をもらう相手は、書面を交付する相手と同じです。みなと不動産の媒介なら、山本さんと田中さん夫婦の両方から承諾をもらわなければなりません。
根拠: 宅地建物取引業法 37条4項2号、宅地建物取引業法 37条4項3号
みなと不動産は媒介で契約を成立させました。書面を電子メールで送ろうとしています。山本さんと田中さん夫婦の両方から承諾をもらう必要があります。片方だけでは足りません。
根拠: 宅地建物取引業法 37条4項3号
承諾は、口で言ってもらうだけでは足りません。あらかじめ、どの方法で送るのか、記録の方式はどうするのかを示したうえで、書面か、それに代わる方法で承諾をもらいます。
根拠: 宅地建物取引業法施行令 3条の4第1項
覚えるコマ
あらかじめ相手方の承諾を得る。承諾は書面などでとる。
間違えやすいところ:口頭の承諾だけで足りると考えると間違える。承諾は書面などでとる
37条書面を電子メールなどで提供するには、何が要るか? あらかじめ相手方の承諾を得る。承諾は書面などでとる。
「承諾」と「申出」は別です。あとから電子で送らないでほしいと言われたら、送ってはいけません。そのあと再び承諾をもらえば、また送れます。
根拠: 宅地建物取引業法施行令 3条の4第2項
電子で送ると書面を交付したものとみなされ、書面に取引士が記名する決まりは適用されません。かわりに、その書面にかかわる宅地建物取引士が誰かが分かるようにすることが、省令で求められています。
根拠: 宅地建物取引業法 37条4項、宅地建物取引業法施行規則 16条の4の12第2項4号
送り方は大きく2つです。通信回線で送る方法と、記録した媒体(USBメモリなど)を交付する方法です。どちらも、受け取った人が出力して書面にできることが条件です。
根拠: 宅地建物取引業法施行規則 16条の4の12第1項2号、宅地建物取引業法施行規則 16条の4の12第2項1号
電磁的方法で提供したときは、書面を交付したものとみなされます。提供のあとで、あらためて書面を交付する必要はありません。
根拠: 宅地建物取引業法 37条4項
貸借の書面を電子で送るとき約1分
貸借の書面も、同じ手続きで電子に切り替えられます。承諾をもらう相手は、貸借の書面を交付する相手、つまり契約の相手方と代理を依頼した人、または契約の各当事者です。
根拠: 宅地建物取引業法 37条5項、宅地建物取引業法施行令 3条の4第3項
みなと不動産が媒介で、中村翔さんのアパートの貸借を成立させました。中村さんと貸主の双方から承諾をもらえば、電子で送れます。二人とも電子を受け取る用意があるかを、必ず確かめます。
根拠: 宅地建物取引業法 37条5項2号
守らないとどうなるか約1分
佐藤さんが「もし交付し忘れたら、どうなりますか」と木村さんに聞きました。37条書面を交付しないと、50万円以下の罰金が科せられることがあります。
根拠: 宅地建物取引業法 83条1項、宅地建物取引業法 83条1項2号
あわせて、1年以内の業務停止を命じられることもあり、業務の全部を止められることも、一部だけ止められることもあります。
根拠: 宅地建物取引業法 65条2項、宅地建物取引業法 65条2項2号
もしみなと不動産が37条書面を交付しないまま、引渡しまで進めていたら、どうなっていたでしょうか。田中さんは、あとから契約の内容を確かめる手段を失います。この場合、みなと不動産は罰金の対象になり、業務停止を命じられることもあります。
根拠: 宅地建物取引業法 83条1項2号、宅地建物取引業法 65条2項2号
交付しないことの重さは、契約の相手方が内容を確かめる手段を奪うところにあります。罰金と業務停止の両方がかかります。
根拠: 宅地建物取引業法 83条1項2号