監督処分・罰則
この単元で分かること
この単元のはじまりの場面
監督処分とは約1分
業者がルールを守らないとき、免許権者や知事が処分をします。これを監督処分といいます。
根拠: 宅地建物取引業法 65条1項
軽い順に、指示、業務停止、免許の取消しがあります。ほかに、指導・助言・勧告という柔らかい働きかけがあります。
根拠: 宅地建物取引業法 65条1項、宅地建物取引業法 65条2項、宅地建物取引業法 71条
処分ができるのは、免許権者と、業務をする区域の知事です。できる処分の範囲は違います。
根拠: 宅地建物取引業法 65条1項、宅地建物取引業法 66条1項
左右の比較免許権者と業務地の知事ができる処分
免許の取消しは、免許権者だけの処分。
根拠: 宅地建物取引業法 65条1項、宅地建物取引業法 65条2項、宅地建物取引業法 65条3項、宅地建物取引業法 65条4項、宅地建物取引業法 66条1項
指示処分と業務停止約2分
この節でよく出るのは
- ★ 2回区域の知事も、区域内の業務について、他県免許の宅建業者に指示…
取引の公正を害する行為をしたときも、指示の対象になります。
根拠: 宅地建物取引業法 65条1項2号
指示に従わないときは、1年以内の期間を定めて、業務の全部または一部の停止を命じられます。一定の違反(重要事項の説明をしなかったときなど)をしたときも、同じです。
根拠: 宅地建物取引業法 65条2項、宅地建物取引業法 65条2項2号
みなと不動産が、説明をせずに契約を進めました。免許権者はみなと不動産に指示を出します。それに従わなければ、1年以内の業務停止を命じられます。
根拠: 宅地建物取引業法 65条1項1号、宅地建物取引業法 65条2項
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取消しは免許権者だけ。指示と業務停止は業務地の知事もできる。
間違えやすいところ:業務地の知事の業務停止は、区域内の業務に限る。免許の取消しはできない
指示・業務停止・免許取消しは、だれができるか? 取消しは免許権者だけ。指示と業務停止は業務地の知事もできる。
指示、そして業務停止という順に重くなります。業務停止の期間は1年以内です。
根拠: 宅地建物取引業法 65条2項
免許の取消し約1分
| 場合 | 取消し |
|---|---|
| 不正の手段で免許を受けたとき、1年以内に事業を開始しないとき、1年以上休止したとき | 必ず取り消す |
| 業務停止の処分に違反したときや、情状が特に重いとき | 必ず取り消す |
| 免許に付された条件に違反したとき | 取り消すことができる |
根拠: 宅地建物取引業法 66条1項6号、宅地建物取引業法 66条1項8号、宅地建物取引業法 66条1項9号、宅地建物取引業法 66条2項
みなと不動産は、事業を始めないまま1年が過ぎました。みなと不動産の免許は、必ず取り消されます。条件違反のときは、取り消すかどうかを免許権者が判断します。
根拠: 宅地建物取引業法 66条1項6号、宅地建物取引業法 66条2項
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不正取得・事業未開始・業務停止違反は必ず。条件違反は取り消せる。
間違えやすいところ:免許の条件に違反したときは、必ず取り消すのではなく、取り消すことができる
免許の取消しは、必ず取り消す場合と、取り消せる場合がどう分かれるか? 不正取得・事業未開始・業務停止違反は必ず。条件違反は取り消せる。
必ず取り消す場合の代表は、不正取得、事業の不開始・休止、業務停止違反です。
根拠: 宅地建物取引業法 66条1項6号、宅地建物取引業法 66条1項8号、宅地建物取引業法 66条1項9号
所在不明による取消し約1分
業者の事務所の所在地や、宅建業者の所在が分からないときは、公告をします。
根拠: 宅地建物取引業法 67条1項
公告の日から30日を過ぎても申出がなければ、免許を取り消すことができます。
根拠: 宅地建物取引業法 67条1項
時系列所在不明のとき、取消しまで
この取消しには、聴聞などの手続は適用されない。
根拠: 宅地建物取引業法 67条1項、宅地建物取引業法 67条2項
この処分には、行政手続法の聴聞などの手続きは適用されません。
根拠: 宅地建物取引業法 67条2項
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公告の日から30日で申出がなければ取り消せる。聴聞等の手続は適用されない。
間違えやすいところ:通常の取消しと違い、行政手続法3章(聴聞等)を適用しない
所在地が分からない業者の免許は、どう取り消されるか? 公告の日から30日で申出がなければ取り消せる。聴聞等の手続は適用されない。
公告から30日が過ぎても申出がなければ取り消せること、そして聴聞の手続きが適用されないことが、この処分の特徴です。
根拠: 宅地建物取引業法 67条1項、宅地建物取引業法 67条2項
所在不明でも、聴聞をしてからでないと取り消せない、は誤りです。聴聞の規定は適用されません。
根拠: 宅地建物取引業法 67条2項
聴聞と公告約3分
大野社長が「業務停止になるときは、いきなり言い渡されるのですか」と木村さんに聞きました。木村さんは「処分の前に聴聞があって、相手の言い分を聞くんだ。指示でも同じだよ」と答えました。業務停止を命じられたあとは、その旨が公告されます。
根拠: 宅地建物取引業法 69条1項、宅地建物取引業法 70条1項
聴聞は、処分の前に相手の言い分を聞く手続きです。軽い処分だからと省くことはできません。聴聞の期日の審理は、公開で行います。
根拠: 宅地建物取引業法 69条1項
時系列処分の前の聴聞と、あとの公告
指示処分は、公告の対象ではない。
根拠: 宅地建物取引業法 69条1項、宅地建物取引業法 70条1項
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65条・68条の処分には必ず聴聞をする。指示処分は公告しない。
間違えやすいところ:軽い指示処分だからと、聴聞を省くことはできない
聴聞と公告は、どの処分でするか? 65条・68条の処分には必ず聴聞をする。指示処分は公告しない。
聴聞は処分の前に、公告は処分の後に来ます。
根拠: 宅地建物取引業法 69条1項、宅地建物取引業法 70条1項
処分をしたあとは、通知や報告もあります。国土交通大臣が指示や業務停止などの処分をしたときは、遅滞なく、その年月日と内容を知事に通知します。通知先は、知事免許の業者ならその免許をした知事、大臣免許の業者なら主たる事務所の所在地の知事です。
根拠: 宅地建物取引業法 70条2項
知事が、区域内の業務について他県免許の業者を処分したときは、遅滞なく報告や通知をします。大臣免許の業者なら国土交通大臣に報告し、他の知事免許の業者ならその知事に通知します。区域内で他県登録の取引士に指示や事務の禁止をした知事は、その登録をしている知事に通知します。
根拠: 宅地建物取引業法 70条3項、宅地建物取引業法 70条5項
指導・助言・勧告は処分ではないので、この通知の対象には入りません。
根拠: 宅地建物取引業法 70条2項
処分を受けた事実は、業者名簿にも載ります。名簿は、国土交通省と各都道府県が、自分が免許した業者について備えます。都道府県の名簿には、区域内に主たる事務所を置く国土交通大臣免許の業者も載ります。処分を受けたことがあるときは、その年月日と内容が記載され、指示も含まれます。
根拠: 宅地建物取引業法 8条2項、宅地建物取引業法 8条2項4号
ここでは、みなと不動産が、主たる事務所を甲県に置かない大臣免許の業者だとします。甲県知事から指示を受けると、甲県知事はこれを国土交通大臣に報告します。この指示の年月日と内容が載るのは、国土交通省の業者名簿で、甲県の名簿ではありません。
根拠: 宅地建物取引業法 70条3項、宅地建物取引業法 8条2項
国土交通大臣が勧告をしたら、遅滞なく知事に通知しなければならない、は誤りです。通知は、指示や業務停止などの処分をしたときです。
根拠: 宅地建物取引業法 70条2項
宅地建物取引士の処分約1分
知事は、取引士が一定の行為をしたとき、必要な指示ができます。
根拠: 宅地建物取引業法 68条1項
指示の対象になるのは、専任でない事務所の専任だと表示させることです。名義の使用を許すことや、取引士として行う事務に関する不正や著しく不当な行為も、指示の対象です。
根拠: 宅地建物取引業法 68条1項1号、宅地建物取引業法 68条1項2号
指示に従わないときや、これらの行為をしたときは、1年以内の事務の禁止を命じられます。区域の知事は、区域内の他県登録の取引士にも同じ処分ができます。
根拠: 宅地建物取引業法 68条2項、宅地建物取引業法 68条4項
登録の消除は、その登録をした知事がしなければなりません。
根拠: 宅地建物取引業法 68条の2
宅地建物取引士の木村さんが、他の宅建業者のために自分の名義を使わせました。知事は木村さんに指示を出します。従わなければ、1年以内の事務の禁止を受けます。
根拠: 宅地建物取引業法 68条1項2号、宅地建物取引業法 68条2項
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名義の使用を許したときなどは知事が指示。登録の消除は登録した知事。
間違えやすいところ:区域の知事は、区域内なら他県登録の取引士にも事務禁止を命じられる
取引士に対して、知事はどんな処分ができるか? 名義の使用を許したときなどは知事が指示。登録の消除は登録した知事。
取引士への処分は、登録をした知事と、事務をする区域の知事が関わります。
根拠: 宅地建物取引業法 68条4項
他県で登録した取引士には、その県の知事は何もできない、は誤りです。指示や事務の禁止ができます。
根拠: 宅地建物取引業法 68条4項
指導・助言・勧告と立入検査約1分
国土交通大臣はすべての宅建業者に、知事は区域内の宅建業者に、指導・助言・勧告ができます。
根拠: 宅地建物取引業法 71条
これは処分ではなく、適正な運営を促す働きかけです。
根拠: 宅地建物取引業法 71条
立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものではありません。担当者は身分を示す証明書を携帯し、請求があれば提示します。
根拠: 宅地建物取引業法 72条5項
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国交大臣は全業者に、知事は区域内の業者に(他県免許の業者にも)。
間違えやすいところ:立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものではない
指導・助言・勧告と、立入検査は、だれがだれにできるか? 国交大臣は全業者に、知事は区域内の業者に(他県免許の業者にも)。
指導等は柔らかい働きかけ、立入検査は報告と検査です。どちらも処分ではありません。
根拠: 宅地建物取引業法 71条、宅地建物取引業法 72条1項
立入検査は犯罪捜査の一環、は誤りです。犯罪捜査のために認められた権限ではありません。
根拠: 宅地建物取引業法 72条5項
国土交通大臣が自ら免許した業者を処分するときは、あらかじめ内閣総理大臣に協議しなければなりません。事業以外の目的で買い・借りる個人との取引で、重要事項の説明などの規定に違反した場合です。知事の処分には、この協議はありません。
根拠: 宅地建物取引業法 71条の2第1項
罰則と、みなし業者約2分
不正の手段で免許を受けた者、名義を貸した者、業務停止の命令に違反した者は、重く処罰されます。3年以下の拘禁刑か300万円以下の罰金です。
根拠: 宅地建物取引業法 79条、宅地建物取引業法 79条1号、宅地建物取引業法 79条3号、宅地建物取引業法 79条4号
契約後の書面の交付、報酬額の掲示、従業者証明書の携帯などの規定に違反すると、50万円以下の罰金です。標識の掲示や帳簿の備付けなどの規定に違反したときも、50万円以下の罰金です。報告を求められて報告しない場合や、立入検査を拒む場合も、50万円以下の罰金です。
根拠: 宅地建物取引業法 83条1項2号、宅地建物取引業法 83条1項5号、宅地建物取引業法 83条1項6号、宅地建物取引業法 83条1項、宅地建物取引業法 83条1項4号
数字の比べ罰則の重さ(罰金の上限)
名義貸しや業務停止の命令違反も、上の重い罰則。
根拠: 宅地建物取引業法 79条、宅地建物取引業法 79条1号、宅地建物取引業法 79条3号、宅地建物取引業法 79条4号、宅地建物取引業法 83条1項2号
覚えるコマ
不正取得・名義貸し・停止違反は3年以下の拘禁刑か300万円以下の罰金。
間違えやすいところ:37条などの違反は、50万円以下の罰金にとどまる
罰則が重いのは、どんな違反か? 不正取得・名義貸し・停止違反は3年以下の拘禁刑か300万円以下の罰金。
本試験では「甲県知事の免許を受けた宅建業者Aが、乙県内でも業務を行っている」のように出ます。乙県知事ができる処分は、指示と業務停止までです。
根拠: 宅地建物取引業法 65条3項、宅地建物取引業法 65条4項