宅建業法

禁止行為・その他業務規制(帳簿・従業者名簿・標識)

宅建業法読む目安 約13分図 4場面つき

この単元で分かること

  • うその告知や信用の供与など、どんな行為が禁止されるのかを学びます。
  • 従業者証明書・名簿・帳簿・標識の決まりを、場面ごとに仕分けできるようにします。
  • 勧誘の適正と、秘密を守る義務を学びます。

この単元のはじまりの場面

場面

秋、みなと不動産は、新築の建売を自分で売り出すことになりました。見学会の日、佐藤さくらさんは、迷っている田中大輔さんに「この辺りは必ず値上がりしますよ」と言いかけました。木村健一さんはすぐに止めました。「利益は確実だと勧誘で言うのは、会社だけでなく、社員のきみも禁止なんだ」と教えました。佐藤さんは、駅までの距離や周りの環境など、確かな事実だけを話し直しました。

禁止行為の全体像約1分

この節でよく出るのは

  • ★ 3回うその告知、不当に高い報酬の要求、手付の貸付けによる誘引など…

宅地建物取引業者(宅建業者)の業務には、してはいけない行為が並んでいます。これを禁止行為といいます。

根拠: 宅地建物取引業法 47条

★ 過去問で3回

うその告知、不当に高い報酬の要求、手付の貸付けによる誘引などです。

根拠: 宅地建物取引業法 47条1号、宅地建物取引業法 47条2号、宅地建物取引業法 47条3号

これとは別に、断定的な判断を伝えることや、相手をおどすことも禁止されています。こちらは宅建業者だけでなく、従業者も名宛人です。

根拠: 宅地建物取引業法 47条の2第1項、宅地建物取引業法 47条の2第2項

事例過去問に出た

みなと不動産の佐藤さんが、田中さんにこの土地は必ず値上がりします、と伝えました。これは断定的判断の提供で、禁止行為です。みなと不動産だけでなく、佐藤さんも名宛人です。

根拠: 宅地建物取引業法 47条の2第1項

要点

名宛人は規定によって違います。宅建業者だけのものと、従業者も含むものがあります。

根拠: 宅地建物取引業法 47条、宅地建物取引業法 47条の2第1項

ひっかけ

禁止行為の名宛人は、いつも宅地建物取引業者だけ、は誤りです。従業者も含まれる規定があります。

根拠: 宅地建物取引業法 47条の2第1項

うその告知と、告げないことの禁止約1分

宅建業者は、勧誘のときや、撤回・解除を妨げるときに、故意にうそのことを告げてはいけません。

根拠: 宅地建物取引業法 47条1号

過去問に出た

故意に事実を告げないことも、同じく禁止です。黙って伝えないだけでも違反になります。

根拠: 宅地建物取引業法 47条1号

対象は、重要事項説明の事項、供託所等の説明の事項、契約後の書面の事項です。当事者の氏名と住所だけが除かれます。

根拠: 宅地建物取引業法 47条1号

そのほか、物件の所在や価額、宅建業者の資力や信用など、相手の判断に重要な影響を与える事項も対象です。人の死は、国土交通省のガイドラインがあります。特殊清掃等が行われていない自然死や、日常生活の中の不慮の死は、原則として告げなくてかまいません。

根拠: 宅地建物取引業法 47条1号、宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン(国土交通省・令和3年10月) 3(1)①

相手が実際に誤認したことまでは、要件ではありません。

根拠: 宅地建物取引業法 47条1号

事例過去問に出た

みなと不動産の佐藤さんが、土地に土砂災害の危険があることを知っていて、田中さんに告げませんでした。これは故意に事実を告げない行為で、禁止行為です。

根拠: 宅地建物取引業法 47条1号

覚えるコマ

覚えるうその告知や、告げないことの禁止は、どこまで及ぶか?根拠 47条1号
禁止される告知・重要事項等について、故意に不実を告げる・故意に事実を告げない・解除や債権の行使を妨げるための告知対象の範囲・35条・37条の事項と、判断に重要な影響を及ぼす事項・相手が業者でも、47条は適用される適用除外は33条の2と37条の2〜43条だけ(78条2項)。

故意の不実告知も、告げないことも禁止。相手が業者でも適用される。

間違えやすいところ:相手がだまされなくても当たる。37条の事項のうち、当事者の氏名・住所は対象外

うその告知や、告げないことの禁止は、どこまで及ぶか? 故意の不実告知も、告げないことも禁止。相手が業者でも適用される。

要点

うそを言うことと、黙っていることの両方が禁止です。除かれるのは当事者の氏名と住所だけです。

根拠: 宅地建物取引業法 47条1号

ひっかけ

相手が気づかなければ違反にならない、は誤りです。誤認があったかどうかは要件ではありません。

根拠: 宅地建物取引業法 47条1号

不当に高い報酬と、手付の貸付け約1分

宅建業者は、不当に高額の報酬を要求してはいけません。受け取っていなくても、要求した時点で違反です。

根拠: 宅地建物取引業法 47条2号

過去問に出た

宅建業者は、手付の貸付けなど、信用の供与で契約を誘引してはいけません。

根拠: 宅地建物取引業法 47条3号

手付金の支払を猶予することも、信用の供与に当たると考えられています。

根拠: 宅地建物取引業法 47条3号

手付以外の代金を貸し付けることや、手付の額を減らすこと、売買代金そのものを値引きすることは、これに当たりません。

根拠: 宅地建物取引業法 47条3号

判定の流れ手付の信用の供与

手付についての信用の供与か?はい契約を誘引する行為として禁止いいえ手付以外の代金の貸付けなどは当たらない

手付金の支払の猶予も、信用の供与に当たる。

根拠: 宅地建物取引業法 47条3号

事例過去問に出た

みなと不動産は、田中さんに手付は後でよいと伝えて契約を勧めました。これは信用の供与による誘引で、禁止行為です。

根拠: 宅地建物取引業法 47条3号

覚えるコマ

覚える報酬と手付で、禁止される行為は何か?根拠 47条2号
報酬不当に高額の報酬を要求する行為は禁止手付貸付けや支払の猶予など、信用の供与で誘引するのは禁止当たらない手付以外の代金の貸付け、手付の減額報酬は、要求した時点で当たる(受け取る前でも違反)。

不当に高額の報酬の要求と、手付の貸付けなど信用の供与が禁止。

間違えやすいところ:報酬は受け取っていなくても、要求した時点で当たる。手付以外の貸付けは当たらない

報酬と手付で、禁止される行為は何か? 不当に高額の報酬の要求と、手付の貸付けなど信用の供与が禁止。

要点

誘引の手段が、手付の貸付けや支払の猶予かどうかで決まります。

根拠: 宅地建物取引業法 47条3号

ひっかけ

代金を貸し付けて契約を勧めるのも禁止、は誤りです。対象は手付についての信用の供与です。

根拠: 宅地建物取引業法 47条3号

断定的判断の提供と威迫約1分

宅建業者や従業者は、契約の勧誘で、利益が確実だと誤解させる断定的判断を伝えてはいけません。

根拠: 宅地建物取引業法 47条の2第1項

契約を結ばせるため、または撤回や解除を妨げるため、相手をおどすことも禁止です。

根拠: 宅地建物取引業法 47条の2第2項

この規定の名宛人には、宅建業者の代理人や使用人、その他の従業者も含まれます。

根拠: 宅地建物取引業法 47条の2第1項

人物関係図断定的判断を禁じられる人

従業者として勧誘するみなと不動産業者も対象佐藤さん従業者も対象田中さんお客さん

断定的判断の提供を禁じられるのは、宅建業者と、その従業者の両方。

根拠: 宅地建物取引業法 47条の2第1項

事例過去問に出た

みなと不動産の佐藤さんが、田中さんに必ず値上がりすると言いました。断定的判断の提供で、禁止行為です。従業者である佐藤さん自身も名宛人です。

根拠: 宅地建物取引業法 47条の2第1項

覚えるコマ

覚える断定的判断の提供と威迫は、だれに禁止されているか?根拠 47条の2第1項
47条1〜3号名宛人は宅地建物取引業者47条の2第1項断定的判断の提供:業者・代理人・使用人等47条の2第2項威迫:業者・代理人・使用人等対象は宅建業に係る契約。売買に限らず貸借も含む。

業者のほか、代理人・使用人その他の従業者。売買に限らず貸借も含む。

間違えやすいところ:47条の各号の名宛人は、宅地建物取引業者だけ

断定的判断の提供と威迫は、だれに禁止されているか? 業者のほか、代理人・使用人その他の従業者。売買に限らず貸借も含む。

要点

断定的判断は勧誘の場面、威迫は契約させる場面と撤回・解除を妨げる場面です。

根拠: 宅地建物取引業法 47条の2第1項、宅地建物取引業法 47条の2第2項

ひっかけ過去問に出た

断定的判断の提供は、売買の勧誘に限られる、は誤りです。宅地建物取引業に係る契約に広く及びます。

根拠: 宅地建物取引業法 47条の2第1項

勧誘の適正約1分

この節でよく出るのは

  • ★ 3回将来の環境や交通の利便について、誤解させる断定的判断は禁止で…
  • ★ 3回撤回のときに預り金の返還を拒むことや、手付を放棄した解除を正…
  • ★ 2回勧誘の前に、宅建業者の商号、勧誘する人の氏名、勧誘の目的を告…

断定的判断のほかにも、勧誘の仕方に細かい決まりがあります。

根拠: 宅地建物取引業法施行規則 16条の11

★ 過去問で3回

将来の環境や交通の利便について、誤解させる断定的判断は禁止です。正当な理由なく、相手に判断の必要な時間を与えないことも禁止です。

根拠: 宅地建物取引業法施行規則 16条の11第1号

★ 過去問で2回

勧誘の前に、宅建業者の商号、勧誘する人の氏名、勧誘の目的を告げます。勧誘を続けてほしくないと言われたら、続けてはいけません。

根拠: 宅地建物取引業法施行規則 16条の11第1号

迷惑な時間の電話や訪問、深夜や長時間の勧誘で相手を困惑させることも、禁止です。

根拠: 宅地建物取引業法施行規則 16条の11第1号

★ 過去問で3回

撤回のときに預り金の返還を拒むことや、手付を放棄した解除を正当な理由なく拒むことも、禁止です。

根拠: 宅地建物取引業法施行規則 16条の11第2号、宅地建物取引業法施行規則 16条の11第3号

事例★ 過去問で2回

みなと不動産の佐藤さんが、夜遅くに田中さんへ何度も電話しました。これは迷惑を覚えさせる時間の電話で、禁止行為です。

根拠: 宅地建物取引業法施行規則 16条の11第1号

覚えるコマ

覚える勧誘で、してはいけないことは何か?根拠 規則16条の11第1号ニ・ホ
勧誘の前商号・勧誘者の氏名・勧誘の目的を告げる勧誘のとき断定的判断・迷惑な時間・困惑させる勧誘は禁止断られたら勧誘を続けない。預り金の返還も拒まない判断に必要な時間を、正当な理由なく与えないのも禁止。

意思表示の後の勧誘継続や、迷惑な時間の電話・訪問は禁止。

間違えやすいところ:勧誘の前に、商号・勧誘者の氏名・勧誘の目的を告げることも求められる

勧誘で、してはいけないことは何か? 意思表示の後の勧誘継続や、迷惑な時間の電話・訪問は禁止。

要点

勧誘の前の告知、時間の配慮、そして撤回や解除を妨げないことです。

根拠: 宅地建物取引業法施行規則 16条の11

ひっかけ

手付を放棄した解除なら、宅建業者は拒める、は誤りです。正当な理由なく拒むと違反になります。

根拠: 宅地建物取引業法施行規則 16条の11第3号

不当な履行遅延と、秘密を守る義務約2分

この節でよく出るのは

  • ★ 2回宅建業者は、正当な理由がなければ、業務で知った秘密を漏らして…
過去問に出た

宅建業者は、登記や引渡し、対価の支払を、不当に遅らせてはいけません。

根拠: 宅地建物取引業法 44条

正当な理由があれば、遅延しても禁止には当たりません。

根拠: 宅地建物取引業法 44条

★ 過去問で2回

宅建業者は、正当な理由がなければ、業務で知った秘密を漏らしてはいけません。業をやめた後も、同じです。

根拠: 宅地建物取引業法 45条

過去問に出た

従業者も、業務を補助して知った秘密を漏らしてはいけません。補助とは、仕事を手伝うことです。従業者でなくなった後も、同じです。

根拠: 宅地建物取引業法 75条の3

事例

みなと不動産は、田中さんとの契約を成立させた後、登記の申請を何の理由もなく数か月放置しました。これは不当な履行遅延で、禁止行為です。

根拠: 宅地建物取引業法 44条

覚えるコマ

覚える秘密を守る義務は、いつまで続くか?根拠 45条
業者(45条)・正当な理由がなければ、業務上知り得た秘密を漏らせない・業を営まなくなった後でも、同じ義務が続く従業者(75条の3)・業務を補助して知り得た秘密を漏らせない・従業者でなくなった後でも、同じ義務が続く

業者も従業者も、業をやめた後・辞めた後でも義務が続く。

間違えやすいところ:従業者の義務は、75条の3が定める

秘密を守る義務は、いつまで続くか? 業者も従業者も、業をやめた後・辞めた後でも義務が続く。

要点

履行遅延は不当にであることが条件です。秘密保持は、業をやめた後も続きます。

根拠: 宅地建物取引業法 44条、宅地建物取引業法 45条

ひっかけ

秘密保持の義務は、業をやめれば終わる、は誤りです。やめた後も続きます。

根拠: 宅地建物取引業法 45条

「正当な理由」にあたるのは、たとえば、次のようなときです。裁判で証人として証言を求められたときや、税務署などの職員から法律にもとづく質問を受けたときです。依頼者本人が承諾しているときも、守秘義務の対象外です。

根拠: 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 第45条関係

売主が「秘密にしてほしい」と望んでも、告げなければならないことがあります。重要事項の説明のように、相手方に告げることが法律上の義務になっている事柄です。

根拠: 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 第45条関係

ひっかけ

依頼者が承諾しても、秘密は漏らせない、は誤りです。本人の承諾があれば、守秘義務の対象外です。

根拠: 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 第45条関係

取消しの制限約1分

個人の宅建業者で、未成年者でない人の業務上の行為は、行為能力の制限では取り消せません。

根拠: 宅地建物取引業法 47条の3

未成年者である宅建業者の行為は、行為能力を理由に取り消せます。

根拠: 宅地建物取引業法 47条の3

取消しが制限されるのは、宅地建物取引業の業務で行った行為です。

根拠: 宅地建物取引業法 47条の3

事例

個人の宅建業者が、田中さんと売買契約を結びました。その宅建業者は成年なので、行為能力が足りないことを理由に、この契約を取り消せません。

根拠: 宅地建物取引業法 47条の3

覚えるコマ

覚える業者の業務上の行為は、行為能力の制限を理由に取り消せるか?根拠 47条の3
業者は、未成年者か?はい行為能力を理由に取り消せるいいえ業務上の行為は、行為能力の制限では取り消せない制限されるのは、宅建業の業務に関し行った行為だけ(47条の3)。

未成年者を除く個人の業者は取り消せない。未成年者の業者は取り消せる。

間違えやすいところ:取消しが制限されるのは、宅建業の業務に関し行った行為だけ

業者の業務上の行為は、行為能力の制限を理由に取り消せるか? 未成年者を除く個人の業者は取り消せない。未成年者の業者は取り消せる。

要点

成年の個人の宅建業者は、行為能力を理由に取り消せません。未成年の宅建業者は取り消せます。

根拠: 宅地建物取引業法 47条の3

ひっかけ

宅建業者の行為は、だれでも行為能力を理由に取り消せる、は誤りです。成年の個人の宅建業者は取り消せません。

根拠: 宅地建物取引業法 47条の3

従業者証明書と従業者名簿約1分

場面

見学会の朝、佐藤さんは従業者証明書を机に置いたまま、現地へ向かおうとしました。従業者証明書とは、従業者であることを示す身分証のようなものです。木村さんは「証明書を持たせずに、社員を仕事に出してはいけないんだ」と呼び止めました。取引の関係者から求められたら、その場で示す決まりです。佐藤さんは、事務所へ取りに戻りました。

根拠: 宅地建物取引業法 48条1項、宅地建物取引業法 48条2項

表
だれがいつ・どんなとき何をする
宅建業者いつも(非常勤の役員にも)従業者に証明書を携帯させる
宅建業者携帯させないときはその人を業務に従事させてはいけない
従業者取引の関係者から請求があったとき証明書を提示する(提示の義務は従業者)
宅建業者事務所ごとに従業者名簿を備え、全員の氏名・証明書の番号・主たる職務内容などを記載する
宅建業者請求があったとき従業者名簿を閲覧に供する
宅建業者最終の記載から10年従業者名簿を保存する

根拠: 宅地建物取引業法 48条1項、宅地建物取引業法 48条2項、宅地建物取引業法 48条3項、宅地建物取引業法 48条4項、宅地建物取引業法施行規則 17条の2第1項第1号、宅地建物取引業法施行規則 17条の2第4項

事例

みなと不動産の従業者である佐藤さんが田中さんと会い、田中さんが請求すると、佐藤さんは従業者証明書を示します。みなと不動産は、佐藤さんを名簿に記載して10年間保存します。

根拠: 宅地建物取引業法 48条1項、宅地建物取引業法施行規則 17条の2第4項

要点過去問に出た

携帯は常に、提示は請求があったときです。名簿の保存は10年です。

根拠: 宅地建物取引業法 48条1項、宅地建物取引業法 48条2項

ひっかけ

従業者名簿に記載するのは宅地建物取引士だけ、は誤りです。従業者全員を記載します。

根拠: 宅地建物取引業法 48条3項

帳簿約1分

この節でよく出るのは

  • ★ 3回宅建業者は、事務所ごとに帳簿を備え、取引のつど、年月日や物件…
★ 過去問で3回

宅建業者は、事務所ごとに帳簿を備え、取引のつど、年月日や物件の所在、面積などを記載します。

根拠: 宅地建物取引業法 49条

帳簿には、報酬の額や売買金額、宅地や建物の概況なども記載します。

根拠: 宅地建物取引業法 49条、宅地建物取引業法施行規則 18条1項7号

自ら売主となる新築住宅では、引渡しの年月日と床面積も記載します。

根拠: 宅地建物取引業法施行規則 18条1項8号

帳簿は、各事業年度の末日に閉鎖し、閉鎖後5年間保存します。自ら売主となる新築住宅に係るものは10年間です。

根拠: 宅地建物取引業法施行規則 18条3項

過去問に出た

帳簿には、従業者名簿のような閲覧の義務はありません。

根拠: 宅地建物取引業法 49条

左右の比較従業者名簿と帳簿のちがい

従業者名簿10年保存帳簿閉鎖後5年備える場所事務所ごと事務所ごと記載の内容従業者全員の氏名など取引のつど年月日・所在など保存期間最後の記載から10年閉鎖後5年(新築住宅は10年)閲覧請求があれば閲覧に供する閲覧の義務はない

閲覧の規定があるのは、従業者名簿だけ。

根拠: 宅地建物取引業法 48条3項、宅地建物取引業法 48条4項、宅地建物取引業法 49条、宅地建物取引業法施行規則 17条の2第4項、宅地建物取引業法施行規則 18条3項

事例

みなと不動産は、田中さんとの売買が成立したので、帳簿に年月日、物件の所在、面積、報酬の額を書きました。年度末に閉鎖し、5年間保存します。

根拠: 宅地建物取引業法 49条、宅地建物取引業法施行規則 18条3項

覚えるコマ

覚える従業者名簿と帳簿は、保存期間や閲覧がどう違うか?根拠 規則18条3項
従業者名簿最終の記載の日から10年。請求があれば閲覧に供する帳簿年度末に閉鎖し、閉鎖後5年。閲覧の規定はない備付けどちらも事務所ごと。案内所には不要自ら売主となる新築住宅の帳簿は、閉鎖後10年保存する。

名簿は最終の記載の日から10年で閲覧に供する。帳簿は閉鎖後5年で閲覧なし。

間違えやすいところ:自ら売主の新築住宅の帳簿は閉鎖後10年。案内所には名簿も帳簿も備えない

従業者名簿と帳簿は、保存期間や閲覧がどう違うか? 名簿は最終の記載の日から10年で閲覧に供する。帳簿は閉鎖後5年で閲覧なし。

要点過去問に出た

保存は、閉鎖後5年、新築住宅は10年です。閲覧の義務は名簿だけです。

根拠: 宅地建物取引業法施行規則 18条3項

ひっかけ

帳簿も、請求があれば閲覧に供する、は誤りです。閲覧の規定は従業者名簿だけです。

根拠: 宅地建物取引業法 48条4項

標識と案内所約3分

この節でよく出るのは

  • ★ 3回建売の現地に、案内所を出すことになりました。大野誠社長が「こ…
  • ★ 3回他の宅建業者の分譲の代理や媒介をする案内所も、標識を掲げます…
  • ★ 2回標識を掲げる場所には、事務所以外の継続的な施設、分譲の現地、…
場面★ 過去問で3回

建売の現地に、案内所を出すことになりました。大野誠社長が「ここでは、契約もするよ」と言いました。木村さんは「契約や申込みを受ける案内所には、専任の取引士を置くよ。届出は、業務を始める10日前までだ」と確かめました。佐藤さんが「契約をしない案内所も同じですか」と聞くと、木村さんは「標識はどの案内所でも掲げる。取引士と届出は、お客さんが契約や申込みをする案内所だけだよ」と答えました。

根拠: 宅地建物取引業法 50条1項、宅地建物取引業法 50条2項、宅地建物取引業法施行規則 19条3項

宅建業者は、事務所や、省令で定める業務をする場所ごとに、標識を掲げます。掲げる決まりがあるのは標識で、免許証を掲げる決まりは法にありません。

根拠: 宅地建物取引業法 50条1項

★ 過去問で2回

標識を掲げる場所には、事務所以外の継続的な施設、分譲の現地、分譲の案内所、展示会などの催しの場所が入ります。

根拠: 宅地建物取引業法施行規則 19条1項1号、宅地建物取引業法施行規則 19条1項2号、宅地建物取引業法施行規則 19条1項3号、宅地建物取引業法施行規則 19条1項5号

★ 過去問で3回

他の宅建業者の分譲の代理や媒介をする案内所も、標識を掲げます。契約をしない案内所でも掲げます。

根拠: 宅地建物取引業法施行規則 19条1項4号

過去問に出た

契約を結んだり、申込みを受けたりする案内所には、成年の専任の取引士を1人以上置きます。契約も申込みもしない案内所には、要りません。

根拠: 宅地建物取引業法 50条1項

契約や申込みをする案内所は、所在地、業務内容、業務をする期間、専任の取引士の氏名をあらかじめ届け出ます。届出は、業務を始める日の10日前までにします。

根拠: 宅地建物取引業法 50条2項、宅地建物取引業法施行規則 19条3項

判定の流れ案内所に必要なもの

契約や申込みを受ける案内所か?はい標識・専任の取引士・届出が要るいいえ標識だけ掲げる(取引士・届出は不要)

標識は、契約をしない案内所でも掲げる。

根拠: 宅地建物取引業法 50条1項、宅地建物取引業法 50条2項

事例

みなと不動産は、新築の分譲の案内所を出し、そこで契約を結びます。成年の専任の取引士を1人以上置き、標識を掲げ、10日前までに届け出ます。

根拠: 宅地建物取引業法 50条2項、宅地建物取引業法施行規則 19条3項

覚えるコマ

覚える案内所では、専任の取引士・標識・届出は、それぞれ要るか?根拠 50条2項
契約・申込みを受ける成年者の専任の取引士1人以上・標識・あらかじめ届出受けない専任の取引士と届出は不要。標識は掲げる届出業務開始の10日前までに、免許権者と所在地の知事へ届出事項は、所在地・業務内容・期間・専任の取引士の氏名。

契約や申込みを受ける案内所は3つ必要。受けないなら標識だけ。

間違えやすいところ:届出は、業務を開始する日の10日前までに、免許権者と所在地の知事へ

案内所では、専任の取引士・標識・届出は、それぞれ要るか? 契約や申込みを受ける案内所は3つ必要。受けないなら標識だけ。

要点

標識は広く掲げ、専任の取引士と届出は契約や申込みをする案内所に必要です。

根拠: 宅地建物取引業法 50条2項

ひっかけ

契約をしない案内所には、標識も要らない、は誤りです。標識は掲げます。

根拠: 宅地建物取引業法 50条1項

本試験ではこう出ます

本試験では「宅建業者Aの従業者Cが、買主Bに『必ず値上がりする』と告げて契約を勧めた」のように出ます。Cも禁止の対象かどうかを読み取ります。

根拠: 宅地建物取引業法 47条の2第1項

同じ案内所で、売主と、任された代理・媒介の宅建業者が業務をするときは、どちらか一方が専任の取引士を1人以上置けば足ります。

根拠: 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 第31条の3関係

他の宅建業者の分譲を代理・媒介する案内所の標識は、その案内所を設けた代理・媒介の宅建業者が掲げます。売主が、その案内所に自分の標識まで掲げる決まりはありません。

根拠: 宅地建物取引業法施行規則 19条1項4号

ただし、不動産フェアなどで、複数の宅建業者がそれぞれ別の物件を扱うときは、宅建業者ごとに専任の取引士を1人以上置きます。

根拠: 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 第31条の3関係

ひっかけ

売主と代理の宅建業者が同じ案内所にいるなら、双方がそれぞれ専任の取引士を置かなければならない、は誤りです。同じ物件を扱うなら、どちらか一方で足ります。

根拠: 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方 第31条の3関係

まとめ

  • 禁止行為には、うその告知、高額の報酬要求、手付の信用供与がある。
  • 断定的判断の提供と威迫は、宅建業者だけでなく従業者も禁止される。
  • 勧誘では、前の告知、時間の配慮、撤回を妨げないことが求められる。
  • 登記や引渡し、支払いを不当に遅らせてはならない。
  • 秘密保持の義務は、業をやめた後も続く。
  • 従業者は証明書を携帯し、請求があれば提示する。
  • 従業者名簿は10年、帳簿は閉鎖後5年保存する。新築住宅の帳簿は10年。
  • 事務所や案内所には標識を掲げ、案内所の届出は10日前までにする。
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