権利関係

物権変動・対抗要件・占有(登記と引渡しの役割)

権利関係読む目安 約13分図 4場面つき

この単元で分かること

  • 物権がいつ動き、登記が何のためにあるのかを学びます。
  • 二重譲渡・解除・取消し・時効取得で、だれが優先するのかを学びます。
  • 動産の引渡しと即時取得、占有の訴えの使い分けを学びます。

この単元のはじまりの場面

場面

田中大輔さん夫婦は、山本和子さんから土地を買い、代金も払いましたが、登記はまだ山本さんの名前のままでした。そこへ北町ホームの小林浩二さんが「その土地は、私も同じ人から買った」と言い出しました。木村健一さんは「勝ち負けを分けるのは、契約の順番じゃなくて登記なんだ。第三者が権利関係を知る手がかりは、登記だからだよ」と説明しました。田中さんは、急いで登記の手続きを進めることにしました。

物権は契約で動き、登記で守られる約1分

物権とは、物を直接支配できる権利で、所有権や抵当権がこれにあたります。

根拠: 民法 176条

物権の設定や移転は、当事者の意思表示だけで効力が生じます。契約を結んだ時点で、権利はもう動いています。

根拠: 民法 176条

ただし不動産では、登記をしなければ第三者に対抗できません。第三者とは、契約の当事者以外の人のことです。

根拠: 民法 177条

事例

山本さんが田中さんに土地を売りました。登記をしていなくても、山本さんと田中さんの間では田中さんが所有者です。山本さんがさらに小林さんにも売ったときは、田中さんと小林さんのうち先に登記をしたほうが勝ちます。

根拠: 民法 176条、民法 177条

つまり登記は、権利が生まれる条件ではなく、第三者に主張するための道具です。

根拠: 民法 177条

要点

契約によって権利は動きます。登記は、第三者に対抗するために必要なものです。

根拠: 民法 176条、民法 177条

ひっかけ

登記がなければ売買が無効になる、ではありません。当事者の間では登記がなくても効いています。

根拠: 民法 176条、民法 177条

二重譲渡と背信的悪意者約2分

この節でよく出るのは

  • ★ 2回他人の土地を何の権原もなく占有している不法占有者は、登記の欠…
場面

佐藤さくらさんは「小林さんは、田中さんが先に買ったことを知っていたそうです。それでも登記が先なら勝てるのですか」と聞きました。木村健一さんは「知っているだけなら、登記の早いほうが勝つ。でも、田中さんに高く売りつけるために買ったような、信義に反する人は別だ。そういう人まで守る必要はないからね」と答えました。

根拠: 民法 177条

同じ土地が2人に売られたときは、契約の先後では決まりません。先に登記を備えた人が所有者になれます。

根拠: 民法 177条

事例

山本さんが持つ土地を、田中さんが買いました。その後山本さんが同じ土地を小林さんにも売りました。田中さんも小林さんも未登記なら、先に登記をした人が、もう一人に所有権を対抗できます。

根拠: 民法 177条

ただし例外があります。信義に反するような買い方をした人は、第三者として守られません。これを背信的悪意者といいます。

根拠: 民法 177条

事例

山本さんの土地を23年占有していた石井さんがいました。小林さんはその事実を知りながら、石井さんに高く売りつける目的で山本さんから買って登記しました。小林さんは登記があっても石井さんに対抗できません。

根拠: 民法 177条

二重譲渡の事実を知っているだけの単純悪意者は、第三者に当たります。だから登記がなければ負けます。

根拠: 民法 177条

判定の流れ田中さんと小林さん、どちらが勝つか

小林さんは背信的悪意者か?はい田中さんは登記なしで勝てるいいえ小林さんが先に登記したか?はい小林さんが所有者になるいいえ田中さんが先に登記すれば、田中さんが所有者になる

知っているだけの悪意(単純悪意)では、背信的悪意者にならない。

根拠: 民法 177条

★ 過去問で2回

他人の土地を何の権原もなく占有している不法占有者は、登記の欠けを主張できる第三者に当たりません。登記がなくても所有権を対抗できます。

根拠: 判例 最判 昭和25年12月19日

背信的悪意者かどうかは、その人と先に買った人との間で、人ごとに判断されます。背信的悪意者から買った人でも、自分が背信的悪意者でなければ、先に買った人に登記で対抗できます。

根拠: 判例 最判 平成8年10月29日

覚えるコマ

覚える二重に売られた土地は、だれが所有権を主張できるか?根拠 177条
第1買主・第2買主・先に登記を備えた者が優先する・契約の先後では決まらない売主と買主(当事者間)・登記がなくても、所有権を主張できる登記は第三者に対する対抗要件にすぎない。

先に登記を備えた者が優先する。契約の先後は関係ない。

間違えやすいところ:先に契約した人が勝つと考えると間違える。売主と買主の間では、登記がなくても主張できる

二重に売られた土地は、だれが所有権を主張できるか? 先に登記を備えた者が優先する。契約の先後は関係ない。

覚える二重譲渡を知っていた相手には、登記なしで主張できるか?根拠 177条
第2買主は、背信的悪意者か?はい第三者に当たらず、登記なしで主張できるいいえ単純悪意者も第三者。先に登記した者が優先背信的悪意者は判例、単純悪意者の扱いは運用による。

背信的悪意者にだけ、登記なしで主張できる。

間違えやすいところ:単に知っているだけの単純悪意者は「第三者」に当たる。背信的悪意者とは別

二重譲渡を知っていた相手には、登記なしで主張できるか? 背信的悪意者にだけ、登記なしで主張できる。

要点

二重譲渡は登記の先後で決まります。例外は、信義に反する背信的悪意者だけです。

根拠: 民法 177条

ひっかけ

悪意なら登記がなくても勝てる、ではありません。背信的悪意者だけが第三者に当たりません。

根拠: 民法 177条

解除・取消しと第三者約2分

この節でよく出るのは

  • ★ 2回取消しの後に現れた第三者とは、対抗関係に立ちます。先に登記し…

契約が解除されると、各当事者は相手を元の状態に戻す義務を負います。ただし、第三者の権利を害することはできません。

根拠: 民法 545条1項

事例

山本さんが田中さんに土地を売り、田中さんが小林さんに転売しました。その後山本さんが田中さんとの契約を解除しました。小林さんが解除の前に権利を得て登記も備えていれば、山本さんは小林さんの権利を害せません。

根拠: 民法 545条1項

過去問に出た

解除の後に現れた第三者とは、対抗関係に立ちます。先に登記を備えた人が優先します。

根拠: 民法 545条1項

事例

山本さんが田中さんとの売買を解除した後、田中さんが小林さんにその土地を売り、小林さんが先に登記しました。山本さんは登記がなければ小林さんに所有権を対抗できません。

根拠: 民法 545条1項

詐欺による取消しの場合も似ています。取消しは、善意で過失のない第三者には対抗できません。

根拠: 民法 96条3項

★ 過去問で2回

取消しの後に現れた第三者とは、対抗関係に立ちます。先に登記した人が優先すると考えられています。

根拠: 民法 96条3項

左右の比較解除・取消しの前と後の第三者

前の第三者解除・取消しの前後の第三者解除・取消しの後解除売主は権利を害せない先に登記した人が勝つ詐欺の取消し善意無過失なら対抗されない先に登記した人が勝つ

前の第三者は元の権利を守る。後の第三者とは登記で競争する。

根拠: 民法 545条1項、民法 96条3項

覚えるコマ

覚える解除・取消しの前と後の第三者とは、どう決まるか?根拠 177条
解除前第三者の権利を害することはできない解除後対抗関係。先に登記を備えた者が優先取消し前詐欺では、善意無過失の第三者に対抗できない取消し後対抗関係。先に登記を備えた者が優先解除後・取消し後の第三者は、判例・運用による。

解除前の第三者は害せない。後の第三者とは、先に登記を備えた者が優先。

間違えやすいところ:取消し前の第三者が保護されるのは、詐欺では善意でかつ過失がない第三者だけ

解除・取消しの前と後の第三者とは、どう決まるか? 解除前の第三者は害せない。後の第三者とは、先に登記を備えた者が優先。

要点

解除や取消しの時点で第三者を分けます。前の第三者は元の権利を守り、後の第三者とは登記で競争します。

根拠: 民法 545条1項、民法 96条3項

ひっかけ

解除や取消しは、無条件に第三者へぶつけられるわけではありません。時点と登記があるかどうかで決まります。

根拠: 民法 545条1項、民法 96条3項

時効で取得したときと登記約2分

場面

山本和子さんの空き地の端を、20年以上使ってきた石井さんがいます。時効はすでに完成していますが、石井さんは登記をしていません。そこへ山本さんがその土地を別の人に売り、買主が先に登記を済ませました。「20年以上も使っているのに」と石井さんは驚いています。木村健一さんは「時効が完成したあとの買主とは、登記の早いほうが勝つ。完成する前に買った人が相手なら、登記がなくても時効を取得した側が勝つんだ」と答えました。

根拠: 民法 177条

時効で不動産を取得した場合も、登記が問題になります。時効の完成の前か後かで結論が変わります。

根拠: 民法 177条、民法 162条1項

過去問に出た

時効の期間が進んでいる途中で、元の所有者から譲り受けて登記した第三者には、時効取得者は登記がなくても対抗できます。

根拠: 民法 177条

事例過去問に出た

山本さんが持つ土地を石井さんが長く占有していました。時効が完成する前に山本さんが田中さんに売り、田中さんが登記しました。それでも、石井さんは登記がなくても田中さんに所有権を対抗できます。

根拠: 民法 177条

過去問に出た

時効が完成した後に登記を得た第三者には、時効取得者は登記がなければ対抗できません。

根拠: 民法 177条

事例

石井さんの時効が完成した後、山本さんが田中さんに売って田中さんが登記しました。石井さんが登記をしていなければ、石井さんは田中さんに勝てません。

根拠: 民法 177条

ただし、時効取得者が、第三者の登記の後もさらに時効期間分の占有を続けたときは、登記なしで対抗できます。

根拠: 民法 177条

時系列時効の完成の前後と登記

占有の開始石井さんが使い始める完成の前第三者が買って登記する時効の完成石井さんが所有権を取得する完成の後第三者が買って登記する登記不要

完成の前の第三者には登記なしで勝てる。完成の後の第三者には、登記がないと負ける。

根拠: 民法 177条、民法 162条1項

覚えるコマ

覚える時効取得者は、第三者に登記なしで対抗できるか?根拠 162条1項
第三者が登記を得たのは、時効の完成前か?はい登記なくして対抗できるいいえ登記がなければ対抗できない完成後の登記後も時効期間分占有を続ければ、登記なくして対抗できる。

第三者の登記が時効の完成前なら、登記なしで対抗できる。

間違えやすいところ:完成後に第三者が登記を得たときは、登記がないと対抗できない(判例)

時効取得者は、第三者に登記なしで対抗できるか? 第三者の登記が時効の完成前なら、登記なしで対抗できる。

要点

時効進行中の第三者には登記なしで勝てます。完成後の第三者には登記が要ります。

根拠: 民法 177条

ひっかけ

時効取得は自動的に登記なしで認められる、ではありません。完成後の第三者との関係では登記が物を言います。

根拠: 民法 177条

相続と対抗要件約1分

相続で権利を承継した場合も、法定相続分(法律で決められた相続の割合)を超える部分は、登記などの対抗要件が要ります。対抗要件とは、第三者に「自分のものだ」と主張するために必要な条件で、不動産では登記がこれにあたります。

根拠: 民法 899条の2第1項

事例

山本さんの親が亡くなり、山本さんと兄の間で遺産分割(相続した財産を分けること)をして、山本さんが土地を取得しました。山本さんは登記をしないと、法定相続分を超える部分を第三者に対抗できません。

根拠: 民法 899条の2第1項

遺産分割は、相続が始まった時にさかのぼって効力が生じます。ただし、第三者の権利を害することはできません。

根拠: 民法 909

事例

山本さんが、親の遺産分割で土地を取得しました。その前に、もう一人の相続人である兄が同じ土地を田中さんに売っていました。山本さんは登記がなければ田中さんに対抗できません。

根拠: 民法 899条の2第1項

過去問に出た

相続を放棄した人は、初めから相続人でなかったものとみなされます。放棄するには、家庭裁判所に申述します。

根拠: 民法 938、民法 939

覚えるコマ

覚える相続で取得した持分は、登記なしで第三者に主張できるか?根拠 899条の2第1項
法定相続分まで・登記がなくても、第三者に主張できる法定相続分を超える部分・登記等がないと、第三者に対抗できない遺産分割は相続開始の時にさかのぼるが、第三者の権利は害せない。

法定相続分を超える部分は、登記等がないと対抗できない。

間違えやすいところ:相続したものは全部、登記なしで主張できると考えると間違える(判例)

相続で取得した持分は、登記なしで第三者に主張できるか? 法定相続分を超える部分は、登記等がないと対抗できない。

要点

相続でも登記は必要です。遺産分割の遡及効は、第三者を犠牲にできません。

根拠: 民法 899条の2第1項、民法 909

ひっかけ

遺産分割で決まれば相続開始時にさかのぼる、とだけ覚えると誤ります。第三者との関係では登記が要ります。

根拠: 民法 909、民法 899条の2第1項

動産の引渡しと即時取得約2分

動産では、物の引渡しがなければ第三者に対抗できません。登記の代わりに引渡しを使います。

根拠: 民法 178

引渡しには4つの形があります。現実の引渡し、簡易の引渡し、占有改定、指図による占有移転です。

根拠: 民法 182条1項、民法 182条2項、民法 183、民法 184

簡易の引渡しは、譲受人がすでに物を持っているときの方法です。当事者の意思表示だけで足ります。

根拠: 民法 182条2項

占有改定は、持っている人が以後は相手のために持つと表示する方法です。物は動きません。

根拠: 民法 183

指図による占有移転は、本人が代理人に命じ、第三者が承諾する方法です。

根拠: 民法 184

事例

山本さんが田中さんに腕時計を売りました。田中さんはすでにその時計を借りて持っていたので、意思表示だけで占有を譲り受けました。物を動かさなくても引渡しがあったことになります。

根拠: 民法 182条2項

過去問に出た

即時取得は、取引行為によって平穏に公然と動産の占有を始め、善意で過失がなければ、その物の権利を即時に取得する制度です。

根拠: 民法 192

事例

田中さんが店で、山本さんから盗まれた腕時計を事情を知らずに買いました。田中さんに過失がなければ、田中さんはその時計を取得します。持ち主から盗まれた物でも、知らずに買った人が守られる場合があります。

根拠: 民法 192

ただし、盗品や遺失物は、被害者や遺失者が盗難や遺失の時から2年間、占有者に回復を請求できます。

根拠: 民法 193

占有者が競売や公の市場で、または同種の物を売る商人から善意で買い受けていたときは、代価を弁償しなければ回復できません。

根拠: 民法 194

判定の流れ動産を買った人は守られるか

取引で、善意無過失のまま占有を始めたか?はい盗品か遺失物か?はい競売・公の市場・商人から買ったか?はい代価を弁償されるまで返さなくてよいいいえ2年間は返還を請求されるいいえ権利を即時に取得できるいいえ即時取得できない

盗品・遺失物の2年は、盗難または遺失の時から数える。

根拠: 民法 192、民法 193、民法 194

覚えるコマ

覚える盗品・遺失物は、いつまで取り戻せるか?根拠 193条
2年間盗難・遺失の時から、占有者に回復を請求できる例外競売・公の市場・同種の物を売る商人から善意取得した占有者には、代価を弁償しなければ回復できない取引行為による平穏・公然の占有開始と善意無過失で、即時取得が成立する。

盗難・遺失の時から2年間。競売・公の市場等の取得者には代価の弁償が要る。

間違えやすいところ:2年の起算点は盗難・遺失の時。占有者が買った時と取り違えると間違える

盗品・遺失物は、いつまで取り戻せるか? 盗難・遺失の時から2年間。競売・公の市場等の取得者には代価の弁償が要る。

覚える簡易の引渡し・占有改定・指図による占有移転は、何が違うか?根拠 182条2項
簡易の引渡し譲受人が、すでに物を持っている。意思表示のみで足りる占有改定代理人が、以後は本人のために占有する意思を表示する指図による移転本人が代理人に命じ、第三者が承諾する動産の物権譲渡は、引渡しがなければ第三者に対抗できない。

簡易の引渡しは意思表示のみ。指図による移転は第三者の承諾が要る。

間違えやすいところ:占有改定は、代理人が以後本人のために占有する意思を表示すると本人が占有権を取得する

簡易の引渡し・占有改定・指図による占有移転は、何が違うか? 簡易の引渡しは意思表示のみ。指図による移転は第三者の承諾が要る。

要点

即時取得は、知らずに買った人を守る制度です。盗品には2年間の例外があり、代価の弁償でさらに変わります。

根拠: 民法 192、民法 193

ひっかけ

即時取得が成立すれば盗品でも必ず自分のものになる、ではありません。回復請求と代価の弁償があります。

根拠: 民法 193、民法 194

占有権と占有の訴え約2分

占有権は、自分のためにする意思をもって物を所持すると取得できます。物を持っているという状態(外観)を守るための権利です。

根拠: 民法 180

占有には推定が働きます。所有の意思をもって、善意で、平穏に、公然と占有しているものと推定されます。

根拠: 民法 186条1項、民法 186条2項

事例

田中さんが借りている土地に、小林さんが無断で車を乗り入れ始めました。田中さんは占有保持の訴えで、妨害の停止と損害の賠償を求められます。

根拠: 民法 198

表
占有の訴え使うとき請求できること
占有保持の訴え占有を妨害されているとき妨害の停止と損害の賠償
占有保全の訴え占有を妨害されるおそれがあるとき妨害の予防または損害賠償の担保
占有回収の訴え(奪われた物を取り戻す訴え)占有を奪われたとき物の返還と損害の賠償(奪われてから1年以内に提起)

根拠: 民法 198、民法 199、民法 200条1項、民法 201条3項

事例

田中さんが小林さんに自転車を奪われました。田中さんは1年以内に占有回収の訴えを提起できます。小林さんからその自転車を買った人が、奪った事実を知っていたなら、その人にも請求できます。

根拠: 民法 200条2項、民法 201条3項

占有の訴えでは、本権に関する理由に基づいて裁判ができません。所有権があるかどうかは、別の訴えで争います。

根拠: 民法 202条1項、民法 202条2項

占有権は、占有の意思を放棄するか、所持を失うと消滅します。占有回収の訴えを提起したときは消滅しません。

根拠: 民法 203

代理人が持っている場合でも、代理権が消えただけでは占有権は消滅しません。

根拠: 民法 204条2項

占有権は、代理人を通じても取得できます。物を貸した人は、借りた人が持っている間も占有を続けているものとされます。

根拠: 民法 181

占有回収の訴えが使えるのは、占有を奪われたときです。だまされて自分から渡した場合は、奪われたことにはなりません。

根拠: 民法 200条1項

登記など対抗要件を備えた不動産の賃借人は、占有を妨害する第三者には妨害の停止を、占有している第三者には返還を請求できます。

根拠: 民法 605条の4

覚えるコマ

覚える占有を奪われたとき、何年以内にどんな訴えを起こせるか?根拠 201条3項
占有保持の訴え・妨害されている・妨害の停止と、損害の賠償を請求できる占有回収の訴え・占有を奪われた・奪われた時から1年以内に提起する占有の訴えでは、本権に関する理由で裁判できない。

占有回収の訴えを、占有を奪われた時から1年以内に提起する。

間違えやすいところ:侵奪者の特定承継人には提起できない。ただし、侵奪を知っていたときは提起できる

占有を奪われたとき、何年以内にどんな訴えを起こせるか? 占有回収の訴えを、占有を奪われた時から1年以内に提起する。

要点

占有の訴えは、権利があるかどうかを問わず、占有という事実を守る手続きです。提起できる期間が決まっているものがあります。

根拠: 民法 197、民法 201条1項

ひっかけ

占有を奪った人から物を買った第三者にも、その人が奪った事実を知っていたなら、占有回収の訴えを提起できます。

根拠: 民法 200条2項、民法 201条3項

本試験ではこう出ます

本試験では「Aが売った土地をBが買い、登記の前にCも買った」のように出ます。先に登記を備えたのがBかCかを読み、Cが背信的悪意者かを確かめます。

根拠: 民法 177条

まとめ

  • 物権は意思表示だけで動きます。登記は第三者に対抗するための道具です。
  • 二重譲渡は契約の先後ではなく、登記の先後で決まります。
  • 信義に反する背信的悪意者は第三者に当たらず、登記がなくても対抗できます。
  • 解除や取消しの前の第三者は保護され、後の第三者とは登記で競争します。
  • 時効取得は、時効進行中の第三者には登記なしで対抗でき、完成後の第三者には登記が要ります。
  • 相続でも、法定相続分を超える部分は登記などの対抗要件が要ります。
  • 動産は引渡しで対抗し、引渡しには現実・簡易・占有改定・指図の4つの形があります。
  • 即時取得は善意無過失で成立しますが、盗品には2年間の回復請求があります。占有回収の訴えは、奪われた時から1年以内に提起します。
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